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ネット時代の生徒指導、進化中💡 生徒指導と教育相談第7回(その5) #放送大学講義録

学校外のプログラムを受講させるのも一つの在り方かもしれない。

 

------講義録始め------

 

ネット社会を生き抜くための知識基盤は、自分の頭で考える力が必要とされています。これまで多くの有識者から、ネット上に存在する様々なリスクについての警戒が指摘されてきました。これらのリスクは子供だけでなく大人も巻き込む可能性があるため、罠や闇を乗り越え、騙されないようにする教育が求められます。この教育は、生徒指導の領域で重要な役割を果たしています。

過去の生徒指導は、失敗を経験した後の学びが中心でしたが、ネット社会における安全な思考と判断力を身につけるには、事前の訓練も必要とされています。例として、海外ではメディアリテラシーを高めるための短期集中型の教育プログラムが開発されていることが知られており、特にアメリカでは夏休み期間中に多くのこうしたプログラムが民間から提供されているとのことです。

日本でも、集団指導を中心とした新しい取り組みが進められており、八波利光先生はそれを「ガイダンスカリキュラム」と称しています。このガイダンスカリキュラムを教育の中心に位置づけ、生徒指導の教育課程を形成する提案が進められています。これを実際のプログラムとして整備することで、生徒指導の新しい学びの方向性が示されるでしょう。

教師は、生徒の間に潜む教育的ニーズを見つけ出し、それを満たす役割を持っています。生徒指導の目標として常に挙げられる「基本的生活習慣の確立」は、具体的な教育計画がしっかりと定められていないことが多く、その結果、外部からの指導やアドバイスが主流となっていました。しかし、真の学びとは自立した生活を築くことから始まります。様々な団体や企業から提供される生活習慣の向上プログラムを学校や保護者活動と連携して導入する動きもあります。

ネット社会での考える力の育成にも、学校外のプログラムを活用することが有効であると認識されています。カリキュラムマネージメントの観点からも、学校内外のリソースをうまく利用することが推奨されています。さらに、生徒指導や特別支援教育を強化するため、学校や教員は心理や福祉の専門家との連携を重視し、そのための体制整備が進められています。

ただし、有料の教育プログラムの導入には、費用負担や条件の整備が必要です。アメリカの事例を見ると、その費用は主に保護者の負担となっているようですが、公的補助が得られない場合、生涯学習の一環として地域住民や保護者の参加を得る試みも進行中です。また、無償でのプログラム提供も考えられますが、それでも実際の運営には費用が発生することがあります。米国の学校における教育委員会の取り組みを参考に、日本でも地域を基盤とした教育プログラムが広がることが期待されています。