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総論2・空間と政治(日本政治思想史第2回)

ロゴスが日本や中国で重視されないのは分かったけれど、何故なのかはいまいち良く分からなかった。

 

空間と政治。具体的な空間に政治思想が。国体。今では死語?戦前に猛威を振るう。殺されることを意味する。丸山眞男。水戸学者。1890年に教育勅語。国体という用語。分からないまま全文を暗唱させられる。国体の具体的定義はない。天皇の意思表示。6つのセンテンス。イデオロギーというには短過ぎる。治安維持法により初めて法律用語に。37年。「国体の本義」。156ページ。言説化出来ないことを断っている。丸山眞男「日本の思想」。体験が反映。国体は言説化出来ない。反国体と言われた思想は色々ある。枚挙に暇がない。聖断。受諾につき国体を護持しうるのか、で紛糾。定義につき意見の一致をみなかった。視覚化、はされてきた。1921年、摂政が全国を回る。行幸。巡幸。行啓。行幸啓。明治以降は天皇が積極的に地方を回る。紀元節や天長節。皇族が虱潰しに回る。皇后や高松宮などが地方視察を。21年以降の一体となる空間。大正13年に福井市を訪問。市民数万人。君民一体を視覚化。空地が早変わり。奉迎歌。無言。生身の身体を晒し、一体となる。政治空間として設計された広場は日本には無い。皇居外苑も違うが、日本で最大の政治空間に。天安門広場とも違う。風呂敷みたいなもの。物があって初めて機能を果たす。国体を視覚化。
西洋の政治空間の起源。古代ギリシア、アゴラという広場。政治空間として計画的に。ハンナ・アーレント「人間の条件」。ポリス。言葉と説得により決定。西洋の政治思想の中核にはロゴス、言葉があった。中国は?論語。書き下し文。刑政、言葉による政治。と礼楽。礼楽刑政。両方が必要。巧みな言葉を使うものは仁が欠けている。言葉で表現できない徳というものがある。五節の舞。1915年の即位の礼により復興。舞と音楽が組み合わされている。江戸時代には儒学が盛んに。新井白石。礼楽を取り入れようとする。家康の意思を継いでもいた。荻生徂徠。礼楽を重視。礼楽により感化、言葉を使わない方が優れている。大掛かりな舞や音楽。理想の統治。日本では下から上へのベクトルが強い。下から上への奉仕。天皇は天照大神に奉仕。政の構造。丸山眞男。政は下から上へ、中国と反対。記紀神話。近代天皇制にも当てはある。勅語や詔書のように、臣民に向かって言葉を発するのは非常に少ない。宮中三殿。宮中祭祀。内宮で天照大神に仕える。究極的な責任主体が無い。独裁体制ではない。一般の臣民は天皇制を熱烈に支持した。国民の9割は支持。イデオロギーがあれば逆に崩壊していた?イデオロギー化されていない。焦土と化したところでも政治空間になる。戦後巡幸。空地に現れる、熱狂的光景。GHQも皇居の内側に手を付けなかった。政の構造は保たれたと言える。空間が言説化されない政治思想を作る。テキストの解読が主眼に置かれていたけれど、見えてこないものもある。街道、鉄道、住宅、アーキテクチャ全体に広げる必要。2016年度に「権力の館を考える」という講義との同一点と相違点。空間、建築物の中で政治を捉える、という点は共通。けれど、専ら国会議事堂などの権力者と関わる空間だけではない、一見政治と無関係と思われる空間から政治を捉える。

 

日本政治思想史 (放送大学教材)

日本政治思想史 (放送大学教材)

 

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