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労働契約の基本原理、権利義務、懲戒処分、業務命令の権限について学ぶ。労働者と使用者の関係性と契約上の義務を解説。(雇用社会と法第4回)#放送大学講義録

基本原則は学んでおかなければ。

 

------講義録始め-------

 

雇用契約とは、第4回のテーマは労働契約の基本原理です。働く際には、労働契約を締結して働くことになります。労働者は労働契約に基づき労働し、使用者に労務を提供します。これに対して使用者は賃金を払います。では、労働契約を締結した契約当事者はいかなる権利義務を負うのでしょうか。第4回は「労働契約の基本原理」と題して、労働契約が成立する基本的なルールを学んでいきたいと思います。

 

今回学んでいきたいのは、次の3点になります。第1は、労働契約の基本原則についてです。労働契約法には、労働契約の基本原則が条文化されています。最初に労働契約の基本原則について抑えたいと思います。第2は、労働契約上の権利義務についてです。労働契約を締結することにより、労働者は使用者の指揮命令下で働くことを求められます。ここでは、労働契約上の権利義務について検討していくことにします。第3は、懲戒処分についてです。指揮命令下に基づいて労働者は働くということになりますが、労働関係においては、使用者が懲戒処分、すなわち労働者に対して罰を与えることも許されることになっています。使用者が懲戒処分を行う権限を有するのはなぜなのでしょうか。懲戒処分の有効性の判断方法を含め、ここで見ていくことにします。

 

第4回で皆さんに考えてほしいポイントは、労働契約上の権利義務を取り扱う上で、服装や髪型などを制約する業務命令についてです。使用者は労働者に対して業務命令を出す権限を有しますが、髪型や髭などの労働者の外見に関わる事項についても業務命令で制約することはできるのでしょうか。この事例を検討することで、使用者の業務命令権の在り方について、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。