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言語障害と教育(特別支援教育総論第4回)

子供時代に言葉が不自由だった頃を思い出す。言葉が出るよう指導するのは大変なことなのだろうと今更ながら思う。

 

澤隆史。言語障害と教育。言語障害とはどのような障害か。言語の獲得や使用で何らかの障害が。言葉の形態などによる知識の獲得に於いて同等の年齢集団から著しく逸脱。例えば少しいい間違えたりの一時的な間違いは含まれない。言語には未解明のことが。脳科学や神経心理学。それぞれの分類の基準なども変わる。医学分野や教育分野の違い。対象とする言語の違いもある。最も一般的な分類法。スピーチ、ランゲージ、コミュニケーション。スピーチ。聴覚障害や吃音など。ランゲージ。語彙の不足など言語知識の障害。発達性言語障害などとも言う。読み書き障害の中も。コミュニケーション。言葉の使い方。対人場面で不適切な用語を使うなど。色々な原因で。聴覚に問題がある場合はスピーチ。自閉症スペクトラム障害などは多くの場合に言語障害を伴う。言葉の障害を引き起こす原因が明確な場合が。診断に於いては疾病や障害の診断基準であるマニュアルなどが。DSMやICD。日本の学校制度ではいわゆる言葉の教育が。指導を受けている子供の80%に言語障害が。
構音障害。発音の意味。物事を調節する。調音と呼ぶことも。同じ年齢の集団で構音が著しく逸脱。機能性構音障害、器質性構音障害、運動性構音障害。構音器官や運動神経系に障害がない場合。構音器官の形態や機能の障害。舌小帯短縮症など。手術による治療が一般的。運動性構音障害。動かす指令を送る筋肉などの障害。脳性麻痺に伴うものなど。
吃音。発話における流暢性やリズムの障害。色々なパターンが。音の繰り返し、引き伸ばし、ブロック。同じ発音を繰り返す。次の音まで語頭を引っ張ってしまう。最初の音がなかなか発せられない。幼児の場合は非流暢な発音も多いが。幼少期から発症することが多いが、発音が未熟なのかを区別しづらい。約1%の人に。約80%は4歳頃までに。男児の方が2倍ほど多い。原因。完全には解明されていない。大まかに3つ。元々の器質的認知的な特徴。環境論。学習により吃音症状が。近年では脳科学的観点から脳の機能や遺伝子の解析も。現れやすい音やそうでない音が。統一的説明には至っていない。発生のメカニズムは複雑。
言語発達遅滞。ある年齢で期待される言語理解などの言葉の能力が達していない。言葉の遅れとも言う。知的障害や発達障害に伴うこともあるが、原因が明確でない場合が多い。言葉の教室には言葉の発達のみが。特異的言語障害。SLI。格助詞の正しい使用や時間表現の使い分けなど統語的な。非常に幅広い。子供により大きく異る。様々な情報を集めて確認してオーダーメイドを。
教育機関の特徴。言葉の教育が中心。元々は通級による指導の形態で。93年に制度化されてからは増え続けている。小学校の時点では原因がはっきりしないので幅広く受け入れてきた。それぞれの障害の専門性を考慮することも。通級による指導を受けている子供の実数は増え続けている。学校以外の支援の場所。研究機関や言語クリニック。言語聴覚士が中心。言語障害や聴覚障害に。リハビリテーションや病院で指導を。同じ言語障害の人が。セルフヘルプグループ。講演会や勉強会や集いなど様々な支援を。
言語障害児への指導の方法。基本的に1対1。就学相談の段階でわかることも居るし、入学後に気づくことも。入級する子供には保護者との話し合いを。インテーク、受理面談。気になることや指導してほしいことなどを聞き取る。様子を通じてニーズを詳細に。観察したりアセスメントをして客観的に把握。一般的には言語活動の側面を一つ一つ確認。聞き取りの力や運動機能を。効果的な指導内容や方法を。個別の指導計画は原則として複数の教員のチームで作成。実態把握の結果からの子供の状態について複数人の見立てを。保護者の内容の同意を得る。インフォームド・コンセント。大切なプロセス。在籍している学校に校内通級が出来る場合はともかく、違うと設定は難しくなり。特に低学年の負担は大きい。午前中に通級による指導を行う場合が多い。区切りで定期的にアセスメントする。PDCAサイクル。
構音障害。どのような音でどのように誤るか。構音検査。全ての音韻について確認。誤り方は3つ。置換。ウサギをうたぎと。省略される。ライオンがアイオンと。最初の音であるRの音が。曖昧でどのような音かを同定出来ない場合も。歪み。子供の誤り方は様々。置換だったり歪みだったり。誤りの中で歪が顕著の場合。側音化構音。発音するときに息が横から出る。北の発音。横から漏れてしまう。音声は様々な構音器官を調整して発する。どのように音を出すかは異なる。Sの発音。TとR。舌の動かし方は似ている。構音位置。構音方法。それぞれの音がどうなっているかを発音して照らし合わせて。構音のメカニズムを。定着してしまった状態。調整を必要とするのでなかなか自然には治らないことも。年齢の早い段階から。どのような活動を通して?言葉の教室の先生。構音障害の児童に対して。発音の練習。順に進める。ステップを踏んで。サ行の音。すの音。子音のSを作る練習。そのままUの音、単音節の練習を。そこまで出来たら母音音節の練習。スラスラと出来ればすのつく単語の練習を。単語の練習ではすが語頭語尾語中。日常的に使う単語を。単語の練習が進めば。すの練習を続けながらサ行の他の音を。練習期間は異なる。家での宿題も出す。小さい段階の児童が対象で飽きてしまったり退屈だったり。意欲を高めるのに。繰り返しの練習が必要。単調になりがちなので興味の持てるものを。シールやスタンプ。おもちゃなどでゲーム性を。スキなキャラクターなどの名前を。意見を出し合って。自宅に帰ってから。保護者との連携。練習の進捗状況を示して見通しを持って。正しい構音方法の定着には自宅での練習も必要。励ましや一緒に楽しんで。構音の指導は細かい運動のトレーニング。サッカーのパス練習。単調で飽きてしまうことも、意欲の低下に。
吃音児への指導。直接的指導。和らげるような話し方を指導する。話すことへの不安や緊張をほぐしたりゆっくり口を動かしたり。改善しづらい場合はわざとどもる意識を。話し方を指導しても改善しづらいことも。話す環境や心理状況が。間接的指導では環境に働きかける。教員や児童に理解を促す。吃音の話し方がいじめの対象にならないよう支援を。配慮や支援の方法を。在籍学級での環境的支援。担任の先生自身に基本的知識や支援などを知ってもらう。良くないメッセージを。最後まで聴く習慣を。色々な形で現れる。支援のニーズは異なる。症状に波があることが多い。先手を打つのではなく本人と話し合いその都度相談を。周りの子からからかわれたり。吃音の知識や真似をしないことを担任から。成人以降も続く場合が多いのでスキルを向上させている人も。悩みや苦しみを受け入れてカウンセリング的な支援を。
言語発達遅滞。様々な困難を包括。言葉の困難に対する一人ひとりのニーズの把握を。検査も様々なものが。優先的に指導する内容を。課題有線型や会話有線型。アセスメントの結果を参考に指導領域をある程度特定する。目標を明確にして教具を工夫。指導場面におけるやり取りで教える。指導目標を見据えて場面設定などの工夫を。学習意欲などでバランスを取る必要がある。言語発達に課題のある児童。様々なタイプの遅れが。会話や学習、遊びの順序で。会話では好きなものなどをテーマに。適切な話が出来ているかを。話の中で指導。毎回違う話をしたり?個別の課題では同じような課題が続かないように。遊びは単純に発散するだけでなく信頼関係を作る。友だちとの関わりを学ぶなどが。言葉の発達に遅れがある指導。長期目標を立てるときに。アセスメントで実態を把握。指導内容を考える。本人や保護者や担任の困りごと。ゴールの設定も重要。何が出来るようになればよいかを。
言語障害教育を取り巻く現在の状況。子供の数の増加。徐々に場が広まっている。指導内容や方法は異なるので、専門性を形成する時間が必要。高度な知識技能も必要。配置が追いつかない状況。途中からの入退出で教員の確保に問題が。負担が大きい社会だが、支える専門性の向上を。

 

特別支援教育総論 (放送大学教材)

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聴覚障害児の学習と指導――発達と心理学的基礎

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