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DV影響下の子供が「アクティングアウト」行動を示す。児童相談所や児童発達心理学から理解を深め、親子で再構築へ。(家族問題と家族支援第10回)♯放送大学講義録

「アクティングアウト」は一般に知られているとは言い難い。

 

------講義録始め------

 

元夫の暴力は、ユウさんだけでなく、共に暮らしていた子供にも深刻な影響を与えました。子供は幼稚園時代から月に一度は熱を出し、自家中毒と診断されるほどの身体的反応を示していました。しかし、実家に戻った後、子供は物理的な症状から心理的な反応へと変化し、大声で叫んだり暴れ回るようになりました。この行動は近隣からも指摘されるほどで、ユウさんは子供の行動の理由を理解できずに苦悩しました。

児童相談所や心療内科を通じても、子供の行動の背景にあるDVの影響についての理解を得ることはできませんでした。子供の行動は「個性」として片付けられ、親子関係や育て方に問題があるとされましたが、ユウさんは自分が特別変わった育て方をしたわけではないと感じていました。

ユウさんがインターネットのDV被害者掲示板を通じて、同じような経験を持つ子供たちの存在を知り、子供の行動がDVの影響である可能性を考え始めました。最終的に児童発達心理学の専門家から、子供が安心と安全を感じるために人格を再構築している過程である「アクティングアウト」という行動であることを教えてもらいました。この知識を得たことで、ユウさんは子供の行動を理解し、親としての対応を考えるきっかけを得ました。しかし、この理解を得るまでには時間がかかり、その間に家族は大きな苦痛を経験しました。