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学校教育における平等と法(学校と法第4回)

小中と障害児と一緒に通常学級で学んだ私のような人間にすれば、2周遅れ3周遅れの議論をしているとしか思えない。そう言えば義務教育を受ける段階で養護学校に行きかけたこともある。ううみゅ。

 

坂田仰。学校教育における平等と法。戦前の女性に対する。マイノリティの教育の機会など多彩。日本国憲法14条。平等権。差別されないと規定。教育法制での位置づけ。学校における平等のあり方を検討。
教育の機会均等。憲法26条の教育条項。能力に応じて。14条を反映。差別を排除。教育の機会均等の貫徹。14条は例示的、典型例を示したもの。それ以外であっても不合理な差別は許されない趣旨。歴史を。経済状態が最大の制約要因。国家には奨学制度などの整備を通じて教育を受ける権利が保証されるよう能動的義務を。すべて国民は最低限の生活を。25条の生存権規定の直後に26条がある意味を。教育条項は社会権を。福祉社会国家の理念。文化的側面からの生存権の担保。国家が教育において差別を禁じるのにとどまることなく、より積極的に格差の是正を。能動的権利について関連法令を。
憲法26条2項。義務教育は無償。範囲については授業料無償説などが。最高裁は無償とは授業料の不徴収とする。一切の費用を無償とすると解することは出来ないとする。昭和39年2月26日。実務上も同様の解釈が。教科書費用は学校の区別問わず給付の対象に。私立では教科書は無償。教育基本法は差別禁止とともに、能力があるにも関わらず就学につき支援を。学校教育法19条。経済的理由により就学が困難な児童やその家族についての市町村の支援を義務付ける。就学援助。生活保護法13条。教科書その他の学用品、学校給食その他必要なものを。就学困難な児童生徒の。学用品またはその購入費、交通費、修学旅行費。学習に支障を生じる疾病に。疾病の治療のための費用について必要な援助が。生活保護法上の保護者。最低限の生活を営むことが困難。市民税などの非課税者。申請の有無に関わらず。福祉行政で自己決定が重視される傾向。就学援助の利用を保護者に委ねることには疑問。教育的配慮の原則から十分な説明をしてケース・バイ・ケースで。
マイノリティの教育を受ける権利。多文化主義や多文化教育。グローバル化する経済活動。国境を超えて移動する人間の存在。単一民族国家という日本社会においても。外国人登録者は増加している。10年末で213万人。子供についても例外ではない。10年で日本国籍を有していない子供は小中で7万人ほど。公立学校に在籍する子供が圧倒的。言語や文化に代表される母国のアイデンティティ、日本社会への統合を優先すべきか?国際社会の中で対応して教育をどう考えるか?人権の普遍的性格。条約。マイノリティの教育権説。内外人平等。アイデンティティを配慮。大阪地裁08年1月23日。国際人権規約の自由権規約社会権規約。児童の権利に関する条約。旧教育基本法。マイノリティの教育権の存在を主張。現行法制下においてマイノリティについてのマイノリティの教育権が法的に認められるか。地裁は締約国に権利の侵害をしない、積極的な措置を認めたものではない。政治的責任を宣言。個人について具体的な権利を付与したものではない。国が国民の教育を受ける権利が担保されるよう法的責任をもっているが、マイノリティの権利を想定したものではなく、理念を掲げたものに過ぎないと。マイノリティの教育権が法的保護に値する具体的権利であると考えないと。議論にいかなる影響を?国家の干渉を否定し自由権的側面と社会権的側面。教育を受ける権利の社会権的側面を判決は否定。アイデンティティに即して内外人平等の原則。日本社会が前提とする諸価値の社会的凝集性を損なう。共同体が特定の価値を次の世代に継承できないと社会の自殺に。諸価値と矛盾するアイデンティティを掲げる外国人に援助しないことも理がある。自由権的側面は?アメリカではマイノリティの教育権の問題が。外国人を排斥する議論が。当時問題となったハワイ準州。補習学校を規制。圧倒的に日系人、日本語教育の否定に。最高裁はコモンローとする。親の教育権は憲法上保護を受けると。マイノリティの教育を受ける権利の自由権的側面が認められる。
アメリカ合衆国と別学制度。セパレイトバットイコール。分離すれども平等に。人種差別をかわす。分離しても平等に反しない。最高裁が、南北戦争後に鉄道の利用などに際し分離を義務として州の法律について。南部諸州について、州憲法の解釈の問題と。州レベルでは憲法に反するとしたところも。合衆国憲法での分離の問題。最高裁。人種の分離は差別ではない。劣等の烙印を押すものではない。国民の慣行、習慣などと秩序の維持。合理的に確立。多くの地域で白人専用などの。車両や待合室やレストランなど多くの公的施設で隔離政策が。子供の法的分離にも大きな影響。公教育における人種別教育。分離学校制度を支持する流れが。平等条項に違反するとしたのは54年。ブラウン対教育委員会裁判。分離学校制度は施設その他が同等であったとしても拭い難い劣等感、スティグマ効果を。公教育に存在余地はないと。アメリカでは64年の公民権法の制定。図書館など多方面で改革が。性別、障害の有無などの差別も撤回。日本において。分離すれども平等に、という影を。地方公共団体。男女別学の高等学校。分離が行われてもほぼ平等な条件があれば差別にあたらないと。戦前の中等教育は旧制中学校と高等女学校の男女別学。GHQの指導のもとでの改革。封建制を引きずるものから男女が同じ席で。教育基本法5条。あくまでも男女共学を容認するものと政府は。00年の国会における首相の答弁書にも。男女別学。男女に対し性別に関わりなく機会を均等に。内容などが同等であることを。男女共学を一律にするのではない。男女共学を容認する旧教育基本法5条は削除。地域の実情や学校の特徴などにより地方公共団体が判断。志願者の側からだと双方の選択ができる限り妥当だと。アメリカでは選択の自由は別学の制度の解消には不充分。一度構築されると否定されるだけではなく、積極的な措置が必要。男女別学の固定化を支持したものと言える。現在の制度が真に選択の自由を保証したのかは慎重に。
現代社会において教育の機会均等を奪われるとカバーは困難。障害者は長らく教育を制限されてきた。障害児の教育。旧特殊教育からインクルージョン教育。特別支援教育への転換。障害者の別学。戦後に盲人などに対して特別の学級や学校が。しかし義務教育を例に取ると、知的障害や心身に故障のある者の義務化は先送りに。マイノリティとしての障害児の二重構造。日本国民全員に。79年。積み残されたのは特別に必要な教育を効率的に。普通学校で健常者とともに。障害児別学の論争。就学指導委員会。地方公共団体に設置された機関。各方面の専門家。障害の種別に応じて旧特殊教育。近年はノーマライゼーションの普及。特別のニーズに応じた教育に。就学手続。就学基準に該当する者について小中学校で適切な教育を受けることができる場合には認定就学制度が。障害のある児童の学校決定。07年。障害のある児童の就学につき専門家だけでなく保護者の意見も。就学指導の弾力化。就学指導委員会が否定されたわけではない。02年。市町村の教育委員会は専門家の意見を。障害の種類に応じて総合的な判断を行うため就学指導委員会を設置するのが重要。あり方を巡っては09年2月の特別支援教育への充実について。障害のある子供の就学先。障害の状態から必要とされる教育的ニーズを把握。最も適切に対応できるように。実際の就学先の決定。継続的な就学相談をすることできめ細かく。制度としては教育委員会において最終的に決定するのが適当。インクルーシブな教育への流れ。障害のある子供は地域の小中学校に就学し通常の学級に。最も適切な場合は特別支援学校や特別支援学級へ。障害児の教育を取り巻く環境は転換点に。統合教育を主張。分離されること自体は差別。特別支援学校への就学推進派、ニーズのために。手話を習得する機会。特別な教育ニーズに。かつて人種別学で。統合を妨げることに目的があるのではなく、ニーズを満たすために。最も困難な課題。審議会に学校の実情を熟知した人間がいなかったという問題もある。

 

学校と法―「権利」と「公共性」の衝突 (放送大学教材)

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裁判例で学ぶ 学校のリスクマネジメント ハンドブック

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