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複合的な問題への実践① 自殺問題とソーシャルワーク(社会福祉実践の理論と実際第14回)

自死に限らず、悲嘆を受け止めていくのは大変な作業だけど、逃げてはならないと思う。

 

ソーシャルワークが一般的な社会福祉六法が対象とするものだけでなく、複合的な問題も。自殺問題。自死。3つの自殺予防対策。事前予防。介入。事後対応。
自殺と社会福祉の関係。現代社会では複雑で複合的な問題を扱う必要がある。社会の複雑化。固定化された対象だけではなく。HIV。セクシャルマイノリティ。戦後の混乱を受けて。時代順に法令化。第一線にいるソーシャルワーカーには、新たな問題に対応出来るように。発見者の立場で。児童虐待は貧困と結びつく。高齢者問題は介護を担う女性の問題でも。背後にある問題を解決しなければならない。ここでは自殺問題を。個人的問題ではない。貧困、失業、孤立の社会的問題。用語について。14年に自死対策総合計画。遺族にとって直接的すぎる?敢えて「自殺」と。表現を巡る議論は尽くされていない。「自死」の内容は定着していない。本人の意志で、という含みがある。社会問題としての自殺、追い詰められた挙げ句の死、であることが表現できない。自死と言う場合、自分の選択で死ぬのを何故予防するのか、という矛盾が。「自殺」という言葉の抑止力。「自死」という言葉は、過酷な現場をオブラートで包んでいる。
社会問題としての自殺。年3万人前後の自殺者。マツダスタジアムの満員の数。大勢の国民が命を断っている。自殺対策基本法。自殺総合対策大綱。社会的問題とWHOが定義。倒産失業などの経済問題などで追い詰められた死。未だに自殺問題を狭い意味での福祉対策の例外としてしか扱ってこなかった。大綱そのものへの批判。包括的な社会的ケア。自殺の現状。自殺対策白書。依然世界的にも高い自殺率。高止まり。OECD加盟国の中でも自殺率が高い。切腹心中の文化。忌避する倫理観がない。自殺に寛容な社会。価値観を判断するべきではない?失業問題、経済不況と関連。バブルが弾けて98年以降に急増。働き盛りの男性が急増。現況を冷静に分析する必要。若年層の自殺が増加している。厳しい雇用情勢の影響。社会的排除、マイノリティの観点からも。性的マイノリティ。学校の問題。ソーシャルワークの関連からも充分な考察が必要。
自殺予防における社会福祉の役割。枠組とアプローチ。3段階。事前対応。介入。事後対応。事前に自殺に繋がる要因を取り除く。自殺予防教育や啓発活動。自殺の起こる状況に直接介入して食い止める。差し迫った危険に介入。手首を切る。薬物の多量服用。いのちの電話などの危機対応。起きてしまってから。残された遺族とのグリーフワーク。PTSDなどの精神的医療が必要。長期的な遺族へのケア。生活支援。主に行われているのは介入だけ。他は少ない。個人の問題として位置づけられ、医療の問題として。自殺原因は複合的。医療モデルへの傾斜を超えて、福祉モデルが求められている。包括的社会的視座で。ケアにアクセントを。社会モデル。予防的な社会政策的なものでなく、ソーシャルワークに踏み込む。貧困対策、雇用対策などの社会政策。地域とのネットワークを構築。持続的なケアを。グリーフケアを含め遺族への生活支援も。個人主義的な対策から、公共的色彩の強い対策へ。マクロ的な制度政策が。失業、貧困対策。孤独死などの無縁社会に対する対策。直結させる視点を。実践の中ではマクロとミクロが循環している。
ミクロ面のソーシャルワーク。遺族への生活支援とグリーフワーク。生活における経済的支援や福祉サービスなどの支援。専門性の発揮を。専門職団体の充分な支援体制には至っていない。鉄道会社からの賠償金の問題。司法への支援を。自殺に起因する家族のPTSDなどの病理的な問題。生活支援を包含するようなケア役割が求められている。長期的に生活を支援する役割を日々担っている。自死遺族。隠さざるを得ない人も多い。自殺現場を見たことを隠さなければならない。抑圧しなければならないのは強烈な苦痛に。悲しみを口に出せない。マクベス。衝撃的な出来事を真摯に受け入れられるように。長期的な支援が。悲嘆をどう表出させるのかが課題。抑圧させることなく、物語を語り直す。リメンバリング。再びメンバーに加わる。悲しみそのものに抑圧的なあまり、グリーフワークに至らないことがある。祈念して新しい物語を形成する。悲しみの抑圧からの解放。ナラティブモデル。セルフヘルプグループ。専門的支援としてのソーシャルワーク。ナラティブ・アプローチ。意味再構成モデル。螺旋的な構造。感情表出。意味再構成。意味の社会化。感情表出。悲嘆を持つ人の苦しみ。一端が分かち合われる時、苦しみの性質が異なってくる。カタルシス効果ではなく、表現された悲嘆は外在化客体化されたものに変容する。レクイエム。悲しみの表出。聞き手の存在が大きい。苦しみを表出できない。語りを待つ人の存在が決定的に大きい。悲しむ人の身近にいるソーシャルワーカーの役割は大きい。意味の創造、再構成。道筋が用意された模範解答はない。語り手自身が取捨選択して話している内に、偶然のように意味が生じる。語り手の中で再構成される。傾聴者としてのソーシャルワーカー。悲嘆プロセス説を拒否。固定的段階説でなく。一人ひとりの物語。語り手の意味の創造主に。再解釈。物語を紡ぎ直す。場合によっては第三者が支援を。物語の語り直して納得できる物語を見出す。アイデンティティの変化を。意味の社会化。遺族個人に焦点を当ててきたが。外の世界の中で。悲嘆の感情表出から始まり、より広い世界へと連なる物語のコミュニティへと。社会福祉で重要。個人主義的色彩から転換。
悲嘆を捉えようとする場合。個人の内面化に留めない。遺族の体験は個人の心の中に留まってはならない。社会相互に響いて共感され、社会全体の物語として発展されなければ。生活支援全般を担うのがソーシャルワーク。

 

社会福祉実践の理論と実際 (放送大学教材)

社会福祉実践の理論と実際 (放送大学教材)