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社会心理学とは何か(現代社会心理学特論第1回)

社会学的社会心理学の方が面白そうな気もするけれど。まあ社会学自体を把握していないのが問題。

 

森津太子。社会心理学について。社会心理学とは何か。学問的特徴。定義や歴史、研究範囲。具体的なトピックの地ならし。
授業の狙いや特色。大学院科目。社会心理学の基礎ではなくより専門的な内容。現代社会心理学特論。現代の社会心理学の知識について概説。現代の社会心理学の動向を。現代という言葉。現代的なトピックを。前半では社会的影響のように古い部類のものもあるが、その後はステレオタイプなど新しい考え方のトピックも。現代的なものも。イメージとかけ離れているものも。
社会心理学とは?心理学の一領域。「社会」。日常的な生活の中では社会生活など人間の集団的な営みを。現実の世界、世間の意味。「社会」を人の集まりとする場合、集団心理や集団行動のものと考えられがち。集団ならではと考えられている?社会の中の個人の心。ウォルポートの定義。個人への影響。他者の存在によって。あなたが歌を歌う場面。同じ歌でも1人で歌うのと人前で歌うのではPerformanceは異なる。頭の中で行動したりする場合でも1人の場合と違う。他者の前で歌を歌う時は違うと推測される。人間はぼーっとしているときでも他人のことを考える。常に他社のことを考え心を動かされる。他者が存在することを仄めかしたときも。先の定義には「社会」というのが出てこなかった。他者の存在という言葉が社会に相当。何らかの形で他者の存在を仮定できる全ての状況。他者に対し影響を与えているが、それには鈍感だったりする。人間の心や行動が影響を受けるのは双方向。他者から影響を受けるだけでなく他者に影響を与える自分を。社会心理学では個人の思考感情などに影響。集団思考も範囲ではあるが、基本的には個人。個人を捨象したものではない。
社会学と心理学に跨る学問領域。境界領域。大学では心理学と社会学は別。現実は両方に通じた研究者は多くない。出自の違いによりそれぞれの立場から研究を。心理学的社会心理学と社会学的社会心理学。アプローチなどが異なったりする。個人の心。原因を社会構造や制度、時代背景などの社会的なものに。マイクロな社会を扱う傾向。全体的な傾向として20世紀後半以降に心理学的社会心理学は盛んになった。心理学の一部という認識が強い。ここでも心理学的社会心理学のことを。
社会心理学がどのような研究テーマを扱うか。概説書として2冊の本の目次。10年に「社会心理学ハンドブック」。「グラフィック社会心理学」。心理学的社会心理学。扱うテーマは幅広く多岐にわたる。研究対象である社会が様々な水準で。マイクロな社会を扱う傾向はあるが、よりマイクロなものとマクロなものと。4つの水準。個人。対人行動対人関係。組織、文化。個人。自分自身をどのように捉えているか、など。他者の存在の影響は他者の認識などに依存する。個人の水準による対人認知などは重要なテーマ。最も研究が盛んなのも個人の水準で、この講義も重要視している。対人行動対人関係。二者間のcommunication、相互作用。援助行動や攻撃行動。対人葛藤など。集団組織。個人の行動やメンバーの関係性。集団同士の関係性。リーダーシップなど。社会文化。国家やコミュニティなどの社会。ある人間のまとまり。社会学的社会心理学との境界は曖昧に。頭が痛いのは選択。この講義では個人の水準に絞る。更に絞ることも出来るが。出版物も数多い。トピックの比較も面白い。
こぼれ話や面白い実験の話。コーヒーブレイク。人間は社会的動物である。誰もが一度は聴いたことがある。アリストテレス。「政治学」。自然にではなく非社会的な個人は注目に値しないか人間以上のものか。社会に参加しない人は獣か神か。人間は指図されなくても社会を形成する。他者の存在なしに生きられない。紀元前300年に書かれた。現在の人間にも当てはまる。ソーシャル・ネットワーキング。SNS。Twitter、Facebookなど。他者とのコミュニケーションを促進。これまでは技術の進歩は自分に閉じこもると考えられていたが、常にスマホを握りしめる。サービスや技術は日々進化している。コミュニケーションツールに投入。他者とのcommunicationに何故駆り立てられるかの問題。他の学問領域でも。脳神経科学の分野。社会脳の研究がhot。認知的機能から人間の社会性へと。社会性の起源を脳に見つけようと。最新の測定機器も利用されている。多くの社会心理学の学者も。アリストテレスが事実なら、進化の過程が起源の筈。人間は社会的動物である、という言葉は、今もなお現在進行形で多くの研究者が取り組んでいる。エキサイティングな世界に。
社会心理学の歴史。まだ歴史は浅い。かつて記憶研究でのエビングハウス。過去は長く歴史は短い。関心を持つ問題は古くからあったが。心理学の場合はブントが心理学実験室を作った1879年。実証性を。客観的dataを。実証的な学問として独り立ちした。心理学の誕生年とされる。百数十年。それなりの歴史がある?他の学問分野に比べれば後発。社会心理学の過去も長い。現在のような社会心理学は19世紀の終わりか20世紀の初め。ブントは民族心理学。群集心理の研究や模倣の研究。ダーウィン。自己の研究。歴史上の基点。2つの年。最初の社会心理学の実験が。実証性を重視。社会心理学も同様。記念碑的出来事。1898年のトリプレット。少年に糸を巻き付ける課題。2人で競い合うことが。社会的促進。本格的なテキストが刊行、1908年。ロス「社会心理学」と「社会心理学序説」。08年にはロスのテキストについては記念行事が。後者はこれといった行事はなかった。もともと歴史に関心がない?内容が現在の内容とは異なっている。動機を本能に求め、生殖本能など様々な本能の存在を。社会を構成するのは同語反復?本能論的説明は次第に廃れる。現代社会心理学との乖離。日本では1906年に「社会心理学」。ルボンの「群集心理」なども翻訳されていた。当時の日本はかなり先進的だった。当初は社会学と心理学の境界領域で発達。心理学的社会心理学が勢いを増す。47年から80年までのアメリカのテキストの75%は心理学者。学術雑誌も数多いが多くが心理学系。日本においても傾向は同じ。会員の殆どは心理学者。書籍も殆どは心理学者。
現代の社会心理学の特徴。実証性。確かな客観的証拠に基づいて真偽を。人間自身が対象。テーマは日常的経験などの身近なものから着想を。リサーチクエスチョンについては解答が用意されていることも。実験がよく用いられる。先入観や常識に囚われること無く。実験は万能ではないが、環境を人為的に構築的できる。社会的促進。場所を探したり瞬間を待ったり。しかし時間と労力をかけても、様々な要因が交錯している。現実の観察では他の要因も。他の条件を揃える必要がある。実験の場合、社会環境を意図的に設定する。現在は社会の心。集団としての心。集団心と。しかし実証性にかける。個人の心を丹念に調べるのがスタンス。
社会心理学とは何か。

 

現代社会心理学特論 (放送大学大学院教材)

現代社会心理学特論 (放送大学大学院教材)