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授業研究と教師の成長(カリキュラムと学習過程第8回)

授業研究なるものが通っていた小学校では頻繁にあったのだけど、高槻の特殊な事情だと思っていた。全国どこでも実施されているのは意外だった。

 

久野弘幸。授業研究と教師の成長。ある教室の風景についての日記。沢山の先生が授業を。色んな先生がたくさん来てくれる。このような記憶を。今日は研究授業だから頑張ってと。緊張気味の先生。研究授業の前に校長先生や前任の担任も。指で指しながら数え始めたり。研究授業の一コマは多くの人の学校の風景。授業研究として通常の光景。このような授業研究を一般の人々が共有しているのは日本くらい。始まりから100年を超える教員研修の方法で深化を遂げている。00年代から世界に広がり大きな関心を。歴史や役割。授業研究が世界に。
授業研究とは?なぜ学校では必要か。授業力の向上を図るために教育課程上の実践研究。自分自身の学びを捉え直す。一般的にはその学校の教師全員が参加して。授業研究について具体的に。目の前のこどもの実態などで毎年の実践の目標を。授業力向上の研修を恒常的に。少人数指導や環境教育の充実。ICTの効果的活用など領域を指定する場合や子どもに育てたい資質を。授業力向上に主眼を持ったり。学校を基盤とした。共通の主題で共通の目的。実践上の課題の解決を。研究主題を実際に実現するためには研究計画に従い単元計画などを充分に練って授業過程を。一連のサイクルが必要。PDCAのマネジメントサイクル。研究授業は一連の部分として実施。多くの先生が参観に訪れる授業の前には丁寧に授業の計画を。終わった後には研究授業の成果を。事後検討会などと。ポイントや成果を明らかに。授業改善のポイントを試みたり修正したりと。計画的に実施。授業研究のマネジメントサイクル。授業研究が高い評価を。同僚性や子どもの視点に立つ。協働性。同僚教師と協力して。同僚性。互いに尊重し信頼し合う。優劣を論じるのでなく子どもの様子を。学びと育ちに着目し価値を引き出す。3つの原則からは教師の指導力の道具ではなく優劣を競うのではない。授業研究は仲間とともにヒントを引き出し充実感と成長の実感をもたらす。
授業研究は日本で始まった取り組み。始まりは明治期に遡る。その後は改善と工夫などを経てほぼすべての学校で。日本においてどのように?稲垣忠彦氏。教育の歴史において明治初年に遡る。授業参観が。萌芽段階。明治7年には検討会が。その後は20年代に授業講習会が。いわゆるヘルバルト主義が。段階論的性格から過度に厳格に。一部の学校で形式化が進行した。多くの学校の指導案には形式的段階論が。あくまで授業の構造の目安で。明治の後半に定式化が進んだのに対し大正期では逆に。自由教育の思想が。現実の学校生活に普及させる手立てとして授業研究に。主に私立学校と師範学校付属。新しい自由教育の理念が。児童中心主義。大正期に設立された奈良女子高等師範学校、奈良女子大学附属小学校。19年に木下武二を中心に生活や学習が原理に据えられ。様々な教科を1つに。奈良の学習法。大正期の参観者数は年間2万人を越えることも。「学習研究」。最新の理論的実践を。戦後は教育の再構築を。科学的研究が進展。単元の目標や授業の目標などの理論計画を。授業の音声を元に記録を作成し議論する。事前に準備するスタイルが確立。国においては研究開発学校の制度が。授業研究の活用。次の時代の開発のために独自の実践を。新教科や新しい教授法を。重要な手立てに。各都道府県において教育センターが。教員研修や研究委嘱校の制度化。資質の向上や質の高い授業研究を各校に。目的意識を持って。専門学会が相次いで設立され専門性の。組織化や高度化が。学習指導案や授業記録の様式が普及。民間においても多くの団体が設立。平成に入ってからの授業研究。10年代には大量採用の教員の一斉退職。若手教員への経験値の。課題が多様になり教師手動から主体的学びへの転換も課題に。マンネリや停滞状態にも。平成20年代になるとワークショップ型研修等が。授業研究の取り組みは高等学校にもようやく。県の支援により始まる兆し。授業改善の試みが高校にも。
授業研究がどのように世界に広がり授業改善に役立っているか。その将来像。海外の授業研究。これまでの事前の計画や組織や公開。授業の後に討論をするなど。教室を離れての活動や事後検討会。過程を通して様々な工夫を。アメリカの授業研究者。当初は現地の多くの研究者はアメリカの教員に馴染まないのではと考えていた。ルイスは99年以降ごく短い期間にレッスンスタディに関心を。多様な学校種で取り入れられている。教師の協働的文化と子供の目線で。00年代に入り授業研究は国際的発展を。国際化は日本からの発信で広まったのではなく探求する過程で偶然に発見されたもの。ではどのように発見を?レッスンスタディの起源となる1冊の本。95年の調査の一部として実施されたVideoを。日本ドイツアメリカを対象に大量のVideoを分析。共通の方法で合計200本以上の算数数学の授業を詳細に分析する。大規模なサンプリング調査。授業の展開を詳細に分析して。日本だけギャップが。所定の例題の解き方と反復練習するのはドイツとアメリカ。日本では典型的な問題1問が取り上げられそれを解くのが基本形。個別学習やグループ学習で解決し話し合いで理解を深める。授業の基本形の比較。日本においてなぜ共通に?注目されたのは学校単位の力量を高める授業研究。その前の研究でレッスンスタディを鍵に。学問分野の成立の指標。専門学会で集う場ができる国際学会やジャーナルの発行。10年にレッスンスタディの国際学会が発足。12年にジャーナルが創刊。10年のブルネイ大会で正式に発足。毎年世界大会を開催。10年代なかばまでに30カ国に。関心を集めて多くの国で評価されている。授業研究の国際化。教員研究の充実や高度化。その流れは国際学会の設立で学問としての。授業実践で実現するメカニズム。教師教育の重要性が増す。国際化は意味や価値を持つ。教師の資質の向上や教育の質の向上はローカルな取り組みが。世界九通の課題の解決にはローカルな解決策が。そのまま適応すれば良いとは言えないが、具体的事例にはヒントが隠されている。日本の授業研究の世界的移転は手順だけでは充分ではなくその国の事情に応じて。グローバルなやり方がローカルに試みられることを。ローカルなレベルで実行されているものを普遍化。海外の研究者により発見され世界の共通言語に。協同的なラーニングコミュニティを。現在では英語のレッスンスタディは日本に逆輸入されて新たな価値を吹き込む。近年その蓄積が世界的文脈に結びつく。
日本の授業研究の強みや特色。数週間の教育実習。取り組み方について理解を深める。教員の力量形成を。細部の違いはあれ同じような様式を。学習指導案。共通の言語を獲得。用いれば授業意図を理解したりすることが可能に。教員間の相互理解のプラットフォームに。室の高い授業を求めて共通に学び合うのは貴重なインフラに。若手教員とベテラン教員などの同僚性を育む。若手の教師だけではなくベテラン教師も。共同で授業計画を。相互に知恵などを得る。しばしば分かち合いという言葉を。互いに自分の知見を分かち合う特質を。新しいカリキュラムを実現するために実際の授業を通して学ぶ機会に。多くの国においてコンテンツ中心のカリキュラムからコンピテンスベースのカリキュラムに。従来の教師中心から児童中心に。容易なことではない。紙の上のカリキュラムを実践することで共通理解を。以上の特色はインフラとして普及している文化的資産に。授業研究を通して画一化が進み教師は多忙に。画一化は否定出来ないが実践力の継承は功績。授業の改善を図る研修は最優先事項であり。多忙化解消は授業力を伸ばすことで見えてくるはず。
授業研究はカリキュラムの実現を図るインフラ。多様化を含む背骨のようなもの。外国では授業研究はないが、どのような研修をするか想像が出来ないと。近い将来世界の教員から同じようなセリフが話されるかもしれない。

 

カリキュラムと学習過程 (放送大学教材)

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授業をデザインする「技」 (学力が身に付く授業の「技」)

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