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家庭事件と司法(司法・犯罪心理学第6回)

確かに家族の中でも個々人が原子化している側面があるのは否めないところだろう。

 

廣井亮一。家庭事件と司法。家庭の紛争や問題解決のために法と臨床のアプローチ。家族社会学の。
家族の問題や紛争。離婚やDV、虐待、相続紛争。関係の歪、それ自体が家庭裁判所に行くのではなく親権や財産分割などの法的問題として。関係の歪のメタファーとして立ち上がる。家族の紛争解決のために法への、歪への臨床的アプローチを。1つの基準。家族に関する法律。家族法。少年法や児童福祉法など法体系にまとめられたものではない。民法の第4篇第5篇。法の諸部分。法的アプローチ。公正性や信頼性を担保。紛争当事者に関わる際に重要。調停条項は確定判決と同じ。間接強制直接強制が可能。しかし法律には限界が。親権者を巡る争い。双方の経済力や時間、諸環境など客観的な法的事項を集めただけでは判断できない。親子の愛情とは?何を持って子の最善とするか、関係性に関わる、人間関係を如何に捉えるか。時間の流れも。正論としてもそれが実体的な解決に結びつかないことも。人と人との紛争には恨みつらみなどの情念が。規範や強制力を誇示すると感情的に動かなくなる。臨床による関与が求められる。
家族社会学の観点から現代家族の課題。関西福祉科学大学の畑中教授。現代の家族の特徴。家族変動論。形態変動と機能変動。多様化。かつては3大家族類型があったが、ネットワーク型など多様に。「万引き家族」。多様化を象徴。是枝裕和監督。日本社会の家族の定義は一義的。機能変動。家族が複数の機能に。その後多くの機能が外注され愛情機能に特化。私事化。家族の愛情機能。夫婦の伴侶性。精神保健機能。夫婦の情緒関係。人生80年時代、夫婦としての生活が20年続く。人生100年時代なら40年。夫婦2人の生活が長くなる。精神保健機能。激しい競争社会の中でストレスフルな社会を。ストレス発散の場として。同僚友人とウサを晴らすので外部化は可能だが。愛情機能が作動しなくなれば家族は容易に分解傾向を。愛情機能が家族の要。浮遊化と私事化。古くはガルブレイス「豊かな社会」で。馬場浩治。論文。過剰商品化、過剰効率、過剰浮遊化。高度に分業化した社会で。個人化。個人の自由を優先。浮遊化は経済的に豊かな。個人主義と平等主義に立脚した。富裕化を。村上泰亮。高度に分業化した社会。個人市場を育てる。富裕化は私事化を育てる。貧困社会では互いに助け合って。私事化は家族コミュニティに拡散。コミュニティにおける人間関係の希薄化が結果現象。格差社会の日本には?浮遊化。小泉の構造改革。格差社会に。グローバル資本主義。国境線を除いて市場化を。その前は一定の格差は社会保障や社会福祉で補完出来た。それを越えている。私事化の肥大化の増大。助け合う機能が発揮しにくい。私事化が肥大化した結果としての家族の問題課題。現代家族。子ども虐待。18年度に児童虐待の件数は16万件。90年から右肩上がり。経済問題。自尊感情の低さ、コミュニティからの孤立。世代間連鎖。夫婦関係の不和、DV。私事化の肥大化との関係。一部に自己を最優先することが善と。介護などは犠牲的に。子育てという行為で犠牲的な行為は葛藤に。切れてしまう。葛藤と折り合う力、関係性を生きるチカラを。他者を存在として受容し自分の思いも。相互性。家族療法でのアプローチ。関係療法とも。関係性を生きる力を育てる。諸問題や諸課題を抱える現代家族に。個々の環境状態の変化を指向。多様な施策が。右肩上がりの傾向に変化はない。環境状態に加えて主体への働きかけを。関係性を生きる力を。一定の時間が必要だが道筋は見えてこない。他者への誠実な関心を持つのは困難だが挑戦が必要。関係性を生きる力を育てるための主体の側の働きかけ。日本IPR協会のIPRトレーニング。70年に早坂泰次郎氏が。ドイツ系ユダヤ人が。対人関係は間とつながりから構成。つながりの感覚が乏しいので焦点化。非日常の空間で他者を見て感じて行動する。今、ここで。他の研修では課題が与えられるが、課題を与えずに見ること聴くこと感じること応答することを対応することで。他者理解と自己理解。HERR and NOW。対人関係は感じて応答することに尽きる。見て聞いて感じて応答する。常に向き合っていくしか無い。瞬間瞬間を大切に。関心が自己に向いていると難しくなる。トレーニングのエッセンスをプログラム化。分節化した形式で。他者への誠実な関心とは?グループで理解を。見るとは?順次、聴くこと感じること対応すること。関係性を生きる事を体験する。分節化したら中学生から可能。いきなり非日常の空間でトレーニングをするには防衛的。洗脳されないかと。様々な問題や症状を抱えた人には?あくまで対人関係トレーニング。治療が目的ではない。トレーニングの結果が治療的効果を持つことも。健康な成人を。自尊感情の低い人や過去のトラウマ体験で防衛的な。自分らしさを取り戻す。様々な問題を抱えた個人や家族にも。自分らしさを取り戻してトレーニングの結果として。治療ではなく対人関係のトレーニング。問題を抱えているかどうかの見極め。トレーニング中に明らかになった場合はそれ以上のトレーニングを進めることを止めたりする?安全性。スタッフに看護師が。異常になったら対応する。専門家が。日本の家族法は無い?民法の親族相続。家族法というものを制定していないのは?戦前の家制度との関連?家族の定義。多くの家族社会学の研究者が定義不能と。家族を作り営む意義は?家族関係を生きる。家族との情緒関係を。是枝裕和監督。多様化で定義できない。一人ひとりが持つ家族のイメージが齟齬をきたした場合に問題が?大いに有り得る。最低の共通概念を設定する必要がある?難しい議論。家族の議論は幾つかに類型化。ニュートラルな議論をする仕方。霊長類学に近い。山極壽一。霊長類学に準拠枠をとりながら現代の家族に。ゴリラ型とさる型。矛盾した命題を絶妙なバランスで。最近は集団化に偏る。葛藤と折り合う力、関係性を生きる力。他方では家族というものの変動論ではなく変わらない側面。産み育てることを軸足に。家族社会学の研究者以外で議論。価値的に家族の価値を主張する、政治的イデオロギー的な。定義になると難しいところが。本来の機能がどういう形で充足出来るか。外部で対処するのではなく、大きな枠の中で支援が作れる仕組みを。定義というより、家族が何をやってきたかを把握して機能を果たせる枠組みを。定義することで混乱が。距離を置く。家族との情緒関係。今の家族は親子喧嘩が出来ない。家族空間が情緒関係を生き。清水宏。循環。家族成員だけで実現できない場合多様な。メンバーによる馴化により居場所に。家族成員に対し互いに排除。家族成員が居場所を。行われていないことが居場所がないということ。きちんとしたコミュニケーションがあれば居場所になる。居場所が無いという表現。互いを排除する関係性。家族内でできない場合は?関係性を生きるのが困難ならコミュニティを動員するなどして。19年の朝ドラ「なつぞら」。北海道の牧場で育ちアニメーターに。居場所の獲得。家族問題が家族に居場所が無いという側面が。他者への誠実な関心を持って生きることが家族内でなされていない。いじめ問題。netやスマホの普及。人の息遣いなど生身の人間関係を喪失。自宅に居ても互いにnet。SNSに関連して、24時間誰かに繋がっている。一人ではなく息苦しい。一昔前は家に帰れば家族に空間に守られている状態ができていた。今の家族は居場所がない。これからの家族の行方。関係性を生きるチカラがあれば大半の問題は解決するが、怠れば問題の増加が続く。浮遊化私事化ネット社会化。悲観的にならざるを得ない?危機的状況にある家族の再生のためのポイント。他者への誠実な関心。自己に向いていたのでは排除に気が付かない。親に対して誠実な関心を持つことで配慮に気がつく可能性が高まる。親や子どもが相互に他者である互いに関心を向ける。他者のまなざしを受け止める。虐待する親は子どもに配慮していない?子どもは親を見ている。眼差しに気がつくようトレーニングを。媒介者。トレーニングでは援助的振る舞いで気づかせる。感じても言えない人。背中を押す。「言いたいことがあるのでは」。虐待する親は社会の中に媒介者が存在すれば少しは希望が持てる。しかしコミュニティでは孤立しているので話ができる場を。見て聞いて感じて応答することを積み重ねて関係性を築く。基本に立ち戻る。葛藤と折り合いながら他者を受容し自分の思いも、相互性。関係性を生きて家族をつなげる。

 

家裁調査官が見た現代の非行と家族:司法臨床の現場から
 
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