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日本仏教の思想5 -日蓮と法華信仰(日本仏教を捉え直す第6回)

一応は学会員(学術世界のそれではない)なので日蓮の思想は把握しておかないと不味いと思う。

 

頼住光子。日蓮と法華信仰。激しい権力批判。対決の姿勢。日蓮は特異な地位を。多くの信仰者の集団を。権力者から弾圧を。仏教における世俗権力との関係。仏教では世俗世界と宗教世界の二元的世界を。応報仏法。仏法が優位。インドでは治外法権も認められていた。中国では国家への奉仕を余儀なくされた。鎮護国家仏教が。日本仏教においても鎮護国家仏教が盛んに。いわゆる護国三部経。護国経典の読誦で法会が。平安以降は八宗が密教儀礼を共通基盤の上で正統化。華厳宗などの南都六宗など。顕密仏教。国家と仏教は緊密に。車の両輪。鳥の両翼。応報と仏教とは総柄相即であり、結びつかないとお互いが成り立たない。主導権はあくまで応報の側。日蓮は法華経を第一に、為政者を断罪する。既成仏教についても邪教として批判。「立正安国論」。災害が打ち続いて社会が混乱しているのは法華経を第一にしなかったから。法華経のもとに統一して世俗権力が。そのうえで安国を。既成の社会秩序の総柄相即の転覆を図ろうとしたラディカルな。日本仏教思想に独自の。理想社会実現への。日蓮の生涯に沿って。
日蓮は承久の乱の翌年に産まれる。現在の小湊に。12歳に出家。清水寺に入り16歳で得度を。日本第一の智者と。出家のきっかけは生老病死の。無常なるものと。日蓮の場合は眼前の現実、現実の背後の真理の全てを知り尽くしたいと。変革へのビジョンと結びつく。学問修行に励んだ後、比叡山を初め様々な寺で研鑽を積む。法華経こそが最強と。法華経。初期大乗。鳩摩羅什が訳したものが。中国天台宗の天台智顗。一条思想と。生きとし生けるものは釈迦が説いた法華経に導かれる。成仏へ導くにはある特定の場所や時間の存在であってはならず偏在した存在でなければ。釈迦はあらゆる時間空間で根源的な真理を。中国天台宗は法華経を第一の拠り所として。最澄が日本天台宗を。他にも道元などが。青年時代に比叡山で法華経を。道元は法華経に登場する言葉を用いて、内容についても法華経に依拠している。日本仏教思想で法華経の存在は重要。法華経を唯一無二のものとして。法華経の内容の全てが凝縮されているから、題名を唱えることで功徳に預かることが出来るという確信を。1253年に南妙法蓮華経の題目を唱えた。日蓮宗では日蓮宗の開宗とする。念仏批判をしたことでその土地の地頭の怒りを買う。鎌倉で布教。立正安国論を。天変地異と社会不安は法華経に背き国を守護するものが日本を捨てたから。自分は仏の子として生まれて法華経に従う身。世の人が法華経に帰依しないので衰えた。このままでは侵略や内乱が起こると。北条時頼に。しかし用いられず。怯むことはなかった。激しい他宗批判を。後に四箇格言として。念仏無間など。念仏禅真言などの宗派を批判。激しい批判活動で幕府から弾圧を。1261年には伊豆に流罪に。2年後に許されて鎌倉に戻ってからも批判は続ける。女性でも可能な易行とされた念仏が流行。禅宗も武士の間に広まる。御家人も少なからず日蓮に。信じる道を貫くのが武士の心情に訴えかける。恩を忘れない情愛や一途なところが。信奉者が増えていったが批判も増えて弾圧が。危ういところで死刑を免れて佐渡に。
日蓮は佐渡で3年間。布教に励んで信者を。開目抄を記す。開目抄。法華経は二乗作仏、一念三千の教えを。小乗仏教の二乗も成仏できる。久遠実成。永遠の過去に悟った釈迦の救済。凡夫の一念の中に絶対の真理が宿る。最高の教えである法華経を広めようとしたにも関わらず佐渡に流罪になったのか。なぜ守護してくれないかの問題に。法華経の勧持品の中に答えが。末法の時代には行者が弾圧にあうことが予言されている。身を持って法華経を読むことが出来た。弾圧を法華経の真実性の。自分自身を釈迦から法華経を。上行菩薩である。この自分が苦難に遭遇した意味。過去に法華経を謗るなどして報いを受けていると。過去現在未来に渡る因果報応。三世の因果。過去世で悪いことをしたから現世で悪い報いに。過去現在未来の三世に渡る因果報応。今の苦難は前世の敵対の悪行の報いと捉える。開目抄の結びで。来世以降に成仏も可能になる。現世の苦を通じて苦が大楽を。法華経に縁を結ぶことが出来た。日蓮への弾圧者は過去世での日蓮。何度も激しい暴力を。弟子の中では死者まで出るが、日蓮は暴力を振るわず。自分と他者は一体。時空を越えて弾圧者への理解を。大集経。時代がどんどん悪くなる。下降史観。末法の世。邪義邪見がはびこる。末世における実践は題目を唱えること以外にはあり得ない。法華経は真理の働きを代弁。南無妙法蓮華経。自分の中の仏性が活性化して真理を自覚し体現する事ができると。南無。サンスクリット語で尊敬し崇めるという意味の。勧持品。釈迦とは永遠に働き続ける。具体的な色や形を備えた仏。法華経を衆生に説く。本尊としての釈迦。外在の仏でも有り、働きかけられて自分も真実の外在である法華経を唱えることで自覚する。衆生と仏と真理のダイナミックな関係を。本尊観。天台宗の中での天台本覚論と一線を画す。天台宗の立場を越えて日蓮の独自性を。
1274年に許されて佐渡を後に。しかし受け入れられず身延山に草庵を寄進してもらい著作活動と布教に。人々が邪な教えに従ったのが国難に。モンゴル軍は邪教の国となった日本を滅ぼし再生する契機を。真言宗による加持祈祷が叶った?とされる神風が吹く。弘安の役の翌年に永眠。61歳。大曼荼羅がかけられていた。中央に題目を。仏菩薩の名前を。法華経に帰依する四天王。広目天など。それを四隅に。天照大神なども。この大曼荼羅はありとあらゆるものが真理の現れであることを。日蓮は生涯を通して絶対真理を説き続ける。この世界こそが仏教の理想世界。仏国土とすることを使命として苦難に耐えて菩薩行に励む。念仏信仰を批判。絶対的一元論。欣求浄土を唱える二元論は決して認められるものではない。われ日本の柱とならん。末法の日本で人々を救うことを志し、現実変革の教えとして影響を。
仏教思想家の考えは異なるが、まとめとして共通点を。全て大乗仏教の真髄を思索と実践を。コンテキストで表現。大乗仏教の真髄とは?空縁起。関係的成立。他と密接に関わる。自他は一体である。和。曼荼羅に。阿彌陀佛。念仏に。座禅。久遠実成。

 

日本仏教を捉え直す (放送大学教材)

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日本の仏教思想―原文で読む仏教入門

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