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ネットワーク社会と不確実性 -産業社会の第3段階「信頼」(1)-(経済社会を考える第13回)

現代に近づいてきた。かなり前からの課題のようにも思えるけれど。

 

ビジネスという特徴。今回は産業社会の第3段階。変化のポイント。3つの。大規模化という傾向に限界が出てくる。不確実性。典型例として企業の組織規模。オルソンのパラドクス問題。人間関係の問題。プリンシパルエージェント問題。根本的な変化。
産業社会の不確実性。確かではないこと。産業社会では、将来何が起こるか分からないこと。運営していくにはコストがかかっている。治安を維持したり制度を作ったり法律を整備したり。近代の産業社会に限界が。人々の経済活動は市場経済や組織の中での経済が車の両輪。産業システムからビジネスシステムへ。市場についても組織についても維持管理するのに手間と時間がかかる。制度やシステムを考えるとすれば運営コストが非常にかかる。不確実性の元に。市場についてコストはあまり考えられてこなかった。ロナルド・コース。「企業の本質」。秩序の運営コストの増加。制約がかかるのではと指摘。市場の取引コストが大きくなると、企業内の取引の方が有利に。市場や企業組織から抜け出て。どのように欠陥から抜け出せるか。そもそも不確実性とは?人間は欠陥動物。社会科学的にもどこか抜けている部分が。蜂のような昆虫ならばせっせと生産活動を。人間は将来に亘り不確実。困難を覚える。人間は経済社会のあらゆる活動の上で、特定することの出来ないような状況に陥る。将来への予測不可能性。自然に対しての不確実性だけでなく、社会に対しても。1人で生きていくのであれば将来の完全な情報が得られるが、実際には他者が存在。需要側の問題。何が売れるか分からない。変化が目まぐるしくおきてくる。不確実性のケースは?病気や事故に。リスクが生じるところでも。変化が起こる。生命保険。ある程度の事故や病気の手当てを。しかしリスクの起こる確率が集団的に分かるが、予想のつくものだけでなく予想のつかないものが。生産の場合に予測不可能なものが重要に。フランク・ナイト「危険、不確実性及び利潤」。測定できる不確実性のことをリスクと。予測できないのを真の不確実性と。保険原理では無理なもの。人間にとって重要なのは、不確実性があるからこそ経済活動が活発になることがある。それがさらに不確実性を助長。企業の特質的な形を与える。収入を与えることを説明する。利潤。生産された製品の売上高から差し引いた利潤を。全ての変化が予知可能ならば全ての生産要素に配分し尽くされ利潤は生じない。費用との差額が消滅する。現実には、予想は覆される場合が多いので利潤の発生可能性が。上手くいかないと欠損になり倒産することに。
大規模組織の限界。一般的には集団を作って大規模化して不確実性を解消する。しかし。理論的な1つの実験、調査。ホーソン実験。32年にかけて。ウエスタン電気会社のホーソンという工場。中心人物の1人にメイヨーが。労働者の衛生状態について照明という労働環境の調査を。労働者を2つのグループに分けて。照度を違える。結果からは目立った結果が出なかった。引き継いで、給料や休憩時間や軽食を与えたりする。夜間労働の労働環境が問題。どういう影響を?給料が上がれば良く働く。休憩時間を減らせば労働意欲が湧く?しかし労働意欲は下がらなかった。経済要因や時間要因では働き方の影響は出なかった。メイヨーの言葉。同一の結果が生まれる訳ではない。人々を操作するのが近代社会の命題だったが、崩れてしまった。組織というのは政治的経済的要因だけで動くのでなく、多様なものが。潜在的なもの。生産コストだけでなく取引コストのような運営面も。単純には制御できない問題が。ビジネス社会の制御できない問題。不確実性。具体的には?1つの変数で他者を制御できない問題は色々。オルソンのパラドクス。組織が大規模になればなるほど協力関係が成立しない。より大きな生産性が上がるということにならない。一例。タダ乗り。フリーライド。皆で利用すべき制度などがあった場合、一部の人が作って他の人がタダ乗り。公共財。大規模な組織を形成すればするほどタダ乗りをすることに。大規模企業特有の問題。オルソン。「集合行為論」。分前が小さくなりインセンティブが減少する。集合財。皆で利用する。利益を享受する人が多ければ、集団からの分前が小さくなる。誘因が減少する。集団の中で小さなものなら起こらないことが大規模になると起こる。選択的誘因。個人の貢献に対し集団に対する動機づけ。貢献したらボーナスを。プラスの選択的誘因。マイナスの。罰則を設けて。特別な貢献へのインセンティブ。集団に対する利益を引き出す。何故人々が集団に参加するか、そのことにより個人にメリット。全体に綺麗になって自分のところへ。個人が犠牲になっての集団の利益。それが分配される。手に入れた共同利益より少ない利益となる可能性が大規模になると高くなる。成員は共通利益への行動を起こさなくなる。一種のパラドックス。
プリンシパルエージェント問題。人間関係の内部の問題。大規模組織の限界として。プリンシパル。依頼人。主たる人。エージェント。代理人。組織の中に存在。仕事というものを中心にして、頼む方と頼まれる方にギャップが。人間関係の不確実性を。片方に情報が偏る場合。情報が多くなった方と少なくなった方で対等な関係を築けない。典型例。情報のたくさん集まるのがエージェントだと、主体がエージェントに。上下関係や友達関係、主客逆転現象が。孤島で1人で生活。実際では他の人の頼みに頼らないで生きることは出来ない。エージェントとの契約。他者との関係が生じる。依頼人と代理人の存在する世の中に。組織の上下関係を説明?今日の社会での上下関係は依頼する人とされる人とがあるから。ヒエラルキー組織。組織問題については支配関係だけで説明できない。上司と部下。頼む側、プリンシパル。頼まれる側、エージェント。情報の共有が上手くいかない。ライデンシュタイン。社長と従業員。徐々にトップと底辺の距離が広がる。そのことによるX非効率。意欲が分断されるという問題。プリンシパルエージェント問題により動機づけや労働意欲や一体感、信頼性が失われる。所有と経営の分離。30年代の典型例。資本主義で株式制度の発達。株式の発行で一般庶民も所有者に。株主たちは会社に興味を示さなくなる。経営者が多くの情報を。企業の所有の変化がプリンシパルエージェント問題を。変容がなされる。乗り越えるには?生じた組織の軋轢や不信、コストの問題。規模の拡大を続けるわけにはいかない。大規模を極端に進めるとだめだし、小規模かも無理、中範囲の信頼性を。ネットワークというものを形成するのを模索した時期が。シリコンバレー。西海岸における実験。地域のネットワークが形成。ICT産業の集約。労働力におけるネットワーク。技術のネットワーク。資本のネットワーク。二都物語。システムがあるために地域が一体感を持ってネットワークを。専門化同士で学習したり調整したり。ネットワーク化のメリット。専門技術に秀でた実験的な。労働市場が集約される。専門家の集積。オープンな市場の形成。地域ネットワークの形成で非公式なCommunicationが存在。企業同士が競争するが、技術者同士の相互協力が発達。横のつながりを重視する特徴。緩やかな繋がりが。横のコミュニケーションが発達する。日本でも産官学連携。垣根を取り外し風通しの良い関係。不確実性を縮小することが期待された。
産業社会の第3段階への変化。不確実性。人間関係で危機を乗り越える。企業組織や政府組織を大規模化する傾向が。これに対して逆に不確実性が。規模の経済がもたらす。程よい社会的ネットワークを。

 

経済社会を考える―消費・産業の様式(モード)とアンサンブル (放送大学教材)

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