政治不信というものは他の国はともかく日本には根強く存在する。私が子どもの頃は、55年体制で永らく政権与党の地位にあった自由民主党が政治不信の元凶とされていた(私の住む地域では自民党が弱かったことを差し引く必要はあるが)。党内の派閥政治が諸悪の源とされ、だから野党を支持すべきだとの主張が蔓延していた。しかし自民党が駄目だからといって、それは野党が信頼に足るということを証明するものではない。それだからか1993年に至るまで自民党は政権を失わなかった。政治不信が広がっているからといって政権が変わる訳ではない。ただ政治に期待する人間が少なくなれば民主政治は内側から崩壊する可能性があることは認識しておくべきだろう。