昼寝するにも長いのはいけないと知る。
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睡眠時間が短いと健康を害することは多くの研究で証明されています。浅い睡眠である睡眠段階2でも、しっかりと取る必要があるのです。一方で、一晩の間に現れるデルタ波睡眠(深い睡眠)の長さは、起きている時間の長さと関係があることもわかっています。印刷教材の図4の5をご覧ください。この図は、朝起きてからその後眠るまでの時間(覚醒時間)と、一晩の睡眠中に現れるデルタ波睡眠の長さを示しています。起きている時間が長ければ長いほど、デルタ波睡眠が長く続く傾向があります。
図4の4を再度見てください。ここに示されたデータは、1日に7時間睡眠を取る人たちのものです。これらの人たちは、眠るまでの時間が17時間ということになります。もし彼らが一晩徹夜して、普段の起床時刻に就寝した場合、24時間起き続けたことになります。そうすると、睡眠の初期のデルタ波睡眠(深い睡眠)が早く始まり、長く続く傾向があります。このように、起きている時間が長いほど、睡眠の前半にデルタ波睡眠が長く現れるようになります。逆に、起きてから眠るまでの時間が短い場合、デルタ波睡眠が短くなります。
この現象は、昼寝を取った際にも体験できます。2時間程度の昼寝をすると、昼寝中にデルタ波睡眠が現れますが、これは本来夜間の睡眠中に取るべき睡眠です。昼寝をすると、夜に睡眠を取るまでの時間が短くなり、夜のデルタ波睡眠が短くなることがあります。その結果、昼寝をすると夜眠れなくなることがあります。ですから、長い昼寝は避けるべきです。また、アルコールの摂取も夜の睡眠に悪影響を及ぼすことがありますので、注意が必要です。