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高校生のスマホ依存と教育の未来 生徒指導と教育相談第7回(その4) #放送大学講義録

統計の結果に唖然となる。

 

------講義録始め------

 

次に、ネット社会における考える力と生徒指導の課題について考察します。この課題はカリキュラムの視点と深く関わっています。2010年に示された文部科学省の生徒指導要領は、2017年に告示された新しい学習指導要領の改訂を反映していないものの、基本的な点は継承されています。しかし、内容の一部には更新が必要だと考えられます。

特に、過去10年でデジタルデバイスの進化と普及が著しいです。SNSも子供たちの生活に深く浸透しています。ネット依存の問題も増えてきており、2020年3月に出された内閣府の調査によると、高校生の98.6%がスマートフォンを所持し、その利用内容は主にコミュニケーション、動画視聴、音楽視聴などで、勉強用途は53.6%に留まります。

また、高校生は1日平均約248分、つまり4時間8分をインターネット利用に費やしています。この中で5時間以上利用する生徒も31.5%となっています。それに対し、学習用途の時間は33分に過ぎません。

この調査からも、家庭教育の課題や限界、学校でのインターネット教育の重要性が浮き彫りになっています。文部科学省からも、情報モラルや安全なインターネット利用に関する教材や指導の手引きが提供されています。

デジタル社会の進展とともに教育のニーズは増しており、教員の働き方改革の中で新しい教育指導内容の追加は困難です。校内での携帯電話の持ち込みを制限する声もある一方で、動画教材の利用などを通じて、生徒と保護者への啓発を進めることが求められています。インターネットの利用は今後も避けられないため、教育の方針とカリキュラムの改善が不可欠です。