F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

思春期と青年期の特徴と人間関係 - 生徒指導と教育相談第3回(その1) 思春期 #放送大学講義録

自分の思春期はどうだったのだろう。身体的な変化に驚いたことはあったけれど。

 

------講義録始め-----

 

「生徒指導と教育相談]第3回では、思春期の人間関係についてお話しします。まず初めに、思春期の位置づけについて取り上げます。思春期の最も大きな特徴は、子供と大人の境界線上にある過渡期と言えます。似た概念に青年期という用語もあります。思春期と青年期は時期的には重なっていますが、微妙に使い分けられます。

まず、思春期は体の変化や生物学的な変化に注目した区切り方です。第2次成長の訪れなど、子供の体から大人の体への変化を指し、年齢的には小学校高学年から中学、高校生くらいまでを含みます。

一方、青年期は心理的、社会的な変化に焦点を当てた区切り方です。体だけでなく心理的にも変化が起こり、最終的には大人として成長していく過程を指します。青年期は中学生くらいから始まり、30歳くらいまでを含みます。思春期と青年期は重なり合いながら、子供から大人への移行の時期と言えます。

この思春期の特徴について見ていきましょう。まず、体の変化に注目します。思春期の始まりは第2次成長とされ、思春期と体の関係は密接です。第2次成長の受け取り方は子供によって異なり、個人差が大きいとされています。大人になることを当然と受け止める子供もいますが、一方で以前馴染んでいた子供の体から未知の大人の世界に足を踏み入れる不安を感じる子供もいます。これらの身体的変化はほとんどの子供たちが経験しますが、一部の子供たちは変化に違和感や困惑を感じることがあります。これにはいくつかの理由が挙げられます。まず、変化が突然訪れることがあり、また大人への変化が自分の意思や力でコントロールできないこともあります。

さらに、体の変化による周りの子供たちとの差も悩みの要因となります。例えば、自分だけが大人になってしまった、あるいは自分だけがまだ子供のままであるといった状況に対する個人差に悩む子供たちも多いです。また、生理痛がひどい女子や声変わりが恥ずかしい男子など、変化そのものから生じる悩みも存在します。思春期の子供たちにとって、体の変化は大きな不安や悩みの要因となり得るものです。

 

もう1つの思春期の特徴は意識面の変化です。思春期や青年期は自己意識の目覚めや第2の自己の誕生とも言われます。この時期になると、自分に対する意識が高まり、客観的に自分を見つめたり、自分を振り返ったりする能力が向上します。同時に、「自分は一体何者なのか」といった実存的な問いに向き合うことも始まります。思春期では自己意識とともに他者への意識も高まります。親や先生、友達などが自分をどう見ているか、周囲の評価や感情を推測する力が増します。この結果、自己評価に影響を及ぼすようになり、他人の目を気にすることが増えます。他人と比較する中で、自己評価が下がり自己嫌悪に陥る子供たちも現れます。また、他人の目は実際のものとは異なることもあります。自己評価が低い時には他人の目が厳しく感じられることもあります。

以上から、思春期は体内外の変化による悩みが存在し、心身が揺れ動く時期と言えるでしょう。