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自閉症スペクトラム障害支援では早期介入、学習能力向上、2次的問題予防が鍵。適応スキル習得と精神障害対策も重要。(障害者・障害児心理学第12回)

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最後に、自閉症スペクトラム障害の支援をする上で心に留めておくべきことを話します。自閉症スペクトラム障害は、早期からの介入がとても重要です。学習することができる、または得意な自閉症スペクトラム障害者は、障害により困難の生じる場面を、その学習したスキルを使い乗り越えていきます。

そのため、教えられる能力、つまり学ぶ能力を向上させていくことが鍵となります。そして、学ぶ内容は、自閉症の重症度、存在する障害、特に知的障害の有無、環境、年齢により変えていかなければならず、また変わっていかなければなりません。

自閉症スペクトラム障害者は2次的問題を持ちやすいということも心に留めておく必要があります。自閉症スペクトラム障害の2次的問題とは、例えば、対人関係がうまくいかず、いじめの被害を受けたり、不登校や社会的ひきこもりになったり、保護者や周囲の期待に応えられず怒られ続けたりして、うつや不安障害などの精神障害を発症するというようなことです。年齢を重ねながら自己理解を深め、同時にその時に生活している環境の中で必要な適応スキルを学び、それらを使いながら生活を行う中で、自分が成長していると感じ、生活していくことがとても重要です。