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都市類型と社会構造(都市社会構造論第9回)

都市の分析は現在においてもますます必要になっていると思う。

 

北川由紀彦。都市類型と社会構造。都市と聞いてどのような都市を?日本の都市に限定した場合は?世界の日本の都市には歴史や特徴、人口構成や関係も異なる。色んな都市があり、人々の関係。
都市社会学や地域社会学を中心に。目的の1つとして社会構造の解明が。社会構造。社会学においても様々。社会の骨組み、要素と要素の関係に存在する規則性。何を社会の構成要素とするか、社会の範囲。ある一定の空間的な社会。地域社会の構成要素。集団同士の関係のパターン。住民と言っても構成は一枚岩ではない。会社員や家事労働通学年金生活。デスクワークや肉体労働、販売や接客。事業所の規模も様々。働く形態も。多様な住民それぞれの利害関心や影響力の程度も一枚岩ではない。そもそもある都市や地域がどのような住民層で、社会構成。都市といっても性格は様々。アテネやローマや西安や京都奈良、産業革命以前から。それ以降の都市も。ある都市について社会構造の把握をする時には成立条件としてどのような特徴を持つか。都市類型を設定する作業が必要に。どういった特性に基づくかは様々。設定が目的ではなく社会構造を理解する道具。ある程度共通のものが無いわけではない。在来都市や新興都市。密集する都市としては産業革命以前から。前産業型都市。PreIndustry。倉沢進。明治維新以前から都市であった。在来都市と新興都市。経済的基盤が生産にあるか消費にあるか。産業都市と消費都市。城下町。城下町においても工業的生産が全く無いわけではないが、政治的支配層の居住地であり年貢や物質が集積する。在来都市全体では消費都市が少なくない。都道府県の県庁所在地に。産業都市工業都市。経済的基礎が物資の生産に。地域社会の系譜。様々な都市の系譜。大城下町。ムラ。近世の地域社会の類型。時間の経過に伴いどういった都市へと。城下町。明治維新以降に県庁所在地になったり消費都市になったり。ムラのあるものは産業都市へ。
消費都市と産業都市の社会構造の研究。60年前後の研究。現在の考察には準拠点として有効。自分が住んでいる都市の構造とはどの程度異なるかなどを。消費都市の社会構造。城下町が起源のことが多い。伝統消費型都市。例として徳島市。江戸時代には徳島藩の城下町。生産の奨励。藍を取り扱う商品都市。60年頃までは県庁所在地としての性格を。60年前後は中央政府の出先機関や支社が支店が大きなウエイトを。社会構成に注目して階層を。層の抽出をして関係性を考察。名望家。教養や財産など高い社会的威信や名誉を。社会構成と移動の仕組み。事務などのホワイトカラー層。職場は出先機関や支社など。上級の地位は中央から派遣された幹部など。地元出身者には開かれていない。自治体や地元資本の企業で働く人。昇進は限られ断絶がある。派遣された人は徳島市との関わりは強くない。名望家。経済的実力者。地方銀行や海運業に資金を。名望家層の人達は幾つかの事業に。相互に接触し上流社会を構成。網の目を通じて様々に影響力を。自営業主層は名望家層を目指す。ブルーカラーの労働者など。田舎から流入。独立を目指す。経済規模は余裕がないので独立を契機として大規模な都市に行くか出身村落へ。関係の結果として名望家支配体制が。倉沢進。名望家層は都市内部に影響力を行使。上層ホワイトカラー層は滞留者であるので関与は強くない。地元ホワイトカラー層は良好な労働環境なので順応的。名望家層は目指すべき目標。ブルーカラーの労働者。いずれは外部に出ていく。脅威とはならない。名望家層が頂点に。他の層が体制を支える。
産業都市の社会構造。岩手県釜石市。日本の産業都市を4つに類型化。AかBか。都市形態を取るようになった時期。A。秩父など。B。明治維新より前に都市的な形態を。川崎や尼崎。αかβか。工場の性質。α。巨大工場が1つあり企業城下町に。β。大小の工業が競合的になど。瀬戸や関。これらの区分を組み合わせる。下位類型を。Aα。Bβ。そこで当時の日本の階級構成と地域社会との関係。Aαの典型例として釜石市を。着眼したのは階級対立が起きないか。製鉄所が余剰労働力を吸収して産業化により生み出される。ブルーカラーの労働者が大量に集積。素朴なマルクス主義的階級図式では一部の資本家階級が居て1つの都市に。階級対立が先鋭化するはず。しかし釜石市では起こっていない。なぜなのか。神明氏など。5つの層に着目。A層。農業や漁業を。B層。巨大製鉄所αの労働者、D1層。経営者層。D2。中小企業の経営者層。いかなる関係があるか考察を。農村社会学者の構造分析の手法を援用。構造分析。分析する時に経済構造や社会生活固有の社会構造。政治構造の3つに分けて。釜石市において社会構造が形成される図式。社会過程の分析図式。経済過程。5つの層の相互の関係。地域の政治がどのように展開。両者を繋ぐ媒介過程として。なぜ階級対立が先鋭化しないのかを媒介過程に着目。媒介過程論。釜石市の場合労働者階級に当たるのはB層やC層。B層は比較的良好な労働環境。C層に対して優越感を。福祉厚生政策も手厚い。α者に対し良好。一旦稼働させると止めることが出来ないので3交代のシフトに。社宅に住まう。インターネットで地図を。中心部では内陸に少し入ったところに製鉄所が。社宅地区は製鉄所より内陸向け。購買部があり日常的買い物がある程度済ませられる。時間的空間的に隔絶。C層との接点が希薄。α者の労組も労使協調的。C層の労働者と足並みが揃わない。相対的に労働環境が低位。C層は雇用が不安定。組織率も低く労組の力が少ない。B層に反発心。A層はD1層に圧倒される。C層と連帯することはない。D2層。下請けは従属的。商店主はB層を顧客にしている。α社は独自に購買部を。D2層は政治的にアンビバレントな。B層とC層は労働者としては同じだが連帯はしていない。B層はα社の利害を。B層は大多数。Aα型のメカニズム。
消費都市産業都市の分析例。共通する点を。都市がどのような経済的基盤を。どのような人の構成が。各層の利害関係。現在においても地方都市の分析には有効。人口が巨大で多元的で行き来も激しい都市ではそのまま適用するのは難しい。大都市の分析は別の方法が必要?まるごと把握するのを一旦棚上げしてシカゴ学派のように。都市内外にある人モノ金情報が集まる結節機関同士の重層性を明らかにする。都市の社会構造を具体的に明らかにするには多くの方法が必要。

 

都市社会構造論 (放送大学大学院教材)

都市社会構造論 (放送大学大学院教材)