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ディドロ美学の始源(美学・芸術学研究第12回)

ディドロの著作を読んでみたいと思う。本質は他の哲学者と変わったことは言っていないとも感じるけれど。

 

青山昌文。学問の実際の姿を。東大の博士論文の文章そのものを。今回以降は知の巨人のディドロを。最初期の美学。その前に。博士論文の全体の序論を。ディドロについて今まで語られたことと新しく述べること。18世紀の思想家。美学芸術理論が通俗的意見に反して一貫的なものであることを。無矛盾であることのみが目的でなく、ヨーロッパの古典美学の伝統を踏まえて、近代主観理論を乗り越えるための。近代を超える力を。カント的な現代美学は未だに影響力を失っていないが、主観性の神話を根本的に乗り越えることが要請されている。主観主義の潮流。モンテスキューなどの。超近代主観的な理論を。ディドロの芸術哲学。創造理論。実在論的美学であり存在論的美学。通俗的なディドロへの批判が誤っていること。カント美学とは対立。強度の美学。存在の連鎖の。如何にディドロが理解されなかったか。模倣という古典主義に囚われている?絶対的な模倣はありえないとディドロはする。純粋な創造。揺れ動く?ドイツ観念論美学による天才概念を押し付ける。古典主義時代においては模倣は決してコピーではなく、模倣と創造は対立概念ではない。カント以降にしか妥当しない。シャルダン論。単純な再現では全く無い。宇宙の太陽と自己の太陽。デッサンや色彩などの技法。目を野原に。ショックなことは存在しない。自然は全ての存在に平衡を確立している。芸術の色彩は自然に匹敵することは不可能。絵画は宇宙の太陽でなく自己の太陽を。模倣を超える天才の創造についてとは全く無い。画家は自然に匹敵する絵画を持てない。カント以降の天才を礼賛するドイツ観念論と全く違う。ディドロは人間の成す芸術は自然の絶妙な釣り合いを模倣しなければならないとする。天才説をディドロに押し付けたがための間違い。近代主観主義の間違い。近代に超える力を持つ。ディドロ美学の考察。
ディドロ美学は全体の統一性に欠けたもの?1つのイデー。最も重要な。根本的な反論を。無矛盾であり、ある1つのイデーが存在し続けること。それを核として星座と為している。最晩年に至るまで。「我々」という学術論文の表現。
最初期のディドロ美学。32歳のディドロ。道徳哲学原理。1番めの哲学作品。訳注を駆使して美学の定式化を。イギリスの学者の自由訳。単に翻訳するのではなく独自の考察を。美学的考察。美を感じ取る感覚。事物の中にある自然な感覚を否定するのは気取りのように思われる?美の実在性。精神的諸存在。ある本質的な美。美が実在の内に存在。百科全書で展開。シャーフツベリの主張。美の実在性を無媒介に主張するだけなら問題に。現象世界に現実的に存在していないこと。創造力で作り上げる美の実在性についてどう考えるか。人間である芸術家が新たなものを?芸術創造の根幹に。神話上の怪物。異形のもの。モンストル。存在しない、セイレーン。上半身が人間の女性で下半身は鳥。後世では魚に変化。実在していない。絶対に存在しない。そこにも美が存在しているとディドロは。この世では居ない存在に美が存在する根拠は?想像上の存在を描いた絵画について。理性なのか気まぐれなのか。絵画においてアクティブに動いているのか不必要なのか。動いているなら同じように置かれている。宇宙においては果たすべき責務が誘起体組織を決定していて、自動機械が自己の様々な機能に。比例した分だけ完全。美しい人間とは、手足が機能の遂行に有利でなければ何ものなのか。架空のものではない。美もまた勝手な恣意的なものではない。動物組織の全体的調和。幾何学的な釣り合いを。芸術におけるミーミーシスは模写ではない。存在の連鎖の上にこそ美が成立する。根底的なイデーが明らかに。宇宙においては全てが結び合わされている。巨大な一歩。自然においてより多くの結合が。道徳学者において。ディドロの引用。真理は哲学の一歩、巨大な一歩を成す。ディドロ自身の言葉。自然とはディドロにおいては一大連鎖体。自然においては所定の場所が責務を決定する。宇宙と自然とは存在論的に基本的に1つ。ディドロ美学の核。このイデーにこそ存在の法則と。諸要素の結果全体。様々な結合の結果の全体を自然と呼ぶ。無限の自然現象。全てのものを結びつける大いなる連鎖。全存在連鎖としての自然。根本的な自然観。ディドロ美学は多くの学者にとっては矛盾に満ちているものと捉えれられる。矛盾こそ良いところ?矛盾を正視することが現代的?しかしディドロの主張は矛盾していない。ディドロ美学の根幹。整合的な完結した一貫した。存在の連鎖はプラトン以来の。およそ優れた芸術家や美学者。処女作の内に萌芽が存在している。ディドロ美学も。生涯変わらぬ美学を既に述べている。美学思想について知っている人はディドロは体系的でないと言うが、本質を理解していない。

 

美学・芸術学研究 (放送大学大学院教材)

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