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ライフリンクとNPO法人運営の課題(市民自治の知識と実践第7回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

NPO法人の設立背景と活動の課題:ライフリンク 清水康之氏インタビュー

清水康之さんに、自殺対策支援センター「ライフリンク」をNPO法人として立ち上げた経緯とその運営における課題についてお話を伺いました。


NPO法人設立の経緯

清水さんがNHKを退職後、自殺対策に取り組むためには個人ではなく、仲間とチームを組む必要性を感じていました。その際、非営利かつ公共性の高い事業を行うNPO法人の制度が適していると判断し、法人化を選択しました。

  • 選択の理由
    1. 公共性の高い活動に合致する仕組み。
    2. 行政との連携を円滑に進めるため。
    3. 民間企業から資金を得やすい信頼性を確保。

清水さんは、「任意団体では得られないメリットがNPO法人にはあった」と述べています。


NPO法人運営の課題

運営上の課題として、以下の点が挙げられました。

  1. 誤解されやすい支援のあり方
    「NPO法人を設立すれば自動的に補助金や寄付が得られる」という誤解があるものの、実際にはそうではありません。

  2. 資金調達の困難さ
    ライフリンクのように当事者から直接収益を得ない活動では、資金調達が大きな課題です。清水さんは「資金集めに多くの時間を割かれることが本来の活動を阻害する」と述べています。

  3. 認定NPO法人制度の手続きの煩雑さ
    認定NPO法人になると税制優遇を受けられ、寄付が集まりやすくなる利点があるものの、申請書類の量や手続きの煩雑さが負担となっています。


公共的活動と資金調達のバランス

清水さんは、「NPO法人としての活動の目的は公共性の高い自殺対策の推進であり、資金集めが主目的ではない」と強調しました。そのため、必要最低限の資金調達に努めつつ、本来の活動に注力することを心掛けています。


清水さんのインタビューから、NPO法人が直面する運営上の課題と、資金調達と活動目的とのバランスの難しさが明らかになりました。公共性の高い活動を支えるNPO法人の運営には、多方面の課題解決が求められます。