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戦後のカリキュラム改革と学習過程(カリキュラムと学習過程第3回)

大学の学部の構成と高校の教科の構成の齟齬はかなり深刻だと思う。同じ化学でも高校化学と大学教養の化学と違うのだから始末に負えないと言える。

 

浅沼茂。戦後のカリキュラム改革や学習過程。
終戦直後のカリキュラム運動。それまでは公には論じられなかった。国定教科書で疑問の余地が無かった。伝達者に過ぎなかった。ヘルバルト教育の影響もあった。終戦で根底からひっくり返る。教科書や価値観に疑問が。歴史的事実を。CIEが墨塗り教科書を。検閲の証拠は米国の大学に史料として残っている。一般書籍なども検閲に。カリキュラムの意識が。混乱期でもあり墨を塗らせた後の代わりの内容は?当時の民主主義は明るい未来を。啓蒙的内容を。作者の主観的思いとストーリー。読み物として面白いのはストーリーがあるから。重要な要素。戦後のカリキュラム改革の息吹の中で47年からの自由研究。教科の発展として。教科と教科外を含めて大雑把な。自由研究は自治活動も含め中心的に。58年には児童会活動などの小さい時間に。文部省の方針も目まぐるしく変わる。実際の生活そのものがカリキュラムの材料に。当時は有名であった実践が。別の方向から。理論界。コア・カリキュラム論。進歩主義の教育理論。本郷プラン。地域社会のニーズを探りカリキュラムを。上からではなくあくまで地域のニーズに。地域共同体自身が民衆性科学性を持って。川口プラン。市民生活を3つの層に分けて構造化。最終的に生活実践に生きるように。社会科は全ての領域に。手法自体はアメリカの影響が。進歩主義教育の社会的ニーズに基づく。児童中心主義とは異なる。ニーズが2つ有り克服し難い。30年の論文で。社会的ニーズ。地域社会の。教科の内容を教えるのとは方向が異なる。社会的ニーズの範疇に。精神主義的なものを払拭。コミュニティ・スクール論。日本での普及はバージニアプランなどの地域生活改善のためのコミュニティ・スクールの影響が。文部省としての案。当のアメリカのCIEのオズボーン氏はコア・カリキュラムに怒りを。生活綴方。日本独自の草の根カリキュラム運動。生活そのものに題材を。北方性教育。30年頃から登場した作文教育。自由に綴る。何を書いても良いと言われても何を書かせれば良いかは分からなかった。調べる綴り方を。技術を根拠として表現する理論的な。綴り方教育は現実を見つめる多くの作品を。「山びこ学校」。当の無着成恭氏は一定の距離を。生活綴り方を系統性と一貫性の無いものとして。子供の生活の現実を。貧困にあえぐ生活を悲惨に。都会の子供の生活を描けるか。正確に自分の気持ちを正直に。打ちひしがれた様子はない。多くの教師が実践するような修正のやり方に反対。多くの作品はスラスラと読めないが子供の生の声が。生活に力が感じられる。生徒一人ひとりが教師であり生活がカリキュラム。異分子としてのカリキュラムが。生活綴り方の実践。フレイレ氏の理論とパラレル。輸入超過状態のカリキュラム論に対して。教育実践に気が付かない日本人。
教育の現代化運動。冷戦体制はカリキュラム理論にも。児童中心主義に対して決定的対立を。学力が低下した、ワイマール経験主義との批判。57年のスプートニク・ショック。児童中心主義の社会適応主義のカリキュラムは学力低下を招くという喧伝が。アメリカでの赤狩りやリベラルな教育に対する攻撃。アメリカの教育界の影響を。ソ連の影響。系統学習。教科中心のカリキュラム論。経験主義のカリキュラム。活動中心の。系統主義とは?ゲロームブルーナー。教科の各学年ごとの深まり。内容の系統性とは?アルゴリズム的に一つ一つの知識の積み重ねを?教科の構造という意味?ディスプリンの学問の構造とは程遠い。現代化運動の悲劇は教科と訳したこと。評価の構造。本来教育の現代化とは最先端の知識を。尺取虫の創生の如く最先端の科学的知識を発見学習的に。陶冶の転移。学問の構造を発見的に習得させる意図は伝わらなかった。どのような知識も次の時代に陳腐化。一般的能力を育てるものとして。ブルーナー氏の教材。ムコス。教科の一つの単元ではなく、生のイヌイットの声を。内容がリアルであるが故に倫理的な問題を。価値を減するものではない。70年代に研究費の補助で。数ヶ月に渡りストーリー展開が理解できる。計10時間のフィルム。教科書問題集教師用手引。単元は4つに。それぞれストーリーが。episode。鮭の一生。時々テレビなどで。一生の生き方にしたものは少ない。学問の構造。生殖活動やツガイ。種の保存のために川を上るという試練。基本的生の。神秘的であり科学的でもある命の。浜かもめ。ツガイで雛を一生懸命育てる。刷り込み。餌を取りに行くなどの分業。家族の形態。猿の社会。猿は雄猿と複数の雌猿と子どもで集団。多様な役割と地位を。大家族主義。チンパンジー研究者の語りを。カナダのイヌイットの話。人間が主役。無声フィルム。学習理論的理由。意味の読み取りをするように。行動の意味などの読み取りを発見学習的に。話の内容は4つの季節に分けられそれぞれの生活をドキュメンタリーに。ドーム状の家を作ったり狩猟をする場面。槍で刺す場面などが。アザラシを解体し生肉を食べたり胃袋で遊んだり。リアルでより迫る。意味を自分から考えることを。フィルムにはテキストが。内容は神秘的でシャーマン的な。旅に出る夫の代わりに妻が世話を。90年代まで良く使われていたが、倫理団体からクレームが。大手の出版社のスポンサーがつかなかった。
なぜ学問の構造化を?日本の系統学習の成果。科学的発見の構造ではない。多くは学問の構造でなく教科書の知識項目。累積的に付け加えるなどの政治的妥協の産物。クーンはパラダイムシフトと同じように共約不可能性が。関係の構造が見られる。天動説が地動説とは並び立たない。地動説からは理由がわかるように。クーンはパラダイムシフトで説明しているように、科学的発見は累積的に付け加えられるように。唯物史観が文化資本論とは両立しない。学問という概念の違い。日本の多くの教育学者は気づいていない。大学の学部の名称からも、主要な学問はそのまま高校に降りていない。学問構造と大きな断絶。動物行動学や文化人類学の学問の最先端が。なぜ日本では学問の構造は伝えられないのか?ブルーナー氏のナコスの真髄がなぜ伝えられないのか。学習者が難しい数学の公式や社会科の概念でメタファーが必要。佐伯胖氏の。物事には基礎的事項はあるが、基礎的であるのは文化的実践の文脈である。単なる項目抽出をして教えるべきではない。学力の基礎とはなにかを。漢字の書き取り。どのような時に使うかの文脈で基礎となる。計算も同じ。ひたすら繰り返しても文脈での使用は出来ない。鮭の一生はそれだけで意味があるのではなく。人間と同じ構造を示しているから基礎となりうる。自分には関係のない話として理解するのとは異なる。分かる、という概念。デューイの「学校と社会」。紡ぐという行為と繋がる。寒さから守ることに繋がる。紡いだ木綿への苦労。人間の理解の基礎。文明や文化を細切れに取り出しては基礎となりえない。
発見学習の意味。カリキュラムにおける構造主義。教材の精選。核となる要素。カリキュラムの現代化運動。古典のような過去の伝統ではなく科学のエッセンスを発見学習的に。どうしても言葉の意味。発見という言葉の意味が理解されていない。科学的知識の暗記的なものではない。エッセンスを教えるのではなく、発見的に。学問を些末な暗記的学習に。学問の構造を学ぶという考え方はPISAに見られる科学的発見を。理科のサンプル問題。テストでは知識のあるなしではなく、子ども自身がどう発見的に解決するか。思考のプロセスを創造していかない限り問題は解けない。能力概念は学習概念を現代的に言い換える。発見的学習のレッスンは幾何学や物理で実践されている場合がある。子どもたち自身が発見する。しかし意識されていない。ともすると科学の最先端は難しい知識からなると忌避される。教育の現代化は本来の意義を失うこと無く進めるべき。

 

カリキュラムと学習過程 (放送大学教材)

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  • 作者:浅沼 茂,奈須 正裕
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  • 発売日: 2016/03/01
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思考力を育む道徳教育の理論と実践―コールバーグからハーバーマスへ

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  • 作者:浅沼 茂
  • 出版社/メーカー: 黎明書房
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ポストモダンとカリキュラム

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習熟度別指導・少人数指導を成功させる40のポイント (クローズアップ〈学校の課題解決〉 (2))

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新しい「基礎・基本」の習得

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中学校 個に応じる少人数指導

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