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スマホ&ネットが激化させる現代いじめ(司法・犯罪心理学第4回その3)#放送大学講義録

ネットで人間関係から逃げられなくなったようには感じる。

 

------講義録始め-------

 

2000年(平成12年)以降の携帯ネット、スマホの普及は、他者と直接向き合って体感できる人の温もりや息遣い、感情という生身の人間関係を失わせ、いじめが大きく変質しました。
ネットを媒体にしたいじめは、相手と向き合わず、匿名のまま相手を攻撃することを可能にしました。
誰もがいじめの加害者、被害者になるという現代型いじめに移行したのです。
ネットやスマホによるいじめは、被害者の痛みが伝わりません。
表面化しにくいので、初期対応も困難になります。
さらに、いじめ攻撃における事実と他者へのコントロールが利かず、エスカレートします。
その結果、いじめによる自殺や他殺にも繋がりかねません。
そのような現代型いじめを反映して、文部科学省は2007年(平成19年)にいじめの定義をさらに変更して、いじめか否かを判断する際の「継続的に」と「深刻な」という要件を取り消して、いじめを広く捉えるようにしたのです。
そして、2011年(平成23年)の大津いじめ自殺事件などがきっかけとなり、2013年(平成25年)にいじめに関する初めての法律であるいじめ防止対策推進法が制定されたのです。