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児童虐待と高齢者虐待(司法・犯罪心理学第7回)

虐待の事案がマスコミで記事になるとケシカランと義憤を出す人間は、いざ同じ状況に至れば自身が批判していた行為そのものをする場合が多いというのが傾向として言えると思う。

 

廣井亮一。児童虐待と高齢者虐待。児童虐待は社会問題になって久しいが、高齢者虐待も大きな問題に。児童虐待を説明してそれに基づき高齢者虐待と高齢者の家族の問題を。児童虐待はどのような行為か。法的対応と援助。高齢者虐待と児童虐待の対応の違い。高齢者虐待と介護問題。
少年非行と児童虐待が問題になるのは偶然ではない。加害者と被虐待児は相反する立場に置かれるが密接な関係が。虐待された子どもたちは様々な症状を。非行も1つの問題行動として発現。必ず問題を起こすわけではないが。厚生労働省による平成27年度の施設入居児童。虐待経験者は高率の70%のところも。虐待された子どもは心に深い傷を、日常生活で繰り返す。情緒障害や非行に。援助は困難に。愛着障害は長期の虐待で親との愛着が形成されないことが1つの原因。情愛や自尊心が欠如し他者と関われず特定の人との親密な関係が出来ない。
児童虐待についての対処。状況。児童相談所での相談対応件数。19年度の児童虐待の件数が15万件を。99年から150倍以上。00年に児童虐待防止法。児童虐待について。1条に目的。児童虐待は児童の人権を著しく侵害し心身の成長や人格の形成に影響。児童虐待とは未来を担う児童の発達や成長と人格の形成を阻害。禁止して予防と早期発見を。発達を保障。虐待する親が子どもをどう躾けるかは親の自由?子供の身体と心を傷つける行為はしつけではなく虐待、そう言い返す。定義。2条。保護者が看護する児童に。親権を持つものなどで現に監護。18際に満たない者。身体的虐待。打撲傷内出血など外傷の可能性があれば。乳幼児揺さぶられ症候群も。性的虐待。児童をポルノの被写体に。猥褻な画像等を見せることお。ネグレクト。小中学生に義務教育を受けさせない。虐待を止めようとせず。心理的虐待。言葉による脅かし。無視や拒否。他の兄弟と著しく差別。夫婦間暴力。心理的虐待に関する関連が確証できることが要件として限定的に?心的外傷をもたらすのでコアであるという理解。
児童虐待に対する対応の流れ。児童虐待の発見から保護までの。児童虐待の早期発見。第5条。児童の福祉に職務上関連するスクールカウンセラーも含む。教育と啓発。通告義務。第6条。児童虐待を受けた児童を発見したものは誰でも通告。福祉事務所や児童相談所に。受けたと思われる。事実が必ずしも明らかではない場合も主観的な判断で。通告を受けたものは情報を漏らしてはいけない。児童虐待の早期発見と防止が目的。虐待を疑われた心の傷。社会福祉士として虐待防止センターで働く。実際に防止に携わる人も疑いの当事者に。公務員や医師弁護士やカウンセラーなども報告義務が守秘義務に優先する。クライアントとの信頼関係を元に関わるものは戸惑う。秘密が守られると言ってもクライアントに知られるとそれ自身が苦しめる。法が要請しているからと言って、機械的に通告をすればよいわけではない。守秘義務を前提にした関係。臨床的展開に配慮を。法と臨床の。安全確認。48時間以内に児童の安全確認を。心身の状況や保護者の様子などを。児童虐待の恐れがあるときは立ち入り調査が出来る。関係者に危害を加える可能性があれば警察に。裁判所の同意で。一時保護。一時的に保護者から離して。意思に反しても。一時保護所等に。2ヶ月以内。児童福祉施設に入居。親権者が同意しない場合は家庭裁判所の承認が必要。再統合などの支援を。2年を経ても。19年6月に児童福祉法などが改定。しつけと称して体罰を加えることを禁止する。立ち入り調査や介入的対応をする職員と親の支援をする職員を分ける。医師などの。弁護士からの指導の体制も。
児童虐待に対する福祉的対応のスタンス。法の基準。この定義に該当するかどうかを児童相談所等が判断して法的介入が可能に。児童虐待を受けていると思われる児童を発見したら通告する義務。死亡事例は毎年50件前後に。心理的虐待は対応が遅れやすく症状や障害が重くなる。児童虐待を巡る対応。肝心の福祉的支援がおろそかになり後手に回る。日常的に接する民生委員などは加害者と被害者を発見するだけではなく援助すべき親子として関わる。法的観点による早期発見だけではなく子どもの発達の観点から。予防や教育的関わりを。児童相談員。保護者の行為を拙い行為として関与を積極的に行うことで虐待を未然に防ぐ。法的介入と福祉臨床的アプローチ。図。法が定義する虐待の周辺領域で援助をする。虐待と思われる行為を発見して危機介入が必要になれば法的介入を。児童虐待が疑われる保護者へのアプローチ。人格的な未熟さ。依存することを選択できない未熟さ。適切な方法で他者に援助を求めるのは大事な。歪んだ依存性を。親のストレスやフラストレーションを解消する。親が子どもに依存する歪んだ。他者に適切に援助を求められない。接近されるのに恐怖を。近寄られることを拒否して殻に閉じこもろうと。敬遠され孤立してしまう悪循環。虐待の事実や情報を見つけようとするだけの対応は反発や抵抗を強めることも。虐待傾向がある保護者にアプローチ。反抗のウラの切実な叫びを受け止めることが大事。加害者被害者保護されるべき家族の図。虐待する加害者としての親と被害児としての子どもという観点から、ケアされるべき家族という捉え方を。家族というククリで。両者の保護が必要。
高齢者虐待。高齢化の推移と将来推計。65歳以上の高齢者人口。15年で26.7パーセント。60年には2.5人に1人が65歳以上に。高齢化社会に置ける虐待の問題は認知度が低い。06年に施行された高齢者虐待防止法。養護者による。従事者による。ここでは養護者による高齢者虐待について。高齢者虐待防止法。正式には高齢者虐待の防止高齢者の養護者の支援に関する。養護者は高齢者が在宅している場合の生活をともにする者。虐待の行為。身体的虐待。身体に外傷が生じたりその恐れのある暴行を。介護世話の放棄放任。心理的虐待。暴言心理的外傷を与える。性的虐待。経済的虐待。高齢者の財産を不当に処分、不当に財産上の利益を得る。成年後見制度などで対応。判断能力の低下した人に対して代わりに財産の管理や契約行為をする。家庭裁判所に申し立てる。地域包括支援センターなどを中心に介護事業者など社会的ネットワークで。高齢者虐待の防止や養護者への支援。虐待されている本人の保護や支援だけではなく養護者の家族も同時に支援。養護者に対し負担を低減し緩和して家族関係の修復が。家族への臨床と法律的アプローチを。
高齢者虐待と介護問題。14年の養護者により虐待された高齢者の。75歳以上が45パーセント。被虐待高齢者からみた虐待者の事柄。およそ40%が息子。20%が夫。虐待の発生要因。介護疲れ介護ストレス経済的困窮など。統計データからすると女性が介護を要する状態になると疲れとストレスで虐待に至る傾向が。主に家族が介護を担ってきた。家制度では女性が。戦後も高度経済成長時代には性別役割分業において女性の役割として持ち越される。介護は家族。多くは女性が。共働きと家族生活の両立。病人や障害者など弱者を抱える家族機能の低下。介護を要すると不慣れな家事労働や排泄等の介助のストレスで虐待を。
高齢者の扶養と介護。民法では介助をする介護者を定めていない。親の扶養義務を定める。生活費を負担。直系血族。互いに扶養する義務を。それ以外の3親等内では家庭裁判所の決定が必要。夫の妻は扶養義務者ではない。誤解している人が多い。更に扶養義務者でも必ずしも扶養しなければならないわけではない。生活を犠牲にしないで余力はあれば。扶養の説明。パン。別居中の夫はパンを半分にしても分け与えなければ。生活保持の義務。離婚後の。親の扶養では余ったパンがあれば親に。生活扶助の義務。したがって親の介護について民法に従えば経済力があれば親の介護費用を負担して介護サービスなどを依頼。老いた親に冷たい?法の規定は個人が犠牲になることを防ぐ。織りなす絆で成り立っている家族は扶養や介護をするので抱える限界を超え家族自体が壊れる。虐待の防止は家族が担うことではない。介護を社会で支える趣旨で介護保険制度が。01年に成年後見制度が新しく。積極的に利用して地域社会との連携を。一人暮らしや老人ホームに入っている親も絆の中に住んでいる。家族との繋がりを援助。孤独や疎外感に陥らずに生活できる。一人を犠牲にするのは解決策ではない。家族の紛争に至る素地が。身体的ケアと共に心のケアが。

 

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