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計算物理学:次世代科学のフロンティア(知財制度論第3回その15) #放送大学講義録

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近年、コンピュータによる数値シミュレーションが著しく発展し、それを取り入れた計算物理学や計算科学といった学問領域が注目を集めています。この分野は科学技術を内部から脱構築しています。
これらの学問領域は、コンピュータのデジタル技術の開発と普及によって可能となりました。
物理学を例にとると、理論物理学と実験物理学との関係に対して、数値実験である計算物理学が存在します。特許法と実用新案法でいう自然法則の伝統的な解釈は、この理論物理と実験物理との相関関係を通じて理解されます。計算物理は、思考実験を延長する機能を有する位置付けとなります。
一般相対論と量子論を統一する量子重力理論という物理学の先端領域では、実験や観測は有効とはみなされていません。代わりに、バーチャルリアルティによる思考の延長が意味を持つとされています。
「ハイパーリアル」も、このような考え方と同様な概念と言えます。
現在、コンピュータとその関連技術が進展していることから、計算物理も加えた総合的な理解が求められます。