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外国における道徳教育(道徳教育の方法第14回)

取り上げられた各国でも、初等中等教育については多様性に対する模索をしている。日本では多様性に目を瞑っていないだろうか?

 

堺正之。日本の学校における道徳教育。それに対して海外は?イギリス、フランス、韓国。宗教を共通の切り口として。なんのために?現在の自身の立ち位置を知るため。日本の道徳教育の意識されない部分を。
外国の道徳の参照をする意義。道徳教育は人が生きる上で必要なルールを。万人に必須のものとして基盤に据えられるべき。13年の懇談会では早い時期から外国の道徳教育について取り上げられる。人格の基盤となる道徳性を養う、というのは否定はされない。しかし外国の道徳教育を論じるのは簡単ではない。教育課程の構造が異なる。切り取っても相似形にはならない。日本も見習うべきだ、とは一概に言えない。偏った情報を理想化するのは論外としても、問題点を拡大するには問題が。道徳教育の6つの類型。宗教教育。徳目。専制国家的イデオロギー。新教育学に近い道徳性発達論。公民教育。自律的市民を。コスモポリタンシティズンシップ。しかしあくまで類型に過ぎない。
宗教と学校教育。ホーキング博士。89年に「ホーキング宇宙を語る」。数式が殆ど出てこない。興味深いEpisodeが。81年バチカンにおいて宇宙論の会議。ローマ法王に謁見する。ビックバンそのものについて研究してはならない。神がなさったことだから。科学的認識との矛盾。神話的な物語と結付く。自分たちのルーツを語る。戦前は建国神話が。古事記日本書紀の神々が。神道との関わりが深い。信教の自由と政経分離。しかし神道は宗教にあらずと。国家神道。GHQによる打破。アメリカでも進化論の議論がある。生物の変遷と進化。生物を時間的繋がりで捉える見方を。生物の多様性は進化によるもの。天地創造説とは相容れない。幾つかの州で進化論を禁止する法律が。教師に罰金刑が。個人の信教の自由に違反するという最高裁の判決は68年。しかし完全に決着した訳ではない。同じ時間をかけて創造科学も教えるべき。連邦が違憲判決を出したのは87年。インテリジェント・デザイン論として働きかけを。多様で複雑な生命の構造は何らかのdesignに基づくという。神社へのお参りとクリスマス。歴史と伝統を踏まえて宗教との関わりを。宗教の3種類。宗派教育。信仰として教える。公立学校では禁止されている。宗教系の私立学校だけ。宗教知識教育。様々な宗教の知識理解を。地理歴史や公民の範囲で。宗教的情操教育。積極派。もっと宗教的涵養の面で。宗教の教育的役割を。消極派。情操一般は存在しない。特定の価値観の押しつけになる。立場により議論のポイントが異なる。日本の公立学校では特定の宗教を推奨することはない。そのような理解は思い込み?藤原聡子氏。政教分離の思い込み。倫理の教科書には先哲に学ぶということでキリストやブッダが。宗派教育的記述が。宗教そのものの考察がない。
イギリスの宗教教育。4つのカントリーからなる。一括りには出来ない。スコットランドには14年9月に独立への投票が。正確にはイングランドの。5歳から義務教育。2年や3年を1つにしたキーステージ。段階ごとにナショナルカリキュラムが。英国国教会の元に。公立学校では宗教教育が必須。公教育における宗教教育を考える為に学ぶべきものが。バトラー法。必修科目として全ての学校で。親には退出させる自由が。専ら手続き面を詳細に。元々決めないのは伝統。様々な宗派が併存する状況。内容は多様な宗教を取り上げていて非宗派教育を。多文化多民族世界のアプローチ。知識だけでなく異なる信仰を持つ生徒が学ぶ合う。宗教から学ぶ意義を。88年。ナショナルカリキュラムが創設。社会の世俗化と多元化。集団礼拝については改めてキリスト教的であることに。
イギリスのシティズンシップ教育。00年。成人した後の生活の責任。各教科で拘束力在るナショナルカリキュラムが。PSHD。健康が明記。人格社会性健康教育。個人的課題を。シティズンシップ、市民性教育が加わる。柱として社会的道徳的責任など。政治や社会的活動に参加するアクティブシティズンシップ。文化的多様性の進んだ社会での価値。アイデンティティと多様性。多様なアイデンティティとそこに共有されている価値を探究させる。1つの文化宗教に依拠するのではなく。寛容というのは西ヨーロッパの押しつけ?シティズンシップ教育のジレンマ。
フランス。伝統的にカトリック。20世紀初頭には90%。公認宗教の面。81年。非宗教性を規定。聖職者を初等教育から排除。政教分離法での。教会に対し国家は宗教的中立性を。厳格な政教分離原則。学校教育に問題を。宗教的表象。スカーフやヒジャブ。94年9月に服装の着用を禁止。本来、信教の自由と不可分の政教分離原則のジレンマ。強権的措置は不寛容とされる市民の教育が為されない。知育の伝統。学校を生活の場に。教科外活動が。公民科が復活。96年の通達。公民教育の充実を。市民性教育を構成する柱。85年以来の強化としての公民教育。知識の獲得を。学校生活における問題解決型の活動。学級生活の時間。生徒代表が学校の会議に参加するといった、生徒自治の教育。学校そのものが民主主義を習得する場として。生徒自治の力を信用する。89年。生徒の権利と義務の行使。
韓国の道徳教育。背景となる教育課程や国民意識の類似。高等学校での宗教教育。公立学校での特定の宗派による宗教教育の禁止。82年。宗教授業が選択科目として開講可能に。74年からの平準化政策。学群制の採用。無試験による入学。国公私立の区分がない。宗教教育を受けさせられる可能性。宗派中心から一般的な宗教教育に。比較文化学的観点などから。09年から大幅な変更。共通と選択。全人的成長を基盤とし、創意性を発揮。多元的価値を元に。世界と疎通する市民。11年12年と道徳の教育課程が改定。イジメが問題になったことから。対話を通して平和的に解決。到達基準が。実効性を重視。
外国における道徳教育から何を読み解く?江原岳一氏。文化的共同体の中で育っている日本の生徒たちも、画一的な教育では多様性に対応できないでいる。事実としての多様性に直面。自国のアイデンティティの確立を。既に目の前にある多様性を見出す教育が必要。

 

道徳教育の方法 (放送大学教材)

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