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学校経営をめぐる政策動向(教育行政と学校経営第9回)

義務教育段階では何処まで学校の権限を認めて良いかは問題がある。日本の場合はそれほどドラスティックに変化をすることは無さそうだけど、これからはどうかは分からない。

 

勝野正章。政策動向。グローバリゼーションなどの変化。教育改革。学校経営の政策の基本。事実や研究成果に沿って。
現代の社会変化と教育改革。共通する教育改革。問題解決能力や市民性などの育成。従来の学校教育における重点が知識習得におかれていたのと対照的。知識を活用する。探求する学習などの活動的な学習。電子黒板など新しい教具の開発。現代の社会変化。OECDのプロジェクトが。育成すべき能力を3つのキー・コンピテンシーに。様々な課題に。社会文化的などのツールを活用。人間関係形成能力。自律的に行動。PISAの問題設計基盤としても利用。08年度からの現行学習指導要領。思考力判断力などの養成。07年からの学力調査。活用に関する問題が。キー・コンピテンシーに相応するもの。教育改革の目標。社会において求められる技能の変化。仕事をするときに、定型的業務が減少し非定型的業務が。相互業務や分析業務を指す。身につけていないと労働市場において不利に。個人的動機づけが強まる。マクロな観点からも肯定される。国際的競争。知識を活用し付加価値を生む人材。視野が広く多様性を尊重しつつ問題を解決する人材。ベッカー。資本主義とは知識資本経済。源泉たる教育の投資は避けられない。教育訓練の成果に関する基準がキー・コンピテンシーとして設定され諸施策が打ち出される。
具体的に選択と競争の政策。教育の市場化政策。現行のシステムでは無理?教育再生を。21世紀の日本に相応しい。教育再生会議。公教育の機能不全。どのような対処を?教育の市場化政策。00年代に入る頃から推進。学校選択制。株式会社NPOによる運営。設置要件の緩和。基本的な考え方。フリードマン。バウチャー制度の提案。教育費用の一定額を配布して家庭が行きたい学校を選ぶ。市場こそが個人の選考を表現できるという信念。どのような教育のニーズがあるのかを把握するのは個人本人が一番良く分かっているはず。選ぶ個人や家庭を消費者とみたてて選好を表明して応答する。そうしたインセンティブは満足させる活動へと効率的に移動。現行の学校教育システムでは選択性がない。独占的な教育供給の形態。効率的効果的に応えるインセンティブがない。教育の質が低く財政的にも効率的ではない。教育制度を選択、競争が機能する状態に近づける。供給主体の自由な参入を可能にして選好を満たすことを。選択肢が公開されて誰もが入手できるように。選択肢に関する情報、標準化されたテストによる結果に。購入料、生徒数により収入が決まる仕組みを導入。多様性を増大させ家庭の教育的選好に応えるインセンティブを。教育活動の効果を。効率へのインセンティブも。学校を割り当てようとすれば膨大な費用がかかる。財政効率で費用を抑える。実施されたとして期待される効果が上がっているか?アメリカでは?効果の研究の蓄積も。どのような基準で成果を測るか。4つほどの基準を。推進論者のメリット。選択の自由と効率性。むしろデメリット。公平性と社会的凝集性。公平性。genderや社会階級などの教育格差。異なる社会集団間の結果などが平等でなければならない。市場化で格差が拡大する。支持者は脱出する可能性を高めるとする。社会的凝集性。社会的なまとまり、一体感。共通の教育を受けるということ。民主主義社会での教育は諸制度の参加の準備を。家庭の価値によりばらばらになった教育でなく、共通の教育が必要。教育の効果は家庭にだけ帰属するのではない。個人が教育を受けることは社会全体の幸福の増進に。本人が属する他の構成員にも。教育の外部効果。フリードマン自身も共通の価値が必要なのは認めている。公費により教育するのは意義がある。教育段階が上昇するとともに外部効果が減少すると考えている。公費教育は義務教育に限定すべき。国家に限らず株式会社NPOによる多様な教育主体が参入できるように。評価した結果は?現存するデータからはいずれの側の正しさが100%認められるものではない。日本でも関心を。日本における学校選択制。00年代に入ってから。先鞭をつけたのは財政再建のための行財政改革を。臨時教育審議会。84年から87年まで。教育の自由化の提唱。柱の1つが学校選択の導入。教育改革国民会議。21世紀教育新生プラン。通学地域の弾力性。周知や制度変更が。教育の市場化政策。行政改革、規制緩和の推進を求める会議体からの影響。現在の公立学校の学校選択は?家庭の意向を聴取する。どれほどの割合で行われているか。12年10月現在の調査。小学校では15%、中学校では16%。家庭や地域の繋がりが弱まるのを懸念する意見もある。見直しをしている自治体も。公立学校選択制。学校は選ばれるために教育の質を向上させる。学校の序列化を促進。学校ごとの同質化と学校間の特質や性質が異なってくる。学校教育への社会的差別の流入、分断。公教育制度の階層的差別的再編が。効果に関する実証的研究は蓄積されていない。どのようなmechanismによるか研究がされている。09年度のPISAでの多国間比較。確かに国内の学校間比較では、社会経済的に不利な家庭が学校を選択できないのではという声。
学校の自主性自律性。教育の質の保障。自主性自律性の確立。98年9月の中教審の答申。学校経営の大きな方向性を。公立学校が地域の教育機関として特色ある学校づくりを。具体的には4つの柱。学校レベルに権限移譲を。校長中心のリーダーシップの確立。説明責任や結果責任の強調。保護者や地域住民が参画できる制度に。学校への権限移譲。主体的に教育活動を展開できるように。人事面では公募制やFA制。企画提案型の予算。学校の裁量で予算が使えるように。機動性を高め責任を明確に。校長のリーダーシップの強調。職員会議については考え方の相違で機能が発揮されていないなどの批判。校長の諮問機関として法的な確定。アカウンタビリティ。権限の拡大に相応して進捗状況や結果について説明する責任を。学校評価の仕組みの導入。主体的教育活動の推進。保護者地域住民の参加。学校評議員制度。学校運営評議会も置けるように。制度改革への評価。肯定的意見。従来の教育行政の仕組みに吸収されるのではなく、大きく変化させる。経営活動プロセスに組み込まれる。専門的な意思と並んで私的意思が反映される。懐疑的意見。官僚制原理、責任制原理を。校長の権限が増強して風通しの良い組織でなくなる。
個人だけでなく国や地域も関心を。目標を設定して達成を目指す。義務教育の構造改革。教育のプロセス。国家的な目標の設定などのinputの確保などは国が責任を。学校テストによる評価。経営権限強化を。PDCAサイクルの確立。国として教育の水準に大きな関心を。一方で教育の質の保障が短期的にならないか?

 

教育行政と学校経営 (放送大学大学院教材)

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