ーーーー講義録始めーーーー
いのちささえる自殺対策推進センターとライフリンクの役割分担
今回は、清水康之さんが新たに立ち上げた厚生労働大臣指定法人「いのちささえる自殺対策推進センター」について、その役割や背景、ライフリンクとの役割分担についてお話を伺いました。
いのちささえる自殺対策推進センターの概要
清水さんが設立に関わった「いのちささえる自殺対策推進センター」は、自殺対策の総合的かつ効果的な実施を目指し、調査研究やその成果の活用を推進するため、厚生労働大臣の指定を受けて設置された公的機関です。このセンターは、「自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成果の活用等の推進に関する法律」(2016年成立)に基づいて設立されました。
設立の背景
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自殺対策基本法の改正
自殺対策基本法(2006年施行)が2016年に大きく改正され、全ての都道府県および市町村に自殺対策計画の策定が義務付けられました。全国1704自治体が計画を作成し、それに基づいて行動することが求められました。 -
自治体支援の必要性
自殺対策への取り組みには、自治体ごとの差があるため、各自治体をしっかりと支援する公的機関の設立が必要と考えられました。従来はライフリンクが自治体の支援や研修を行っていましたが、全国規模で行うには限界があり、公的な仕組みの整備が求められました。
センター設立の経緯と役割
清水さんは、自殺対策の議員連盟や関係者との議論を経て、自治体を公的に支援する組織が必要であると提案。その結果、2016年に法整備が進み、センターが設立されました。現在、清水さんはセンターが軌道に乗るまでの中心的役割を担い、以下の活動を行っています:
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自治体支援
都道府県や市町村が自殺対策計画を策定・実行する際の支援。 -
調査研究と成果の活用
自殺対策に関する調査研究を行い、その成果を自治体に提供。 -
公的な安定性の確保
国からの交付金を活用し、安定した事業運営を実現。
ライフリンクとの役割分担
清水さんは、NPO法人ライフリンクとセンターの役割分担について次のように述べています:
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ライフリンク
民間団体としてのフットワークの軽さを活かし、啓発活動や国会への働きかけなど、迅速で柔軟な活動を展開。 -
いのちささえる自殺対策推進センター
公的機関として、安定した財源を背景に全国の自治体を支援し、自殺対策を制度的に推進。
公共的課題への取り組みの進化
清水さんの活動は、NPO法人ライフリンクによる自殺対策の啓発や政策提案から始まり、公的機関を通じた自治体支援へと発展しました。このような多様な取り組みによって、自殺対策の包括的な推進が図られています。