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都市化という問題 シカゴ学派と社会調査(都市と地域の社会学第2回)

都市についての社会学は今住んでいる土地でも必要になっているのではと感じる。シカゴ学派の研究が根底にあることが理解できた。

 

北川由紀彦。都市化という問題。何故都市自体が固有の研究対象に?ジンメル曰く、大都市はそれ自体が社会学的に研究に値する。では都市についての社会学的な社会研究はどのように深めていけば良いか?問題提起を受け止めつつ。シカゴ学派。シカゴとは?シカゴ大学の人々の都市の捉え方。社会調査を重視したという話。
実質的に打ち立てられたのはシカゴ。シカゴとは?都市とは?シカゴ学派の社会調査の重要性。
イリノイ州。五大湖のミシガン湖の辺り。現在でも3位。シカゴ市。田舎町から工場が設置。鉄道や開運など物流の拠点ともなる。巨大な取引所。ルーツも穀物先物から。19世紀から20世紀にかけて、人口の急激な増加。40年には4000人。1870年には29万人。90年には109万人。1910年には218万人。人口増加の大半は都市内部ではなく、市の外、移民などの社会増加によるもの。人種や民族の多様性も増大。工業化産業化の過程を伴う。様々な負の影響も。貧富の格差や犯罪の増加など。「アンタッチャブル」。87年に映画化。シカゴのアル・カポネのギャング集団と特別捜査チーム「アンタッチャブル」との戦い。ある程度史実に沿う。犯罪や汚職、貧困など、社会問題が溢れていた。90年に設立、シカゴ大学、様々な都市の研究。後にシカゴ学派と。現代経済学にもシカゴ学派があるけれど、20世紀前半にシカゴ大学を拠点に。都市研究に関わった人も。第1世代。トーマス。ポーランドからの移住してきた農民たちが、移住先の土地で自分が生まれ育った農村の伝統的価値や規範が、失われつつある。他の人には当たり前ではない。充分な影響力を与え得ない。社会解体状況。シカゴにおける社会問題の拡大。社会解体状況の産物。
シカゴ大学。パンク。都市を研究する考え方。やや異色。65年にペンシルバニア州に。ミシガン大学を。新聞記者として渡り歩く。98年にハーバード大に入学。ベルリン大学に留学。ジンメルから社会学を。指摘した都市研究の重要性を受け取った模様。パーク。黒人差別問題に。黒人教化事業に関わり、14年になってからシカゴ大学で教鞭を。当時の社会学は学問としては社会福祉と未分化。実践と学問が区別されていなかった。社会科学的研究とは価値から切り離された科学的で客観的なものであるべき。政策的実践というものと社会についての科学的認識、研究とは区別されるべき。実践のために科学的認識が不可欠。「科学としての社会学」。広く読まれてグリーンバイブルとも。学問としては曖昧なものと受け取られていたのを、科学として。科学主義的な。社会的実験室としての都市。2つの意味において。都市という環境自体が人間による創造の産物であり、自然を改造する。都市を維持進歩させる営み、それ自体が実験。人間の本性はどのような形を持って。HumanNature。人間性という訳語とはニュアンスが違う。人間の本性。人間的自然という訳語がつけられる場合も。他の動物には見られない人間に固有な性質。それは?人間の意識や行動が遺伝によってではなくて、環境と人間との相互作用によって。意識や行動。先天的なものではなく後天的な要素から。固有な性質?現在の生物学では議論の余地があるが。パークが都市を社会的実験室としての。都市という環境のもとでは伝統的な規制の個人への影響力は弱まっている。意識や行動は多様化して個性も進展している。都市の自由の中ではあらゆる個人が個性を伸ばして表現できる環境を何処かで見つけ出す。解き放たれる。多様な有り様。社会的な秩序。それを観察し理解。都市という環境はうってつけ。純粋に都市という環境が人間に。実験という方法も考えられる。双子を被験者として集めて隔離して、都市と農村などで。それ以外の条件は同じで。意識や態度や生活の仕方についての違いを観察してデータを得て比較を。しかし倫理的に問題があり同じような環境というのも膨大で殆ど不可能。都市という空間を実験室と考えることは可能。個人の集団の有り様についてデータを集めて様々な条件を把握して関係を解明することは出来る。都市が人間に及ぼす影響がいかなるものであるかの科学的理解が。
パークは都市についての立場。様々な社会学的研究。社会的世界についての研究を学生に奨励。様々な現象に取り組み人は二次データだけでなく、現場で腰を下ろして観察したり話を聞いたりして一次データを集める。参与観察という社会調査の手法。調査者が調査対象となる集団の一員として様々な角度からのデータを。当時は参与観察は人類学として非西洋世界に対して。それだけではなく社会学が対象する都市の小社会にも。貧困街や移民街などが。それらの地区は法や制度により決められていたわけではないのに。様々な人が生活を組み立てている過程で特色ある地区に。都市の内部での地区の実態。実際に調べてみなければ分からない。知的な謙虚さの認識を。学生たちはシカゴという都市をmosaicとして構成する研究を。エスノグラフィーとして一冊に。学位論文から専門書になったものも少なくない。シカゴ学派の都市の小世界。バリエーションに富んでいた。アンダーソン。定まった住居を持たない渡り労働者。現在で言うホームレスも。ホーボー。自由な生活に対して題材に。シカゴの町中にホーボーが集まっていた地区に毎日通って観察や聞き取りを。外から見て一体である人々が、幾つかのグループがあることを。シカゴには様々な施設が。ホーボーがどういう人間関係を築きどのような規範を。社会的支援策というものがバラバラで場当たり的なものに留まっていることを。23年に発表。7年後に東京市の社会局。日本語へ部分訳。復刻という形で。当時の東京市は家のない人が溢れかえっていた。翻訳を担当したのは糸村栄一。シカゴ学派にドーボー。ゴールドコースト。高級住宅街。ミシガン湖沿い。隣り合うブロックにはスラムが。周辺には歓楽街やイタリア人の地域も。都市の内部の対照的な地区を取り上げて、地区間の関係などを調査結果や聞き取り調査のデータを元に考察。経済的格差は大きくて生活様式も異なる。関係が全く無い訳ではない。ゴールドコーストの住民。学問などにおいて名声を。社交界を構成する。日々心を砕いているのは一角の人間として認められるか。社交界ではより高度なマナーや教養を。手紙を贈り合ったり晩餐会のような催しを企画して招待し合う、社交ゲームを。一方で改良運動や事前運動に寄付をしたり団体を設立したりと。社交界で認められる手段として。名声などは犠牲のもとに成り立っているという義務感も。上流階級の人々の寄付や資源があるから慈善事業は成立している。ショー、「ジャックローラー」。街角の強盗者。生活史、自伝を読み取る。虐待から逃れるために放浪を。犯罪集団と関わることで価値基準や技術などの習得を。犯罪行為などの逸脱行動の研究は様々に。現在でも古典の1つとして。都市エスノグラフィー。ワース。「ゲットー」。ユダヤ人の集住地区。ゲットーがシカゴにおいての歴史や形成過程、居住を移動するメカニズム。クレッシー「タクシーダンスホール」。売買春の場になっていた。社会関係を。スラッシャー「ギャング」。ギャング集団の生成のメカニズム。都市を構成する様々な小世界。病理的な地域を。分析や記述のstyleは色々だが。研究対象に対して共通したスタンスが。調査対象を病理として外から批判したり上から憐れみの対象とするのではなく、自分の価値判断を脇に置いて虚心に収集して理解しようとする態度。研究者も人間だから一個人として集団や現象についての感情はなくならないが、それに影響されずに冷静に理解しようとすることを。何故非行少年になるのか、形成の因果関係は?現在の基本的態度とされる。五感を用いた研究、都市エスノグラフィー。アーカイブとして大学に蓄積。様々な仮説が機能的に導き出される。調査データの蓄積。

 

都市と地域の社会学 (放送大学教材)

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