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発達障害児・者の理解と心理的援助 -自閉症-(障害児・障害者心理学特論第12回)#放送大学講義録

自閉症とアスペルガー障害とは見分けるのが難しい。

 

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=====講義録始め-----

 

自閉症とその関連疾患について

1. 自閉症の定義と特徴 自閉症は、対人的相互反応の質的な障害を中心とする自閉性障害の一つです。この用語は43年にカナーによって初めて提唱されました。主な特徴として、コミュニケーションの質的な障害があり、特に言葉の使用に障害が見られることが多いです。双方向の会話が難しく、情緒が不安定になることもあります。また、反復的で常同的な行動や興味、例えば時刻表などに特定の関心を持つことがあります。発症年齢は通常3歳未満とされています。

2. アスペルガー症候群 アスペルガー症候群は、ハンス・アスペルガーにちなんで名付けられた障害で、ウイングによって再発見されました。この症候群の特徴は、著しい言語の遅れが無いこと、社会的・職業的機能の欠如、一般的に知的障害を伴わないことなどです。言外の意味が分からない、自分の興味を延々と話す、他人の表情を読み取るのが苦手などの特徴があります。また、特定の興味、例えば電車の詳細に強いこだわりを持つことがあります。多くの場合、専門的機関で初めて診断されることが多いです。

3. 広汎性発達障害 広汎性発達障害は、自閉症やアスペルガー症候群と同じく発達障害の一つですが、ここでは詳細な説明が省略されています。

4. 高機能自閉症 高機能自閉症は、知的発達障害を伴わない自閉症を指します。

5. 中枢性統合の障害とその他の特徴 自閉症やアスペルガー症候群には、中枢性統合の障害、指向性注意の障害、心の理論の障害、想像力の障害などが関連しています。視覚や音に対する過敏さがあり、これが原因で情報を処理しきれず、パニックになることもあります。また、「タイムスリップ」という現象で、突然過去の記憶を想起することがある。

6. 原因と発症率 自閉症の発症率は1万人に10人強、アスペルガー症候群はそれよりも多く、通常の学級には0.8%の確率で存在します。男性にこの障害が見られることが女性よりも多いです。

7. 他の障害との関係 自閉症は、てんかんやアイデンティティの獲得の難しさ、多動性や不注意、ADHDとの関連が指摘されています。

8. 自閉症のアセスメント 自閉症の診断には、スクリーニングテストやADIR、芽生え反応などの評価ツールが使用されます。

9. 自閉症児の援助 自閉症児の援助には、その子がどのように理解して行動しているかの把握や、視覚情報の優位さの活用が重要です。60年代には心因性とされていた自閉症ですが、現在は脳の機能による障害という認知言語障害仮説が主流です。社会性の障害を重視し、社会的機能を高めるための環境調整や構造化、ソーシャルスキルトレーニングなどの方法が取り入れられています。

この講義の書き起こしを整理し、各概念の意義や関係性を明確にしました。自閉症や関連する疾患は多岐にわたる特徴や要因があり、それぞれの症状や特性を理解することが、適切な支援や理解の鍵となります。