社会という言葉は日常的に使用されているが概念内容が曖昧。どのレベルで話がされているかを把握することも必要。
井上洋士。健康とは何か。科目の狙いと構成。健康についての学問。生物医学が主流。疾病の理解。今後は健康への力を。いわゆる健康への科学。行動科学や社会科学がリンク。保健医療の専門家だけではなく賢いユーザ、社会人として。そうした健康や病気と社会との関わりを。社会人として積極的に対峙。様々な社会現象に。社会や環境を変えていくための視点、行動、スキルについて、自分自身の問題として。
今回は健康とは何か。定義は様々。歴史とともに捉え方が変わってきている。最近は一定の動向が。概略を紹介して健康と社会との関わりを。次回以降の学び方。
健康と聞いて思い浮かべるのは病気や疾患。広辞苑。生物の全身一部分に生理的な異常をきたし苦痛を。比喩的に悪い癖。日常的に思い起こすのは前者。人々は如何にして病気にならないようにするかを。医学の進歩が大きく貢献。環境衛生や栄養状態を向上させ平均寿命が伸びる。疾病構造の変化。慢性疾患の増加。抱えて頻繁に受診する人も多い。病や疾病を抱えている事をもって、全て不健康と言えるか。疾病がない状態を健康と言えるか。20世紀後半、健康は権利として捉える考え方が。25条で国民は健康で文化的生活を。48年に国連からの世界人権宣言。衣食住医療必要な社会的施設を含め健康と福利のために充分な生活環境を。失業疾病能力喪失老齢などの生活能力の喪失の場合に保障を。WHOが提唱し48年に世界保険憲章。達成可能な最上級の健康を楽しむこと。経済的社会的状況などに関わらず。66年に経済的社会的文化的権利に関する規約A規約。健康権について。12条。締約国は身体精神の健康を享受する権利を有する。権利の完全な実現を達成する措置。死産率幼児の死亡率を低下させるための。環境衛生の充実。疾病の予防治療。病気の場合に医療看護を確保。世界的に見ても健康で居ることは権利と。何を持って健康とするのか?古来から人々の関心に。しかしこれまで健康の捉え方について客観的で明確なものはない。曖昧のままに日常的に学術的に。例えば健康という言葉を耳にしてのイメージ。4つの事例。登場人物について健康かどうか。事例1。20才台の男性。癌になり限りがあることに意識する。将来について真剣に。退院したらデザイナーへの道を歩くために学校に。事例2。40歳代の男性。上司から嫌がらせを。暴言を吐かれたり。仕事には行きたくないが家族のことを考えると収入確保をせざるを得ない。収入も見込めるので続けて仕事に。事例3。30歳代の女性。起きられず起きても何も出来ず仕事にいけない。在宅してサイドビジネスに熱中。事例4。60歳代の女性。病院には殆ど行かない。健康診断で極めて血圧が高いと。自覚症状がなく友人が多く愉しいので通院していない。楽しく日々を。それぞれ健康の状態なのか健康ではないか。自身の生活を考えると考えあぐねることも。病気の反対が健康。異常がない状態を健康と。健康という言葉の日常生活での意味を。広辞苑。身体に悪いところがなく心身が健やかなこと。身体の状態。日本には江戸時代までに健康という言葉はなかった。健やかな、など。江戸時代後半に西洋医学が入りHealthの訳語としての、という説が。主観的なものから抜け出して医学的判定の元に。では保健医療の領域ではどのような定義が。WHOの世界保険憲章についての定義。単に疾患がないということではなく。身体的精神的社会的に完全に良好。身体的なものだけではなく。世界保険憲章が出されるまでの健康は身体的側面だけが。包括的に考えるアプローチは現在までモチーフとして。実はあくまでも極一部に過ぎないが、教科書にも。健康の定義においても批判が多いのは事実。近づきうるが決して到達しない。一瞬であっても存在しない。医学的なものを低める、理念的過ぎる。80年代以降は医療技術が進歩し慢性疾患も増加。生活の質に着眼すべき。如何に生活の質を向上させるか。健康の模索は意義を認めつつ更に発展させようとする方向性が。身体面を越えてより広く捉えようとするのは健康観の基礎に。精神的にも良好な状態で日々の生活を良好に。身体的精神的社会的という3つの健康領域については相互に関連していて独立していない。スピリティズムな側面も。生きていることに意味を。人生に方向づけを。支える役割。スピリチュアル。多側面から。ホリスティックヘルスモデル。全体論的。全人的。生活の質や人生の質。多側面から人の生存生活人生を。
人々と健康との関わり。近年の健康や保健医療に関する捉え方の変化。長らく健康の向上。個人の努力の強調。専門職の力が強調。最近では健康に対する人々の力を。いわば疾患疾病を専門家が治す流れからコミュニティ地域で連帯して。慢性疾患が多くなるにつれ重要。専門家はモニタリングやケアに重視を。協働で健康保持に向けて。人として存在を捉える。疾患疾病と病気病は区別。疾患疾病。医学的に決定。病気病。精神的社会的スピリチュアルなものも含め本人がどう受け止めているか。本人としては病気と感じていない場合も。健康状態についての専門職が判断する疾患だけでなく病の側面を重視。疾病モデル医学モデルから生活モデル社会モデルへの広がり。両者の対比。疾病モデル医学モデル。従来の西洋医学の展開の中で蓄積確立。マイナス面に着眼し取り除く低減することに関心を。生活モデル社会モデル。プラス面の維持や強化、部分に着眼するのと生命体や生活全体を見る。ホリスティックヘルスモデル。健康という言葉が西洋医学の到来による。健康の意味を見直し生活モデル社会モデルを、健康概念の展開。丈夫、健やかな、の意味を。
健康とはなにか。健康の定義にも社会的な。社会とは何か。様々に日常的に。多義的な概念。明確にするのは困難。日常用語として通常使われている意味。広辞苑。人間が集まって共同生活を営む。関係の総体が一つの輪郭に。諸集団の複合体。家族村落会社政党など。同類の仲間。世の中世間。利害関心により結びつく。社会学の事典。極めて多義的。3人集まれば社会が。微視的なものから全体社会までを指して。社会の本質を相互作用に?論者と認識課題で異なる。関係の成立が前提。制度が。文化法政治などに分化しながら相互に。相互作用過程は常に重要。相互作用を通して微妙に変化。社会は個人の集まりと。しかし全てではない。支持政党なしのグループなどは社会と言わない。個々の個人の関係行為が意識的か無意識的かに関わらず。社会は人集団組織機構全体社会の。相互作用や関係行為が。意識的か無意識的かどうか何らかの課題を。制度が。そうしたあらゆるレベルから。
健康と社会とはどのように関わるか。自己管理が出来ないから風邪を引いたなど個人に責任を。その事自体は誤りとは言えない。しかし個人の努力だけで上手く行かない場合も。社会や組織の中にも要因が。健康な社会づくりが求められる。健康への科学は単に保健医療の専門家の活動だけでなく行動科学や社会科学などをリンク。市民も賢いユーザや社会人として。健康や病気と社会の関わりについて。1社会人として力を育む。社会状況について。健康的に変えていくための指針について。自分自身の問題として。医療の質、医療倫理。医療システムなど医療にとどまらない。患者の視点。医療消費者、患者の権利。ワーク・ライフ・バランス、健康格差まで幅広く。統一性のない?根底に流れる考えには社会との関わりの中で健康な社会づくりを。健康への力を培う。同じ医療問題を扱うのでも立場により異なる。ゲストスピーカーを招いて話を伺う。第一線で。貴重な話に耳を。基礎科目として。看護師やコメディカルが学ぶことも想定して考えている。これからの学びが某かの役に立てれば。