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ライフリンクと自殺対策の5つの柱(市民自治の知識と実践第7回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

清水康之氏とのインタビュー:自殺対策支援センター ライフリンクの活動

今回は、自殺対策支援センター「ライフリンク」の代表である清水康之さんにお話を伺います。清水さん、どうぞよろしくお願いいたします。


清水康之氏の自己紹介

清水康之さんは、元NHK報道ディレクターとして活動し、2001年に『クローズアップ現代』で親を自殺で亡くした子どもたちを取材。その取材を通じて自殺問題の深刻さと対策の欠如を実感し、2004年にNHKを退職後、「ライフリンク」を設立しました。それ以来、代表として自殺対策の推進に取り組んでいます。


ライフリンクの活動概要

清水さんによると、ライフリンクは「誰も自殺に追い込まれることのない、生き心地の良い社会」の実現を目指し、以下の5つの柱に基づいて活動しています。

  1. 自殺対策の基盤作り
    自殺対策基本法や自殺総合対策大綱の策定に携わり、国会議員や官僚と協力して社会全体の枠組みを構築しています。

  2. 自殺の実態解明
    自殺問題の実態を把握し、効果的な対策のためのエビデンスを収集・作成しています。これにより、社会的な枠組みの中で効率的な政策を実現します。

  3. 自殺対策のモデル作り
    地域ごとの実態に基づいた具体的な対策モデルを開発しています。東京都足立区や江戸川区、長野県などと連携し、地域モデルを構築し、他の地域でも活用できる基盤を作っています。

  4. 行政の監視
    自殺対策基本法に基づき、国や地方自治体がその責務を果たしているかを民間の視点から監視しています。これは、現場での活動経験を活かした重要な役割です。

  5. 社会啓発活動
    実務と啓発を両輪で進めることを重視し、自殺対策や「生きる支援」の重要性を社会全体に広めています。これにより、自殺問題の認識向上を図っています。


目指す社会

ライフリンクは、5つの柱を通じて「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現を目指しています。清水さんは、「1人ひとりが自分らしく生きる意味を感じられる社会」を実現するために、社会全体で自殺対策を自立的かつ安定的に推進していくことの重要性を強調しました。