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教育行財政における国と自治体の関係(教育行政と学校経営第3回)

複雑な制度設計になっていると思えるが歴史的経緯を踏まえて論じないといけないと思う。

 

村上佑介。教育行財政における国と自治体との関係。教育行財政における役割分担は複雑で重層的。円滑な実施に重要な要素。関係が具体的にどうなっているか。関係ではどのような特徴や課題があるか。
第二次大戦後の日本では自治体だが戦前は国が。ただ知事と言っても現在のように選挙ではなく多くは内務省の官僚で国の任命、官僚的な教育からの反省から地方分権が。自治体のしごとに。しかし自治体だけで完結はしない。教育の機会均等の観点から同じ教育が。国の関わりも必要。現在の市町村、都道府県、国の基本的な役割。市町村は小中学校の設置や教員。社会教育も。公立の小中学校は市町村に設置義務が。設置管理や施設整備は市町村。都道府県は重要な権限。権利負担教職員制度。広域的な仕事も。高等学校や特別支援学校の管理。特別支援学校については都道府県に設置義務が。公立の高等学校は多くが都道府県立。教職員の給与負担は都道府県が。合わせて小規模自治体への支援も。国は直接管理する学校は少ないが、自治体管理の学校につき一定の質の教育を保証するために基準などが。学習指導要領や学校設置基準。学校の運営に必要な費用の負担や補助。国立大学の運営費の負担。役割分担については実際には複雑に。高等学校の設置。それぞれ行っている。カリキュラム、教育課程は各学校が編成。学習指導要領が最低基準として。自治体は各学校に指導助言。それぞれ関連する権限を。
教育行政における国と自治体の関係の特徴。教育行政に限らず行政学や地方自治論で関係についての議論。中央集権的なものか自治体が一定の自律性を持っているか。行政学では補助金などで垂直的行政統制モデル。地方の政治家の影響を。水平的整備競争モデル。自律性を重視する立場は国と自治体は相互依存の関係と。教育行政では文部科学省の影響を重視することが多い。縦割り的な上意下達の教育行政のイメージが。90年代後半頃から自治体の自律性を重視する見解も。論争的である。行政学や地方自治論では融合と分離の軸も。融合分離とは行政史の研究で。分離とは区域内のことであっても中央政府が独自で分担。国が自ら出先機関を設けて。税務署や社会保険事務所。融合。地方団体が固有の行政機能と合わせて分担。旅券の交付。日本国民の証明だが外務省が出先機関を設けるのは非効率。都道府県が法定受託事務として担当。教育行政では国の出先機関は無いので融合。他の行政に比べて特殊?日本行政は出先機関での処理もあるが多くは都道府県や市町村が国の事務を一定程度処理。英米では国と地方自治体を分ける分離型が主流。融合型は自治体の役割が明確でなく、責任の所在が不明確になる。一方で新しい行政サービスを自治体がいち早く取り入れやすい。分離型では自治体が先取りできないが。融合型は住民のニーズの政策化が可能。70年代に各種の福祉政策を。国が後追い。融合型は重複が起こることがある、一方で重複は災害時のバックアップに。分離融合という用語については区域内の事務で出先機関か自治体か。重複していなければ分離などと捉えることも。融合的。踏まえた上で国と自治体の関係の特徴。国都道府県市町村の関係が重層的。地域に根ざした教育や教育の機会均等。負担金などの財源の保障や基準の設定。国全体としてのナショナルスタンダードを。自律的な裁量を。矛盾した要請を同時に満たすように。ナショナルスタンダードと自治体の裁量。ローカルオプティマム。教育や福祉の分野は対人サービスが主。現場を多く抱えるので近い市町村が決めるのが望ましい。しかし財源の確保は難しい。国や都道府県の負担や補助が必要なのも1つの要因。教育行政は国が自治体に、都道府県が市町村に指導助言。国が自治体に技術的な助言や勧告が。一般ルール。教育行政では地方教育行政法。個別法で指導や助言が出来るという特例的な規定が。是正要求や是正指示ではない非権力的な。指導行政、指導助言行政が特徴であるとも。指導行政は国による関与が実質的に強くなり指示待ちに。教育行政は文部科学省や教育委員会などの縦割りで上意下達。07年度からの全国学力テストで国の影響力が強まっている。縦割り集権的な、首長から一定程度独立した教育委員会制度で民主的統制が弱くなり縦割りの要素が。指導助言規定のような特例的な規定で縦割り集権的な実態を生み出す。他の分野に比較して実態として強いという証拠はない。融合の場合は自治体の仕事に国が関与するので集権的とも。画一的な実態が。横並び。集権的であることの証明?実際には相互参照していて国が押し付けたわけではない?縦割り集権性があるかどうかは実証研究が必要。教育委員会と学校。幅広い権限。服務や財産の管理など。校長にも一定の権限が。卒業認定などは校長が決定。各教育委員会では組織編成や教育課程など教育機関の基本的事項について学校管理規則を。
国都道府県市町村の教育委員会の独自の制度。県費負担教職員制度。市町村立の小中学校の給与の負担。大半は市町村立。市町村の職員。原則からは市町村が負担。一般の行政職公務員と異なり都道府県が負担。その3分の1については国庫負担金として。実質的には都道府県が3分の2。市町村は負担していない。地方公務員の4分の1以上の約70万人の給与は負担が大きい。教職員の確保や教育の維持向上を図るために。広域人事の必要性。市町村を越えて人事交流を図る。島しょ部や僻地を抱える都道府県ではある程度の教育の質を保つことが必要。近年は平成の市町村合併で市町村内の異動がやりやすくなる。つまり同一市町村内の異動は市町村の教育委員会の意向が反映されやすい。政令指定都市は政令市が。16年まで人事権は政令市にあったが給与負担が都道府県。16年からは政令市が負担。将来的には都道府県や政令市に差が生じないかの問題。研修については中核市が。しかし人事異動で他の市町村に異動する可能性がある。特殊な仕組みだが公立小中学校において給与の安定的確保や広域的人事で質をある程度一定にする役割を。是非について議論があるのも事実。市町村は設置者にも関わらず人事権がないので特色ある学校づくりの障害にも。人事権の移譲を。町村などの小規模自治体では確保が難しくなる。教育水準の維持の問題。県費負担教職員制度は56年に導入された。賛否両論ありつつも根本的仕組みとして。米国では富裕学区と貧困学区の差が大きい。日本は集権的であるが故に格差が小さく。
90年代までは日本では中央省庁の中央集権的との批判が。地方分権の機運が。99年には地方分権一括法。第1次地方分権改革。以前は機関委任事務が教育以外も合わせて500以上。制度改革。教育行政では学級編制、廃止後は少人数学級が。むしろ教育分野では特例的規定の多くが国から自治体の関与のあり方を見直す中で廃止に。教育長の人事。戦後直後の48年に教育委員会。当初は免許制度。56年に都道府県教育は文部省の承認が事前に必要と。教育長承認制。集権的と批判。99年に廃止。前は国が自治体に指導助言を。指導などが義務に。改正後は行うことが出来ると。地方分権推進委員会。指導助言規定の廃止を求めたが当時の文部省は非権力的な指導助言は必要であると。教育分野では第1次地方分権改革で特例的な制度が見直される。根幹的仕組みは存続。00年代前半の三位一体の改革。国庫負担金制度の存廃が問題に。財政的自律性を。教育関係者は反対。国の負担を2分の1から。07年に文部科学大臣が。14年には恐れがある場合にも教育委員会に是正の指示を。中央集権への逆行?教育行政への影響は当初は小さいと考えられていたが実際には変化が。地方自治体の独自の教育政策が増えた。少人数学級が。国の標準を下回る。第1次地方分権改革の頃から知事市町村長の影響力が強まり教育改革が。少人数学級編成など予算が必要な政策についてはリーダーシップが。00年代以降は地方分権が一定程度進んだと言う見解が多い。中央集権的実態は大きく変わらない、学力テストで国の影響が強まったと。一方でデメリットも。分権は必然的に自治体の差が生じることが。自治体間の格差が強まることは避けられない。就学援助は自治体の一般財源で。格差の拡大。都道府県ごとに学級規模が異なったり教育課程の差が。違いをどこまで許容できるか。教育政策や教育行政の長や議会の影響力が。特定的規定から一般的ルールに。二元代表制だが。自治体の政治の影響が。政治的中立性をもたらさない?政治的中立性や安定性継続性をどのように確保?自治体同士の関係。都道府県と市町村の関係。県費負担教職員制度のあり方については議論がある。小規模自治体への支援。地方では人口減少が進み過疎化が。都道府県と市町村の役割分担や連携が。

 

 

教育行政と学校経営〔新訂〕 (放送大学大学院教材)

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