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バートレット:『想起の心理学』(発達科学の先人たち第9回)

人の記憶はいい加減なものであることは認識しておかなければと思う。

 

星薫。二宮知子。バートレットの「想起の心理学」。発達科学は人間の発達という話題を中心に。発達というのは自然な成長だけでなく、必ず他の人間の手が様々な形で。親からの躾や育児。教育も。教育を受けるためには認知の機能の知見は欠かせない。認知や記憶。心理学的知見。バートレットは偉大な先人。病気で独学。本を沢山読む。スタートの心理学者の本。ケンブリッジのブリタニカ百科事典を読んで心理学に。想起。思い出す。「想起の心理学」。文化祭みたいなもので沢山の人が大学に出入り。お店番を。錯視の図形を設置。人々が非常に様々な解釈を。人の思い出すことはあまり正確ではない?コピー機でなく。どんどん変えてしまっている。思い出すことは写真とは違うようだと感じる。組織的に実験的に調べる。記憶。記憶と心理学を繋げて。記憶はギリシア時代から哲学者が盛んに議論している。プラトンもアリストテレスも。哲学的な考察。その後も哲学する対象として記憶を考察。様々な解釈。哲学者が考察するのもだとされてきた。それに対してエビングハウス。ドイツ人。1870年代の初期。記憶を実験的に検討。革命的アイデア。哲学者の専売特許を扱う。哲学者は様々な解釈のどれが事実に近いか検証をしていない。自分自身を被験者にして記憶を実験的に調べる。できるだけ単純化。新しい情報を学習する人間のプロセスを。既存の知識の影響の排除。無意味つづり。発音が出来るが意味を持たない。そういう三文字の単語をたくさん作りカードに。1回あたり16個の単語を覚える。何回続ければ思い出せるかを調べる。朝と晩では違う?毎日同じ時間に。違う出来事があった日は実験を中止するなど慎重に。幾つかの結果を示す。総時間仮設。覚える時間分記憶できる。集中するより分散するほうが効率的。今日でも事実と認められている。バートレットも一部述べている。前書きの部分。追試でますます不満が。できるだけ現実的なものを。出会うような記憶材料を。現実では意味のない言葉を学習する機会はない。記憶の性質の知見について限られる。現実の意味を持った言葉について知る必要がある。画期的だけど。言葉の意味がどう影響するか分からないと意味がない。
様々な文章、理論的な民話から図形から人の顔から、記憶の実験を。文章を再生してもらう。再生と再認。数字を言うので再生、言った数字を順番は結構なので思い出す。メモを取らずに。聞いた刺激をそのまま自分で思い出して言う。再生という方法。再認。別の数字をさっき言った数字の中にあったか。あったか無かったかを再認。マークシート式のテストは再認に近い。記述的な解答は再生に近い。人の記憶は変容するものなのを実証したかった。変容はどのようになるかを知りたかった。再生法を用いる。伝言ゲームみたいに最初の人が思い出し、一番目の人が思い出したことを記憶し次の人に。噂話。内容が変わってしまう。記憶の変容にどういう原理があるか?ある文章を読んでもらい、15分たったら再生してもらう。どんな風に変わるか。15分後でさえも固有名詞が変わったり内容が逆転したり。1週間後なら短くなってしまう。元の内容そのままではなく社会が当たり前と思うような内容に。奇妙な部分は合理的説明に。本人は無意識にやっている、変容したことに気づいてしまう。なぜそういうことになるか?文章を読んでもらい15分後に思い出す。どのくらい変わっているか。鉄炮記。大まかな内容しか覚えていない。自分で勝手に補っている。自分の持っている知識が邪魔になる。数字を覚えていることも。しかし事前に知っていた?ぜんぜん違う記憶の仕方に。それぞれ反応のタイプに好みが。得意不得意。できるだけ自分の好みのスタイルで反応。目の付け所や思い出した部分が違う。色んな論文などを覚えてもらい再生を。身近な話題なら?ウサを晴らす。知性は訪問者。心はいつも旅をしている。模倣とは心の旅。系列記憶法。伝言ゲーム。随分短縮。もとの話が持っていた重要な要素は全てなくなった。身体が移動したらウサが晴れるものではない。実際の旅行でなくても書籍や音楽や芸術を見るのも心の旅、それで私達は出かける以上に旅が出来る。全く逆のものに。固有名詞は残っているが。本来の意味は逆転。しかし意味は通らないわけではなく、常識的なものに。構成は問題ない。これは何なんだろう?バートレットの疑問。
山のように実験を。全く同じような結論。記憶は変容する?なぜパターン化されている変容が?スキーマ。記憶の変容を考える上で参考になる。プログラミングやデータベース?ピアジェも似たようなアイデアを。computerが無い時代に心理学で提唱された概念。スキーマというアイデアはなぜ?記憶というのは観念と観念の連合と一般的にみなされてきた。色んな組み合わせの連結として。それに対してバートレットのスキーマという考え方では、公園で散歩するということに含まれる沢山の事柄を理解する。公園という裏にある沢山の情報、気分や情緒も含めて。一種の情報の集積が頭の中にあって共通に持っているので話が通じる。情報の集積体をスキーマと呼ぶ。そういうものが頭の中にあるのでは。愚者の楽園。読んで字面をそのまま覚えるのではなくて、スキーマが発動。言葉の背景にある知識の集積体が活性化して突き合わせる。それを思い出す。元々入っていた情報と合わせて再構成。自分の知識を元に。スキーマを参照しながら思い出す。自分の持っているスキーマに合わせて思い出す。訳のわからない話になると自分の常識を持ち出してしまう。スキーマというのは個々で持っているが。ある社会の中で共通的にも持たれている。個々の観察者に与える要因。社会的と思われることも。繰り返し散文を再生。変容の多くが社会的慣習や信念の影響を。様々な社会的相互作用。ある文化、文化的複合体を構成。人から人へと移っていき習慣化した形式に。所有する文化の中に確固たる地位を。元々は文化人類学。社会全体が1つのスキーマを持つ。臨床心理学では個人が持っているスキーマに重きを置く。個人のスキーマと社会のスキーマは異なることも。文化の違う人だとスキーマがずれていることがある。ステレオタイプに。

 

発達科学の先人たち (放送大学教材)

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