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学校におけるリーダーシップ(教育行政と学校経営第11回)

そもそも経済組織ではないのだから、学校が達成するべき価値は多面的にならざるを得ない。このことは予め念頭においておくべきだろう。

 

勝野正章。学校におけるリーダーシップ。学校では学校管理職が一般に。より改革や変化を思考する。どのような種類のリーダーシップがあるか。アメリカでは80年代から。日本では90年代後半から。アカウンタビリティの議論を。経営責任の明確化。校長の権限への関心が。新たに設置された職。中堅層にあたる人の役割をミドルリーダーと。
どのような経緯でリーダーシップに注目が?アメリカではスクールリーダーとしての校長に。改革プログラムが上手くいくかいかないかがある。校長が鍵になる?それに加えて、当時の効果がある学校研究で校長が注目。アメリカでは60年代から大規模な教育改革が。教育機会均等政策。人種や階層別の格差を無くす。それを目的に連邦の巨額の予算が。効果の検証が行われる。66年に教育機会均等調査。その後のフォローアップや検討。子供の教育達成と、文化的要因が大変大きい。学校はあまり役に立っていない。本当にそうか?政策的関心が。全体的に見て学校の役割は大きくないかもしれないが、教育達成を果たしている学校はあるのでは?何か学べることがあるのでは?効果のある学校研究が始まる。効果のある学校、人種などの学力格差を克服。ドナルドエドモンズ。着手をした人物。イギリスでも同じような背景のもとで良い学校を探す試みが。学校における校長のリーダーシップとの関係。研究結果で要因として挙げられてることで共通するのは教授的リーダーシップ。どのような要因が効果のある学校に。その中の1つが教育的リーダーシップ。秩序だった安心して学校生活が。保護者も含め高い期待を。頻繁に評価をする。研究の成果は5つほどあるが、教育的リーダーシップが効果のある学校を作り出すことが明らかに。
教育的教授的リーダーシップとは?簡単に言えば子どもたちの学業達成に影響を及ぼす教育実践に影響を与える。関わるリーダーシップ。具体的には困難を抱える、悩む教師に相談をして一緒になって良い授業を作る。学校の中で良い授業が出来るよう学び合いの文化を促進する。つまりリーダーシップは教師との対話を行う。実際に教室を見てそこにおけるデータを収集し分析をする。リーダーシップがレパートリーを豊富に持つ。授業のメカニズムを深く理解。教師自身が理解を深め実践に活かす。カンファレンスを。大人同士の学びを促進する知識が必要。教育的教授的リーダーシップ。大昔から日本の学校で。校長に理想のリーダーシップの調査を。理想として行いたい活動。現実的に行っている。教員の直接的教育活動の支援。次に校務の合理的処理が来るが。リーダーシップの仕事をやるべきと。実際にこの調査と一緒にエスノグラフィー、民俗学的調査。なかなか具体的に質の改善に繋がるよりも、コミュニケーションの面の方が。校長の組織経営者としての役割が強調されている。危機管理などの側面が強調される。リーダーシップへの認識が強くない。研究授業という教師の学び合いなどを促進する条件整備を考える必要が。
どのようなリーダーシップ研究が?教育的教授的リーダーシップ以外には?学校の経営やマネジメントのために。校務処理を的確に行うマネジメントも。この他のリーダーシップは?アメリカでは90年代から変革的リーダーシップが唱えられるように。授業そのものというより、授業を支える学校の文化を変える。教師に対する指導や監督や対話を通して実際の仕事に直接介入するのに対し、学校の使命の提示や教育課程や教育プログラムの作成。より良くするための学校文化の形成で変化を。何故変革的リーダーシップが唱えられるように?授業の内容の変化。従来は基礎的な能力の育成。90年代からより高次の機能。子どもたちに合わせた指導。むしろ個々の状況に対応した教師の指導の変化に向けての動機づけがより重要に。個々の対応は教師に委ねて。授業そのものを変える。一部だけの教師の変化になってしまうことも。短期的なものに終わらせない。学校文化に関わるリーダーシップ。自分の仕事に与える意味がどのようなものか。進んでリスクを背負うように。初等学校はともかく、中等教育に成ると規模が大きくなり専門性も出てくる。専門以外の授業に働きかけをするのは難しい。一部の管理職というより、指導的立場の教師が他の教師の意欲を高めるためのリーダーシップを。分散的リーダーシップを。そういう組織や文化を形成する。変革的リーダーシップ。では教育的教授的リーダーシップとどちらが必要か、単純に答えは出ない。質的向上が問題。方法が直接的か間接的か。いずれかに分類も出来ない。スクールリーダーは状況に相応しいリーダーシップを。
分散的リーダーシップ。ディストリビュート。どのような問から?リーダーシップは意欲や実践に影響を与える行為。学校の中では校長だけではなく、教頭や主幹教諭などの役職者だけに限らない。実は一握りの一部の人がリーダーシップを発揮しているだけでなく、創造力を発揮できる、それぞれがリーダーシップを。学校という組織の特徴と照らし合わせても納得行くこと。学校という組織は環境からの影響を大変強く受ける。環境も様々。教育活動の法則的事実が見出しづらい。情報や資源も1人が握って他の人に指示をするというより、各自が意思決定を。フラットな組織の優位性。組織的な味方と分散的リーダーシップは呼応する。分散的リーダーシップとはどのようなものが?自然発生的に協働が。各自の得意な分野を出し合って、若い人の新しい発想も含めて、それぞれの持ち味を。自然発生的協働。役割分担を。フォーマルな形式として委員会や校務分掌を。日本の学校にも元々あるもの。学校だけではないが、チームという概念。得意分野を持ち寄って協働する。チーム医療のように、チーム学校が。効果のある学校の日本版、力のある学校、という研究。特徴として校長や管理職だけがリーダーシップをするだけでなく、各自がリーダーシップを。層として発揮している。学校経営では学校の中でも多方向的な。上下横だけでなく両方の。ウェブ型組織の在り方。共有ビジョンを。
学校におけるリーダーシップ。どんな効果が実際に認められるか。効果のある学校研究。児童生徒の教育の達成には?学校におけるリーダーシップ研究においても、リーダーシップの在り方がどのような結果に結びつくか、研究の蓄積が。初期の研究。主要な担い手は校長などで、校長のリーダーシップに着目。アメリカの研究では教育的教授的リーダーシップの結果。学校文化の形成など。変革的リーダーシップを加えたものも含めて。教師の意欲は高まるか、学力は達成されるか。概観すると、直接的効果があるか、校長のリーダーシップ如何で結果が違う?そこまで言えないという結果が多い。教師のコミットメント。動機や学校文化を変えることで間接的に子供の教育に効果を。さらに言えば一方的に校長のリーダーシップが影響するわけではなく、相互作用で校長自身の教育観も変わる。双方向的な。元々学校のリーダーシップ研究がアメリカで始まったものだが、日本でも行われていて、教師や学校文化を介して間接的に。自己効力感や授業能力だけでなく、保護者の信頼が持つ影響力。学校の内外で信頼感を如何に出していくかが。最近の学校経営研究では信頼がKEYWORDに。地域や保護者からの信頼が。リーダーシップの在り方。学校改革に効果的。国際的にも認識されている。OECDのパリス調査。各国における学校のリーダーシップ。特に分散的リーダーシップが。調査では保護者や生徒にも積極的に参加する項目が。分散的リーダーシップからソーシャルガバナンス。共同統治に。分散的リーダーシップは役職者だけではなく民主主義的。留意すべきことも。まとまってするという協働的な。反面、成果を急に求めたり、数字に限定されがち。日本でも。アカウンタビリティ、説明責任を。学校の外部から求められるような外発的なものが強調されがち。皆で目的を達成するということになる危険性も考慮する必要が。テスト結果の向上だけが目的ではなく。学力とは何なのか、最善のことは何なのか、それを蔑ろにする傾向もアメリカではある。目的は何かということを踏まえたリーダーシップでないと、外発的なものに引きずられがち。組織の一体感だけではなく、保護者や子どもたちなどを排除するようにはせずに。

 

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