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移動の権利と社会福祉(社会福祉と法第11回)

この事例は氷山の一角で、声を上げられない人がたくさんいるのだと思う。

 

障害者の移動の権利と社会福祉。様々な目的で基本的に自由に移動できる。しかし高齢者などが思うどおりに移動できなければ?自由な移動が制限される状態。憲法22条で居住移転の自由。障害などにより移動に困難が。電車や飛行機に乗れない。自力で移動できない。個人の居住や移転を国家により妨げられない。移動に困難な人にとり移動環境の整備を含む。建築物、不特定多数の人が使うものはバリアフリー法で義務付け。交通事業者についてもバリアフリー基準を。それに適合するように。障害などにより交通機関が使用できなかったりする場合。電車に辿り付けない場合は何らかの支援が必要。障害者総合支援法により幾つかの給付が。視覚障害者については同行援護。精神障害などの介護などの行動援護。障害者等の代替するものについて一定の金額を支給。車椅子や歩行器の補助が必要。補装具の購入費の補助も移動支援に。条件を整えると同時に移動の支援を。
移動の権利についての法的根拠。憲法は22条で居住移転の自由を保障。移動の権利については更に憲法上の問題が。身体障害者手帳。運賃の割引制度。市の職員から説明を受けていない場合、差額分の損害があったとして国賠法訴訟を。09年の東京高裁。移動することの重要性からして移動の自由は憲法13条の一内容。移動の自由の重要性。移動の自由は健常者と同様に社会経済活動などの点で大きな意義が在る。福祉の増進に資するもの。移動の権利は22条の居住移転の自由で保障されているだけでなく、幸福追求権を基礎に。同じように移動の自由の保障を。法の下の平等の憲法14条に根拠が。不利益な取扱や実質的に使えない場合に、その除去が容易なのに行なわない場合は問題となる。14年に批准した障害者人権契約でも。個人の移動を容易にすることを締約国に求めている。様々な憲法上の根拠や法律による。
移動の支援という視点から補装具費の支給についての事例を。15年に福岡地方裁判所で。心臓機能障害で電動車いすの必要が。障害者自立支援法。給付の申請が認められず訴訟に。何故電動車いすの購入のための補装具費が支給されなかったか。弁護士。障害者自立支援法に基づいて障害者が福祉サービスの。Aさんの障害の状況。20代前半の女性。身体の状態。産まれたときから心臓機能障害一級に。心房と心室が1つずつしかない。心臓内では静脈血や動脈血が混ざり合っている。重篤な低酸素状態。血液に酸素を含まれていない。運動能力や生活能力。自力で歩行すること自体は可能だが、無理は出来ない。行動範囲は数十メートル程度。最大で5分程度が限界。活動範囲を広げたいと思い電動車いすの必要を。ずっと家に居なさいと言われるようなもの。普通に買い物にいったりするなど。支給をしないということに。訴訟に至った経緯は?家族全体の生活を変えたい。処分について熱心だったのはお父さん。Aさん自身は乗り気でなかった。審査請求もお父さんがした。裁判できっちり勝つべきだと話をした。電動車いすがあれば生活に変化が。小学校も中学校も休みがち。通信制高校を卒業。写真の専門学校も退学せざるを得なかった。写真を自由に撮影したい。セグウェイが使えればよいのに。色々な可能性を諦めたAさんが新たな一歩を踏み出したいと。処分の理由がわからずそれを知りたい。対象とは認められないのは何故なのか説明はなかった。主治医は診断書を出していて、自治体にも提出されていた。何度も自治体に行っても教えてもらえなかった。福岡県厚生相談所の判断だと。審査請求でも結局は理由の説明は無かった。更生相談所は何故不要と判断したのかは不明。厚生相談所。身体障害者福祉法に基づき、適切な支援の実施の為に。障害程度の認定など専門的医学的な判定をする。意見を聞くことが出来ると規定されている。Aさんの歩行能力の判断。電動車いすが不要という判断。200メートル位歩けると必要性は無い。到底社会生活は出来ないのでは?では家に居ろと?支給されないケース。便利というレベルではない。自治体は単に便利だと判断した。原告側は日常生活に不可欠。手押し式の車椅子では充分な活動が出来ない。両親に押して貰うことが必要。事実上の制約。自立して生活するには不充分。裁判所の判断。裁判の流れ。最初の裁判期日でAさんが意見陳述。自治体や厚生相談所、裁判所に1人の人として新しい世界を。裁判所の判断はAさんの全面勝訴。義務付けを。補装具費については恐らく日本初。細かく事実認定を。歩行能力で日常生活や社会生活が可能化を。自宅から200メートルには施設は無いが考慮していない。写真撮影も電動車いす無しでは困難。証人尋問や本人尋問でも。処分自治体は具体的な日常生活や社会生活が実現されるかを考慮すべき。市町村の決定について裁量権を広範に認めるという判断枠組みは通常だが、きちんと目を向けてくれた。具体的な問題についての判断を。現障害者総合支援法については市町村の合理的裁量を。取扱要領があるが、基準自体は独自に定める。厚生労働省が出している通知。電動車いすにかかる補装具費の取扱要領。支給する要件として。呼吸機能障害などによって移動に著しい制限を。この心臓機能障害によって著しい制限を。要件自体は曖昧、自治体の裁量権を認める。見極めて支給を、そのための裁量。曖昧なのは適用しやすい場面も。基準に当てはまらないという処分。裁判所は当てはまるという評価。社会生活の視点が。証人尋問において被告は一般的抽象的な説明をするのみ。選挙に行く公民館は?分からない、判断していないと。更生相談所では考えていなかった?判決を受けてAさんの生活は大きく変わった。自分の意思で行動するという経験が足りなかったが、裁判の過程で大きく変わった。支援集会の挨拶をすることも。自分の意見を話すことが出来るようになった。自分の表現で。裁判の中で本人尋問で、もっと活動範囲を広げて中身の充実した生活をおくりたい。電動車いすを使っている。罪悪感やもどかしさがあったが、行動を親に依存しなくてよいという安心感。友人と気軽に買い物にも行けるようになった。横になって顔を見ながら話ができるように。人の手を借りなくて良いことは自分により好影響があった。判決には意義があった。他の事例についての影響もある。判決自体はAさんの事例判断。判決の考え方は他の事件でも活かせる。残された課題も。障害者の社会参加の権利。憲法22条13条14条25条などで。判決では憲法に踏み込まず。合理的配慮の一環だが、それに触れられなかった。社会参加の権利の獲得を。社会生活の視点を。障害者総合支援法1条においても明記されている。取扱指針でも明記を。単にそれがあればよいという次元でなく、社会参加の権利は憲法上の権利であるという確立を。運用レベルにおいて社会参加の権利が考慮されることを。声の上げる当事者が少ないのが障害者行政の特徴。何も言わずに奪われたままで自宅に閉じ込められていたのが現状では?声を上げるための1つのきっかけに。人がある目的を達成しようとする場合に一定水準の交通手段を形成したりすることは必要不可欠。法理念として明記されている。給付の判断基準には反映されていない場合もある。生活実態と支援のあり方を考えなければならない。

 

社会福祉と法 (放送大学教材)

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