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ミシェル・フーコーの哲学2(現代フランス哲学に学ぶ第11回)

西洋哲学の系譜を知っていないと理解は難しいかもしれない。

 

慎改康之。70年代から80年代にかけて、知から権力へ、自己との関係へ。主体性と心理の。
60年代の考古学的探究。離脱のプロセス。狭義の歴史から知の考古学へ。70年代80年代のフーコーは?知の軸から権力の軸へ。自己との関係の軸へ。
70年代のフーコー。75年の「監獄の誕生」。刑罰制度やセクシャリティの権力関係。60年代の言説分析と異なる、というわけではない。権力を巡る問いが、次第に輪郭を明確にし、主題化される。権力のような何かが問題。言説分析の内部において。言説の算出に制限を。言説に対して強制的拘束的に働く。言説の形成に及ぶネガティブな。処罰や性に関する研究。権力のポジティブな側面。知を算出し言説を増加し快楽を作るポジティブな。生産的権力を巡る分析。新たな考え方を。権力を制度構造として捉える代わりに。ふくざつな戦略的状況に。権力分析は力関係としての権力のメカニズムの変化。どのような言説を増殖させ知を形成するか。17世紀から18世紀の西洋の新たな権力の出現。系譜学的分析。権力との関わりでの新たなる知。人間に関する諸科学が発達する歴史的出来事は別の文脈で問い直される。70年代の2つの著作を検討。
「監獄の誕生」。当時の刑務所問題。刑務所情報グループで活発な。刑罰制度を研究テーマに。18世紀末の西洋における処罰方式の変化。監獄への移行。閉じられた監視のシステムに。文明の勝利、人間性の進歩?処罰制度における転換を権力のメカニズムの変化として捉える。犯罪者の身体に加えらえる過剰な暴力は、権力により要請される。君主権的。従順な個人を作り出す為の権力。フーコーが規律権力と呼ぶ。西洋で支配的に。処罰は身体の上で力を顕示するのではなく、監視状態にして作ってしまう。監獄が可能になり必要になる。有用かつ従順な個人を生み出すための権力。知。個々の人間について詳細な議論ができるとしれば、支配してつくり変える術が。一方では客体化の手続き。他方では主体的。個人を1人の主体として構成し縛りづける。知の客体として。犯罪性なる心理を。監視され強制され排除される。司法における精神医学や犯罪学。特異な役割。監獄のように機能。目標は魂に関する系譜学的研究。
「性の歴史」第一巻。抑圧の仮説を問い直す。西洋において性は長らく抑圧されてきた。今こそ解放されなければならない?性の増殖。権力の戦略の中に。新たな権力のメカニズムと性の関係。生殖行為の社会管理など。人間主体に関する知の産出。知を手がかりに底の心理に。性を出発点とした主体の学が。男色の影に。もはや行為そのものでなく。行為をもたらす抗いだかいものが。権力のメカニズムの中で固有のセクシャリティに拘束される。依然として人間主体が1つの真理に何故結び付けられるのか。権力分析による継続。知への意思。権力形態に加えて。もう1つ別の権力。規律権力のしばらく後に登場する。自然的プロセスの人間集団。生成時。規律と共に作動する。70年代後半の展開。人口集団を主な対象とする統治。どのように誕生したか。西洋社会にどのように広がっていったか。76年以降の権力分析。マクロなレベルへ移行?実際には80年代になると突然中断。聖者たちの統治。政治的権力の分析を離れ個人にターゲットを。扱われる時代も原始キリスト教やキリストローマなどへ。現実的状況。引き離す要因となった?自己の統治へ転換を。18世紀以降の血と権力の特殊な関係。84年の第2巻と第3巻。欲望の主体として如何に認識するか、時代をさかのぼって検討。古代における主体と真理。
「快楽の活用」古代ギリシア。確かにただ単に自由奔放だけでなく、一定の節度を。普遍的な規則の万人への適用でなく、ある階級の自己統御。自らの行動を様式化。次いで第3巻。「自己への配慮」キリスト教の欲望の解釈学へと。性の実践に配慮を。不安が増大。自己への配慮の強化。自己に対する。原始キリスト教においては自己に対する統御は?第4巻は未完に。しかし輪郭はある。射程については晩年の広義に目を向けて推し量れる。80年以降のコレージュ・ド・フランスの講義。段階的に時間をさかのぼりながら。焦点となるのは主体との関係がどのようなものか。自分自身の認識が古代ギリシア以来の。自分自身に配慮すべし。プラトン哲学においては気遣いは自己を知るという点に集約される。1世紀になると自己目的化。主体が知らなかった真理を自己統御の為に獲得。完璧な統御を得るための手段。古代哲学の諸学派が奨励していた実践が、今度は自己の放棄と他者への服従としての。自己の奥底の思考の運動、他者に向けての言語化。欲望の解釈学。

 

現代フランス哲学に学ぶ (放送大学教材)

現代フランス哲学に学ぶ (放送大学教材)