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健康科学第1回 #放送大学講義録

何事につけても「科学」することは大事なこと。

 

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-----講義録始め-----

 

健康科学とは

健康科学は、健康に関するさまざまな要因や概念を科学的に研究する分野です。「科学」とは、真理を追求し、未知のものを知りたいという欲求から、事実や法則を明らかにするための方法論や手法を用いて研究することを指します。

健康の定義

健康の定義は、広辞苑によれば「心身が健やかなこと」とされています。しかし、WHO憲章によると健康は「全てが満たされた状態」であり、単に病気や障害がない状態を指すのではなく、プラスの状態、つまり心身の健全さや老化の遅延、慢性疾患との付き合い方なども含まれるとされています。1998年の健康定義に関する提案では、健康は「動的な状態」であり、病気と健康は二律背反の関係ではなく、常に変化するものとされています。

日本WHO協会によれば、健康は人間の尊厳を確保するための基本的人権の一部であり、憲法13条や25条2項にもその重要性が記されています。健康は世界平和と安定の基礎であり、戦争を無くすための基盤とも言えます。健康には、物理的な健康だけでなく、心の健康や意思、願望も含まれ、悩みや不安なく生活することが求められます。

「科学」するとは

「科学」するとは、真理を追求するために、事例研究や実証性を持った研究を行い、その結果を論文としてまとめ、社会に還元することを指します。研究の過程では、背景や目的、研究方法、統計手法、実験結果などを明確にし、その結果をもとに考察やまとめを行います。

研究倫理と利益相反

研究を行う際には、研究倫理や利益相反に注意しなければなりません。特に、治験の被験者に対しては、インフォームドコンセントを取得する必要があります。ヘルシンキ宣言や倫理審査委員会は、研究の際の倫理的配慮を確保するためのものであり、研究計画書には倫理的な言明を含むことが求められます。また、産学連携活動においては、個人的な利益と研究の中立性との間でconflictが発生する可能性があり、そのためのCOIマネージメントや透明性の確保が重要となります。

健康に関する研究分野

健康に関する研究分野は広がりを見せており、ヘルスサイエンスやウェラブルデバイス、ビックデータ解析などの新しい技術や手法が取り入れられています。

以上、健康科学に関する概念やその関係性についての説明を行いました。健康は単に病気でない状態を指すのではなく、心身の健全さや社会的な側面も含めたものと考えられています。そして、その健康を追求するための科学的な研究が、健康科学として行われているのです。