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大東亜戦争。

日本政府の行動で良く分からないことの一つに、大平洋戦争がある。日本側では大東亜戦争と呼称した。アジアを巡ってアメリカとの対立が激化し、石油など資源の不足で日本は苦しんだ。特にアメリカから石油の輸入が出来なくなったのは致命傷で、その為に日本は戦争の道を選んだ。昭和16年にはいくつかのシミュレーションが極秘のうちに行われ、どれも日本必敗との結論が出た(勿論史実もそうなった)。それでも敢えてアメリカとの開戦を選んだのは、戦力に大差が出る前に勝利を得ようとする算段だった。幸運なことに、緒戦は勝利が続き、資源は確保出来ることになった。それはまあ良いとして、戦力が足りないのは明白だったにも関わらず、日本は更に前線拡大を図った。そもそもミッドウェーやガダルカナルまで進出しようと考えるのは無茶もいいところで、開戦前の計画でも考えられていなかったことである。先のシミュレーションでアメリカとの戦力差は拡大するのは分かっていたにも関わらず、戦略がないからこの有様である。差し当たり持久戦に持ち込んで、和平を模索した方が良かったのではと思う。少なくとも敗北を続けてカタストロフィcatastropheにはならなかったと考える。そもそも戦力が少ないのだから、占領地を独立させておいて、日本列島周辺で大人しくした方が良かったかもしれない。差し当たり東南アジア全体を非武装地帯としておくとなおベター。必要なのは資源なのだから、独立した各国から手に入れる算段をすれば済んだ話だと思う。大義名分も唱えられるだろうし。日露戦争と違うのは戦略の有無。日露戦では軍事力の限界をわきまえていた(奉天までが限界だっただろう)のに対し、大東亜戦争では舞い上がってしまった。戦略の致命的な間違いは、個々の戦術ではフォロー出来ない。