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社会関係資本とインフォーマルな協力関係(社会的協力論第13回)

沖縄だけを特殊なものとしてみるのはどうかという気もするけれど、地域の特性を把握するのは大事なことだろうと思う。

 

坂井素思。社会関係資本とインフォーマルな協力関係。社会関係資本という言葉。SocialCapital。近代社会の性質。市場経済の発達。国民国家が個人にサービスを。政府活動。近代化。科学技術の発達。技術的解決が近代社会の特徴に。個人が自由に活動するために。その上の技術的な発達。個人の自由や技術。近代社会が忘れてしまった関係があるのではないか?近代社会の中での反省の様々な動き。様々な模索が続いている。近代社会はフォーマルな関係が表に出てくる。それに対しインフォーマルな関係。コミュニティ、家族。どういう形で復権されるべきか?ポランニー。社会に埋め込まれた経済。個人が自由に。社会の中で個人が力を。個人主義的傾向が強まる。社会から解放された個人が自由に活動。利点ではあるが様々な病理現象が。副作用が。個人が社会から分離されていく。個人は社会に埋め込まれて活動するものでは?ソーシャル・キャピタル。コールマンやパットナム。コミュニティの中に個人を結びつける力が。1つの資源として社会にあり得ると考えると社会的に説明がつく。物的な資本。生産を行う場合に資本が必要。投資により生産性が。人間関係の資本と考える。増やすことで社会を良く出来るのでは?と言う提案。社会に埋め込まれた人間関係を大事にする資本がありうると。社会的な関係資本。3つの特徴。ネットワーキングと言う性質。人と人とを結びつける要素。市場経済のように交換行為によって互いに自分の利益になるから繋がるのではなく、人との結びつき自体に価値がある。networkの形成自体が目的であり機能でもある。外部性。経済学で市場の外に。犯罪者が紛れ込んでも社会全体として良好な関係に。周りの人が皆犯罪者で1人だけ善意でも生きていけない。良好な結びつきを。networkが形成され外部性という特徴が。交換行為ではなくて人と人との関係で誰かに良いことをすると誰かから返ってくる。互酬的な関係。回り回って返ってくるという結びつきが。ソーシャル・キャピタルが社会に埋め込まれていると良好な人々の関係が出来て暮らし方が楽になる。
Interview。沖縄在住の。琉球大学医学研究科。沖縄にはどのようなソーシャル・キャピタルが?地域の力が潜在的にある。様々な基本的仕組みが。沖縄の伝統的なソーシャル・キャピタルに当たる言葉として結という言葉が。サトウキビ刈り。地域の方や親戚が集まって一緒にやる。典型的なソーシャル・キャピタル。モアイ。互いに金を出し合って事業をしたり旅行をしたり食事をしたり。通常は日常生活ではそれほど出てこない。表に出て作用を及ぼしたり機能を及ぼしたり。具体的に地域がどのように動くのか。昔は沖縄は貧しい地域だった。地域が助け合う形で血縁地縁などの繋がり。地域共同体を円滑に動かす。伝統的に祖先崇拝が。問中。生き物同士が大きな集団を作ってお盆に集まってご先祖様にお祈りする。墓の前で弁当を広げたりして血縁的なコミュニティが。血縁と地縁。結婚式や葬式などの儀式で結集する力が。凝集性。ソーシャル・キャピタルが存在する中で伝統色が。食べ方の問題。小さな広場で一緒に食べる。重箱の中身は沖縄の伝統食。沖縄の野菜。本土では知られていない野菜が影響?栄養素や野菜との関係は?栄養素、タンパク質など。食材別に見る見方。食べる内容。戦争前から戦後になって日本食から欧米型に。主食もご飯からパンに。沖縄の場合は主食は戦前はお芋。戦争後には60年頃から米に。沖縄は本土より変化が激しい。伝統的な食事と呼ばれるものは?転換の前には?節目が2つ。米国の統治が始まった45年。日本復帰の72年。その間に大きく変わる。伝統的な食事。戦前にはお芋と汁。米国の統治が始まり米国の文化が。米軍が余剰物資。脂肪の摂取が増える。本土復帰になってから日本の食事が。お味噌を使ったり塩分が。特に若者。栄養転換。脂肪摂取の。塩分中心に。世界的な問題。開発途上国。昔は炭水化物や低脂肪。今は栄養過剰に。グローバリゼーション。加工食品や脂肪摂取が同時に。その結果同時に。2つの感染症や生活習慣病が。ダブルバーゲンという状況。健康転換。感染症なら元を断てば良いが。生活習慣病は生活一般が課題に。その両方が世界的に起こっている。アメリカのような先進国でも格差の問題が起こっている。低所得の人は油が多い食事を。北欧では選択の幅が広く。日本食はリッチな人しか食べられない。健康転換がダブルで。ソーシャル・キャピタルの問題と考えれば、複合的な問題に。経済格差だけでなく。空間的に。高齢者の人が伝統的な食事を。現代的な人が栄養転換を。高齢者は昔からのソーシャル・キャピタルの影響を受けている?高齢者と若者の違いは沖縄では?伝統的に野菜の摂取が変わっていている。ゴーヤも若者は食べなくなっている。昆布も消費量が減ってきている。伝統的食材が食べられなくなっている。所得水準は日本でも下の方。所得水準が高い人は健康な人が多いのが世界の傾向だが。沖縄は貧しかったのに健康的だった。沖縄のParadox。まだ研究の途上だが、県民所得は低い水準だが、当時の米国の貿易政策が関係。マクロに考えれば、平均寿命が高い理由はソーシャル・キャピタルが関係している?健康との関連が。ソーシャル・キャピタルと健康が関連するという仮説。1つのことが決定打になるのではなく、ソーシャル・キャピタルは複合的なもの。色んな経路を辿って健康に影響。どういう経路でソーシャル・キャピタルから健康に行くのか?原因と結果。疫学的なmechanism。まだよく分かっていない。欧米的なソーシャル・キャピタル研究。欧米的なモデルを中心に。アジアではまた違ったソーシャル・キャピタルの在り方が?家族や集団個人の関係が違う?東日本大震災。カトリーナ。アメリカでは暴動や略奪。東日本大震災では見られなかった。欧米の研究者も注目。ソーシャル・キャピタルの内容。種類として2つ。結束性を重視。ボンディング。町内会などの感情が強い。橋渡し的な。遠くの人たちと繋がる。伝統的な沖縄の食事の在り方がどういう関係に?沖縄はコミュニティのサイズがボンディング優勢。地域のいろいろな共同体などのお祭りで共食。豚やヤギを潰してその肉を食べる。ウィッデングタイプ。広い共同体。遠くに離れた人との繋がり。都会など。世界各地で沖縄の人が移民で北米など全世界に。三世四性が集まってくる。数千人の規模で。他の府県ではフェスティバルをするのはありえないが。お互いに顔なじみでは無いのに集まる。華僑やユダヤ人の場合と近いものがある。
ユイマール。モヤイ。伝統食。健康と相関。独特のソーシャル・キャピタル。健康との関係。ソーシャル・キャピタルがどのように人々の関係付けを?沖縄の中でも伝統的な結びつきがソーシャル・キャピタルとして働く。戦後になって機能的な結びつきによるソーシャル・キャピタル。2つのタイプがあることを。弱い結びつきと強い結びつき。強い、感情的な。地域の中でローカルな場所で。血縁地縁。感情的な親密な結びつき。弱い結びつき。橋を架ける。遠い人たちが存在していて結びつく。ブリッジング。どういうふうに働くか。転職。父母の関係から探る。昔の友人関係を頼る。欧米では身近な人に紹介してもらうより少し遠くの人に紹介してもらった方が出世する。ウィークタイ。日本では近親者に紹介してもらう方が、関係の中で利点があり出世しやすい。社会でどのようなソーシャル・キャピタルが発達しているかにより人間関係は違ってくる。感染症なのか生活習慣病なのか。リスクをたくさん持っていることを考える。個人が分離されて健康に問題が。社会というものが感染症に強いか、生活習慣病に強い社会か、社会の背景が問題。埋め込みが重要。社会の中でソーシャル・キャピタルというものが社会にあったタイプのものが埋め込まれることで生活がより良いものに。複数のnetworkが。強いものか弱いものか。社会関係資本というインフォーマルな関係は重要。

 

社会的協力論―協力はいかに生成され、どこに限界があるか (放送大学大学院教材)

社会的協力論―協力はいかに生成され、どこに限界があるか (放送大学大学院教材)