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心理アセスメント1:知能検査と発達検査(臨床心理学特論第17回)

何回か心理アセスメントを受けたことがあるけれど、検査の完成には膨大な時間がかかるのだなあと改めて感じる。

 

教育領域、知能検査のニーズが高まっている。特別支援教育の導入に伴い。ウィスク4。ウェクスラー式の日本版の。知能検査の開発。知能検査の歴史的経緯。3つに区分。知能検査の草創期。02年に開発。第二次世界大戦まで。精神年齢やIQという単一の尺度で。ウェクスラー式の登場。個人内差。70年代以降、学力と知能の個人内差で。学習障害の判定に。知能検査は学習障害の判定の道具だった。バージョン3の知能検査。現在は第3期。知能検査は原因解明の道具に。発達障害には早期発見が求められる。学力と知能に差がついたことは早期発見に失敗したということ。RTI式。授業に対する反応で早期発見を。授業の中で学習障害を発見する。知能検査の役割は躓きの原因の究明に。読み書きの困難と言っても、視覚認知の障害なのかどうか。エビデンスが求められるようになった。その一環としてウィスク4など。背景となる時代は大きく変化している。知能検査を実施するには背景となるエビデンスも含めての把握が求められる。エビデンスが必要になった時代。知能因子理論の集大成。知能の種類を整理。97年に2つの理論を統合。結晶性能力。三層構造理論。10種類の理論と第2層の8種類がよく似ているので、統合が提唱される。CHT理論。97年当初は3層構造だった。第2層に72種類を取りまとめた10種類の能力。G因子。IQの根拠として考えられてきた。今日でも理論のアップグレードが続いている。第2層は16種類に。全てにCHT理論に準拠。言語理解という能力、結晶性能力に対応。視覚処理、誘導性推理能力。ウィスク4などのワーキングメモリ。処理速度指標。CHT理論の意味。異なる検査を共通の理論基盤で。クロスバッテリーアプローチ。万能な理論?作成や改定される検査は全て準拠している。
16年時点で一番新しいウィスク4。指標得点。群指数と同じ。訳語が変わった。言語理解ワーキングメモリなど。言葉を理解し考える。視覚推理。直感的に。思考などの際に一時的に覚えておく記憶力。処理速度。集中して手際よく。熟達している必要がある。14年にウィスク4補助マニュアル。新しい指標得点。一般知的能力。言語理解や視覚推理、理解し考える能力を束ねる。知能の中核的能力。認知熟達度。ワーキングメモリや処理速度をまとめた能力。熟達を一部反映している。筆記や単純作業など長期に毎日する。熟達しないと遅くなる。現代社会では前提とされている。発達障害には熟達がないと不利に。特別支援教育で、ウィスク4をどう活用すれば良いか。今日求められているのは躓きの原因の解明。何故教師の指示を覚えておくことが出来ないか。板書をノートに書き写さないか。その原因を。従来の扱いでは数字のみ報告、報告書の中身は検査の内容だけなのが多かった。エンパワーメントを重視してもらえると有り難い。本人が自分を理解、メタ認知。躓きの本質を理解し問題に立ち向かう気持を持てるのが重要、その後押しの為の報告書が必要。具体例。教育相談。授業への取り組みが悪い小4男子。学級崩壊状態で、率先して関係ない発言を。主訴が行動問題だったので機能的アセスメントを。観察。背景因として小1の頃から教科書が読めず板書を写せない、けれど話は面白い。その方が楽しめるのが背景にある?学業不振の原因を解明するためにウィスク4を。IQは平均的、知的に低くはない。指標得点を見るとワーキングメモリが劣る。学習障害?文章の音読が年齢相当より遅い。発達性読み書き障害が疑われる。読み書きの支援を。見通しを本人や保護者に伝えてトレーニングを。主訴が授業と関係のない発言をする、先生が困っているという話をしたら、以後は行いを改めると言い起こらなくなった。学習の困難、読み書きが原因。読み書きの検査などで。他にもADHDや自閉スペクトラム症。ウィスク4の検査の結果の特徴。本質は知能の問題ではない。共通のウィスク4の検査はない。今日ではあまりないというのが共通の見解。ADHDは処理速度が。自閉スペクトラム症は曖昧だと速度が遅い傾向。知能検査をしてIQを出すのではなく、原因の解明を目的として。支援へと活用する方策を提示する。エンパワーメントが重要。
知能検査の結果を報告する際の留意点。記録用紙に数字が載っているが、コピーして非専門家に渡すと著作権の侵害になる。記録用紙とは似ていないものを。保護者や本人など専門家でない人間に数字だけを伝えないように。対策をきちんと解釈して伝えるのは専門家の役割。報告の際にウィスクの説明を細々としない。問題の説明はしない。検査問題の漏洩に繋がるので職業倫理上問題。あまり説明に終始しない。検査者個人が解釈する際、検査中の行動観察や主訴に対する面談での情報収集が不可欠。量的情報と質的情報を統合して初めて解釈が成立する。留意点に注意しながら報告書をどのように書くか。報告の中身。所見や支援の方針と内容など。観察。書くようにしているのは結果を左右する出来事、解釈の根拠となる出来事。集中力の問題。検査中に休憩を取ったのかどうかなど。日常生活の支援にも役立つ内容。結果。主訴の原因、躓きの原因。ウィスクの数字も載せるが、対比的に書けるものはそうして書く。言葉よりは見て理解し考えるのが得意、という書き方に。ネガティブな書き方を防ぎエンパワーメントにつなげる。支援の際にどこを強調するかが分かる。対策。エンパワーメントを。心理の先生は支援の手法がそれほど分からない。効果的な支援法を書くには色々な指導書を読むなどする。初学者には報告書を書くのは相当ハードルが高い。
ウェクスラー式の開発に長期間。開発の歴史動向、開発過程のEpisode。新バージョンの刊行予定。成人用はウェイス4。17年度の秋には刊行予定。ウィスク5。CHT理論。視覚処理や誘導性推理能力。ウィスク5には一対一対応に。新しい課題も追加される。これから取り掛かる。検査の作成過程。3回の調査を経て完成に近づける。パイロット調査。原案を作る。予備調査。選ばれた問題の難易度順、順序を。標準化検査。標準得点、偏差値のようなものを算出し、基準点を作成する。多数の受験者が必要。日本人全体の能力分布を知るために1000人以上の調査を。各先生方にもお願いする。各調査には1年位かかる、集計も必要。完成までは3年から4年かかる。19年を予定。アメリカで作られた検査なので、単純に翻訳するだけなら難しくないが、使えるには単純ではない。キング牧師は誰でも知っているが、非常に易しい。しかし日本人には難問になる。文化的な位置づけや難易度を考慮して独自の問題を作成する。どうしても時間はかかる。日本語版を作るのは単なる翻訳ではない。将来どれくらいの改定を?大体目安として10年に1度。1年に0.3ほどIQなどが甘くなる。理論の登場やエビデンスの重視という歴史的な背景で改定のサイクルを短くしている。法律の改正や時代の変化の可能性がある。改定を受けて実践を。追いつくのは大変だけど。検査を実施する側もBrushUPする必要がある。

 

臨床心理学特論 (放送大学大学院教材)

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