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近代的な協力と支配モデル(社会的協力論第5回)

上下関係を無くせば生き生きと働けるはずだという議論を昔も今も見かけるけれど、組織である以上、何らかの上下関係はなくならないだろうと感じる。

 

坂井素思。近代的な協力と支配モデル。近代社会の中で協力関係が。市場経済が発達。人と人とが市場メカニズムの中で交換を。支配モデルが。上下関係。協力し合って組織を形成。中世から市民革命やなだらかな革命を経て近代社会に。民主化が。上下関係をなだらかにする組織化が。この過程で人と人とがルールを作り、憲法などの法律を定め平等に。この中で上下関係はなぜ必要か。なぜ近代社会においても上下関係が必要か。事例を見ていく。神奈川県庁の人に。官僚組織を見ながら支配モデルと呼ばれている協力のあり方を。今日のまとめ。
近代社会においてなぜ上下関係が必要か。ヒエラルヒーと呼ぶ。ヒエロ、生殖、性的な神聖な意味。神様と人間の関係には上下関係が。支配に従うことで上手く働くという中性的な。近代社会になって今日でもなぜ存在するか。会社には社長以下の役職と社員、上下関係の序列が成り立つ。市町村。市長などの役職。ここでも上下関係が。国家のシステム。首相など。官僚組織や機能組織。トップは1人でボトムにいけば人間が多く、ピラミッド組織が一般化しているのが近代社会。中世までのヒエラルヒーがなぜ使われているか?自動車会社。トップダウン。意思決定が下に降りていき命令するトップダウンの。製薬会社の研究所。下にいる研究員が自分で企画を立てて上の人に上げるProject形式、横との連携でボトムアップ。上下関係を意識させるような形態。形態の問題。ウェーバー。3つの種類。伝統型のヒエラルヒー。カリスマ式のヒエラルヒー。合法的ヒエラルヒー。最初の2つ。家父長制や長老制。近代までに衰退。カリスマ性。宗教的にキリストやブッダのカリスマが存在。全身全霊帰依することで上下関係が成立。近代社会の中で部分的なものに。合法的ヒエラルヒー。なぜ上下関係を持ち込んでいるのか?法律を認めて合意により上下関係が。会社に入る、就業規則を。上下関係について納得していることが形式的に。機能的な理由も。支配するされる。集団が存在する必要が。権力を持つ人には集団が前提。人が集まればトップの人を。公正。大勢の人たちを命令で動かすには義務や強制が存在しなければ従わない。それを前提にしていれば大勢の人が動いてくれる。集権性。権力が1つにまとめられる。共通の目的。一人の人が目的の遂行のために動く合意が。
具体的に支配という問題、上下関係という問題を。Interview。神奈川県庁。地方公共団体。どういう職員の方々がどういう範囲でどういう人が勤めているか。幾つかの部局に分かれる。保健福祉や環境、建築、産業振興、色々な部局が。官僚組織というのは上下関係を活用。強く意識するシステムとして考える例を。県。色々な企画を実現、ボトムアップ型。起案して稟議制度を、上司の承認を。複数の階層を経て決裁を。修正などをする。企画立案を上下関係で。行政組織の中では議会への答弁、住民の説明。下位の者が作成して上下が幅広く検討してフォローする。ある種の上下関係で協力。住民から上がってきたり議会で話があったり。実際には官僚組織の中で仕事の分担は?ウェーバー。階層性。個々の個人がアイデンティティを得るために職務の分担を明確化。職務分担表などで文書化。職員などの個人は分担を明確化することでアイデンティティを。官僚組織の中ではルールが厳しい?一般の企業では標準作業書などが文書化されたり慣例としてルール化されたり。官庁ではきちんと。ルールによって分担が決められて専門性の発揮が。動き方の特徴は?
行政組織の中では課や部の職務が明確に。上層の階層で。業務を明確化することである種の権限が。義務も課せられる。何らかの業務分担が不充分であればまとめる事業本部や部局の業務にも支障が。稟議制。ボトムアップ的な。人々に案を回してその中で承諾を得る。人々が職務を分担している点に注目を。
権力というものがなぜ官僚システムで生まれてきて必要となるのか。営むためには権力が必要。過去の歴史。具体的な計画や試行や行政の動き方。具体例で階層性を。昔の話だが昭和50年代に総合計画を新しく取り組む。それまでの行政計画を県全体の企業や県民の取り組みについても取り込む、社会計画として。知事から示されて作成。当時の知事の長洲氏。総合計画。数年間にわたる計画。実施されていった具体的な例。まとめるにあたり76年にそれまでの担当が企画調査部企画課を企画部に改める。計画室。各部局から1人ずつ、専門家集団。逆に各部局との兼務で。通常は官僚制は専門性を担保。2つに分けられる。建設と福祉など。縦割りの計画が成り立つ。トップダウンという上からの流れ。横の連携。ボトムアップ式に。問題点はよく指摘される。具体的に問題点は?横の整合性を取るのは難しい問題。県の組織だけでなく市町村とも。国の施策との整合性も。総合計画をまとめることは困難をきたす。長洲県政での帰結。総合計画自体が3層に。別に地域ごとの計画を。地域での県民との対話の場を設けて地域ごとの課題を組み上げる。21世紀初頭も見据える。長期的には総合計画が行政でどの程度取り組めるか検証を。パーキンソンの法則。官僚の数は増大する傾向。予算が増えると人も増える。縦型の上下関係の場合にパーキンソンの法則がどういう形で?業務の分担は細分化すればするほど専門性が。特化しようとすれば人が張り付く傾向はある。しかし行財政の厳しい傾向が。なにの制御もなく行われていることはない。議会のcheckや市民の評価。組織を制限する形でパフォーマンスを求められるという難しい問題が。
最後に重要な指摘が。協力し合って官僚システムが。それぞれの業務が組み合わさって。横の整合性を取るのは困難でもあるし、上手くいくなら全体がうまく動く。職務の分担がうまくいくかどうか。属する人たちの職務に対してアイデンティティが発揮され位置づけが分かり上下関係であっても自分の役割を自覚し働くことが出来る。上下関係の活用の理由がそこにある。職務という形で職能というものがアイデンティティとして確保される。管理ょシステムの中で職能が如何に発揮されるか。職務が分担されるのは専門性から。専門家の集団であるという自覚。熟知をする必要。正確で内容の細かい仕事を果たす。支配モデルが分業体制である。それぞれがそれぞれの部門で自分の役割を。分かれた分業が総合される。秩序付けるのが規則、ルール。合法的ルールに沿って。文書主義という形になると弊害にもなるが。機能的に近代的な官僚システムが必要としている、非人格的。個人としてではなく公平に皆同じようなサービスをすることが求められる、均質で効率の良い。公平性を。支配モデルがうまくいく条件、上下関係が機能的にも上手く働く。実際に上手く設置され上手く働くためには。市場モデルは自発的。支配モデルはむしろ一人ひとりが集団の義務感を持つことが必要。ある意味にはルールに対し守りなさいという強制力がないと働かない。集団を働かせるために支配モデルが。上手く働くためには人々により強制を受け入れるということが前もって知らされていることが必要。その手続として議会で話し合いしたり相談したりコミュニティで話し合ったりの方法。義務や強制力を自覚的に発揮させる方法を求めている。手続きを踏む必要性。最終的に支配モデルは上手く働くか?縦社会の。それぞれ縦ごとに別れている。ピラミット組織を横に繋ぐ整合性を。横の関係がうまくいかないと病理現象が起きてくる。オルソンのパラドックス。エージェント問題。

 

社会的協力論―協力はいかに生成され、どこに限界があるか (放送大学大学院教材)

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貨幣・勤労・代理人 経済文明論 (放送大学叢書)

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