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高校の多様化と教師(現代日本の教師第5回)

出身高校の絡みで、かなりの偏見が自分にあるのが理解できた。同窓会の役員をしているので、出身高校がどうなるのかは重要な問題ではあるのだけれど。

 

由布佐和子教授。4981の高校。26%が私立。私立高校を無視は出来ない。多様性がある。宗教法人ではなく無宗教が多い。進学校やスポーツが盛んな学校も。小規模校から規模の大きい高校も。納付金も異なる。ひとまとめにするのは大変むずかしい。私立高校の教諭。出身高校だったり転勤が無かったりなどが理由で希望する者も多い。教員採用試験。公立高校のように一斉ではないが。非常勤講師の採用が多い。正規教員になるには非常勤の経験を経て。毎年採用がある訳ではない。不安定な立場に。
公立高校を中心に。高校教師の実態。高校の状況や課題。高校教師が取り組む課題。高校教師自身の課題。まとめ。
公立高校の教師の状況。公立高校の教師は小中に比べて平均年齢が高い。45.8歳。高齢化には歯止めが。殆どは一般大学を経ている。職業アイデンティティは専門領域にあると考える教諭が多い。中学校は学年毎だが、専門領域ごとの職員室を持つことが普通。大学院出身者の比率が多い。採用試験。授権地域などにより大きく異なる。社会科目は倍率が高い。学部新卒者は30%ほど。なるのは容易ではない。教科の専門性に強いアイデンティティを。
高校の実態。歴史的変遷をたどりながら。アメリカの高等教育。進学率の上昇が性格の変化に。エリート段階、マス段階、ユニバーサル段階。エリート。15%未満。少数者の特権。卒業者がエリートに。教育内容も実生活とは殆ど無関係。アカデミック。50%ほど、マス段階。受けることは多くの人に開かれた権利。教育内容の多様化。ユニバーサル段階。行かない人の方が少数派に。進学動機もねばならないに変化。マイノリティ。教育内容は極度に多様に。高校は後期中等教育だが、学校の性格が大きく異なってゆく。戦後日本の進学率。55年には50%を上回る。74年には90%に達する。高校教育はユニバーサル段階に。高校の性格の変遷。70年代以前。トラッキング構造。陸上のトラック競技。コースを途中で変更できない。普通科と職業科は変更できない。2つの目的。進学準備教育、大学で必要な。卒業後社会に出ていくのが前提。普通科高校と職業科高校。大学に進学するのは難しい。評価体系が異なっていたので職業科も高い評価を。就職が保障。70年代から80年代。弛緩と再編。産業構造の変化。就職が難しくなる。大学人気で普通科高校の新設が。職業高校は大学進学という基準のなかで再編される。底辺に位置づけられる。大学進学を前提としての政策。職業高校のアイデンティティは不明に、専門教育が困難。大学進学競争、教育困難校を多数生み出す。80年代にかけて、大学進学基準の価値体系。逸脱文化。単線型高校体系の行き詰まり。90年代。高校改革のスピードが進む。91年の中教審答申。多様化した生徒の実態に応じて、個性を尊重する教育が必要。改革の内容。93年。単位制高校が全日制に拡大。学年による教育区分が設けられていない。教育課程を自分で編成。苦手な生徒に受け入れられる。95年。総合学科。普通科教育と職業教育双方のカリキュラムを持ち、希望に応じて履修。数多くの普通科高校が新設されたが、大学に進学する生徒が少ないところも。多様な進路に対応出来ない。アカデミックな教科と職業に結びつく教科を。多様な関心に応じて様々な分野のカリキュラムを。産業社会と人間という科目。課題研究が義務に。自己の生き方を探究、自ら課題の解決に。古典的アカデミックカリキュラムと異なる。制度改革を経て階層構造が弛緩している。鏡餅構造。お正月の鏡餅。エリート高と二層に。エリート高。難易度の高い大学に。進学実績を喧伝。大半の高校ではモチベーションが低い。楽な高校、楽しい学校。コンサマトリー化が。有名な大学のため我慢するのではなく、楽しむのを重視する。楽校化。
教育課題。学習指導と生徒指導。学習指導。生徒の勉強離れ。学習時間が短くなっているのに加え、学ぶことの意義づけが失われている。「階層化日本と教育危機」。下位の高校で顕著。授業がキッカケでもっと詳しく知りたいとも思わない。誘因にならない。高校全体で勉強することの意味が薄らいでいる。5時間も眠ると受からない、という時代があったが、大学全入時代に。勉強へのモチベーションが難しくなる。知の体系を努力して学ぶことが希薄に。反知性主義が蔓延。餅の部分では悩まされる。グローバリゼーションの中で知識活用形の学習に。意欲や適応力を試すように。これまでの教科型と職業型、生徒はそれに背を向けている。高校階層化が明確、下位の高校の生徒指導。校則や体罰で。ゼロ・トレランス。ルールを決めて破ったものには例外のない罰則規定を。神戸での校門圧死事件。生徒のありのままを尊重することへ。お世話型モードの生徒度指導で。人間関係を演出しソフトな態度を。厳しい指導で反発して逸脱行動をする時代とは異なる。生徒のありのままを尊重する、コンサマトリー型の生徒に教育効果が疑問。アカウンタビリティが問われる。地域社会からの非難が。ユニバーサル段階の高校での不本意入学者などに適切な指導か?在籍するのが難しい生徒も。介入が必要?上級の学校など繋ぐキャリア学習。進路指導。殆ど進学指導と同義と考えられた。大学改革の中で近年様々なカタカナ学部などがバリエーションに。変化に苦慮する。00年ころから全入時代に。経済的問題をクリアーしたら誰もが入れる。AO入試や推薦入試で。センター試験を受ける人間とギャップが大きい。学歴にさほどこだわらない生徒と、そうでない教師の齟齬。進路多様高。各種学校も含まれる。進路説明会でもターゲットを絞り込めない。計画そのものが効果を持たない。何になりたいのか、適性などを測るところから。進路指導の事柄が限りなく増える。就職希望者。信頼関係から大きく変化。従業員の雇用形態。雇用柔軟型など。労働者派遣法の改正。派遣労働の増加。産業構造などの変化。就職もそう簡単ではなくなる。修飾しても多くが3年目までに退職。求人倍率が高いけれど、選択肢がないという状態。希望する企業や職種を選べない生徒も。送り出す学校が出来る指導は何か?出口の指導に対し、長期的なキャリア教育。高校のうちから将来への見通しを。意欲経験を積ませる。生徒の側の自己責任の罠に嵌まることも。企業の側の根源的課題も絡む。社会的な視野を欠くキャリア教育では自分だけを責めることも。
教師の悩みと教師の中の問題。高校の多様化にどのように対応するか。異動。コンサマトリー化した生徒があふれる。学力の多様性のある生徒にどのように対応するか。課題を打開する余裕がないという現実。多忙化。教師の側の態勢も重要。生徒指導に関わる課題には、生徒指導と進路指導に別れる。担当者だけ忙しいということも。学校全体での共有が必要。組織運営上の問題。多くは学校教育の勝者。自らのアイデンティティは教科に。高校生徒の指導に対応できていない。専門領域だけ教えては上手くいかない。ヒアリングで総合商社から三橋伸弥氏の発言。教職しかしらない教員には無理。
高校改革は進む。多様化が進む。みかんの部分でも改革の動きが。グローバル化で新たな能力を養う。特色を持った学校に。スーパーグローバルハイスクールなど。単なる進学校ではなく。高校の質の保障。履修すべき教育過程をどの程度実現できているか。達成度テストの導入の検討。
単線型高校体系だった。進学が前提。指導の結果、成功した生徒が地元に帰ってこない問題。中央に人材が集中し地方は疲弊。有名大学の進学を目指すと地方の空洞化が。仕事がないので更に都会に。正規雇用されるのは簡単ではない。社会状況をどのようにするかが課題に。後期中等教育の意義などのマクロの視点を。少子化の進行の問題も。審議会の報道に留意を。

 

現代日本の教師―仕事と役割 (放送大学教材)

現代日本の教師―仕事と役割 (放送大学教材)