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文化をスキーマと考える(コミュニケーション学入門第12回)

個人の持つ文化スキーマは少なくとも国単位では違うことを認識しないとトラブルに成る。何しろ大阪と京都でさえ違うのだから。

 

佐々木由美。大橋理枝。文化をスキーマと考える。異文化コミュニケーションについて。文化スキーマ理論。00年代初頭に異文化コミュニケーション理論として。関連知識の集合体。認知科学の発達を前提として新たな文化の定義を。
従来の文化概念の定義。後天的学習により特定の集団に共通。文化のこれまでの定義の流れ。文化の概念を提唱したのはタイラー。共通する点が。人の外側にあり思考や行動が影響を受ける。大阪の文化に属するから大阪弁を。ギアツ。個々の人間の外に。人はまるまる文化というシステムの中に。共有しながら次世代に。仕組みを持つ空間が文化。システムを持つ空間とすると、人の外側にある空気?その実態は何か、という疑問。結局実態が掴めない。文化というよび方をする理由は?環境や社会と同じなら違う言葉を使う必要がない。人の行動や思考にどのように影響するかがわからない。次の定義。近年見られる。人の脳にあり再構築を。認知科学の影響を。脳で情報がどう処理されるか。文化は脳の中に蓄積される実体を持つ。80年代後半に文化はスキーマであると。繰り返しされる汎用的知識。一般化された。例えばレストランはテーブルと椅子が。これが繰り返しの体験から獲得。こういう知識のことをスキーマと。生まれてからの経験を知識として脳に蓄える。スキーマが獲得されているから適切な行動や認識を。自動販売機を始めてみた人は自販機と認識できない。日本にも自販機は無かったはずで、スキーマが変化している。スキーマは変化して再構築される。
文化スキーマ理論の説明。西田ひろ子により発表。文化スキーマ理論の特徴は、文化をスキーマとして捉える。過去の体験が組織化されたもの。文化はスキーマ。抽象的定義からの脱却。具体的には?脳内の知識。知識の間の関係も含む認知関係総称の。組織化された認知構造。ニューラルネットワーク。一つ一つの知識が神経回路が繋がっているように。関連化する情報がネットワーク化されている。連想ゲームが出来る。夏と言えば?スイカひまわり花火。私達の脳の中で夏に関する知識が活性化され、関連知識も含め活性化。スキーマと呼ぶ。なぜ同じようなことを。日本の夏に同じような体験を。スイカ割りや花火大会を皆が経験。同じ地域や国に住むと共通する体験が多くなる。共有するスキーマを文化スキーマと呼ぶ。共通して見られる行動を肯定的評価して行動を実行する場合がある。同じような行動を見て適切な行動を。花火大会で浴衣を。文化スキーマの確立。浴衣を着るのが当たり前。それが文化スキーマとして脳に蓄積。バスが来るのを並んで待つのも文化スキーマ。共有していない相手の人に行動を理解して貰えないことも。理解してもらえると考えるのは無理がある。地域が違うとわからない。
文化スキーマ理論では重要なものとして10のスキーマが。事実概念スキーマ。日本には47都道府県など事実に関する知識と概念を指す。りんごは赤または緑の果物。地域で共有されていることが多い。丸い形を書いて。赤に塗る。赤いリンゴを食べることが多かった。イメージも強い。りんごのような真っ赤なほっぺ。子供の頃から繰り返し無意識的に学習。青りんごでも味や食感からりんごと理解できる。オレンジ色のりんごがあったとしても活性化がされりんごと理解できるかも。果物の梨。色を茶色っぽく。薄緑に。品種によっては青りんごと見分けが付きづらい。アメリカで梨。西洋梨。日本とアメリカの人は違う絵を。経験が異なるので事実概念スキーマが異なる。状況スキーマ。特定の状況や場所に何があるかを。学校の教室に関する状況スキーマ。部屋の片側に黒板が。教壇が。机と椅子が多く並んで生徒が座る。子供の頃から学校の教室を見ていて、無意識的に獲得。教室の状況スキーマ。日本の。何処かについたときに教室だと認識できる。当たり前にわかっているようなきがするが、状況スキーマがあってこそ。例えば学校に行って雰囲気が違っても教室と分かる。魚やエビの水槽がある飲食店。新鮮な魚が。しかし日本以外の国から来た人には状況スキーマが獲得できていない。料理して食べるという経験をしていない場合が。手続スキーマ。手続に関する知識。物事の流れや手順。風邪で病院に。受付から支払までの流れがある。病院に殆ど行ったことがない人は困った経験があるかもしれない。病院の手続スキーマが充分獲得されていないせい。あまり考えなくてもSmoothに行動できるようになる。状況スキーマから手続スキーマに。病院の状況スキーマから手続スキーマに移行。自然に。病院の手続スキーマ。他の国の病院の手続スキーマが違う場合。うまく対処できない。特定の文化の中での手続スキーマの獲得が必要。方略スキーマ。行動面に。問題解決の方略に。日常の小さい問題を解決。腹が空いたが15分後に授業が。コンビニでおにぎりを。食堂で注文することは不可能なのでコンビニで。自身の繰り返しの経験から時間的に可能かを判断。推測できるのは繰り返しの経験から。アメリカは車社会で殆どの店でドライブスルーに。自己スキーマ。自己をどう認識するかの知識。自分の名前や勤務先等の客観的情報、主観的情報が含まれる。自己アイデンティティに関する。自己の存在を認識。北山忍の相互協調的自己観。自己を他者との関係性で把握する。他者との関係で自己が如何に役立つかを。逆に自分の決断は自分でする。文化スキーマが影響。
人スキーマ。特定の他者に関する知識。相手にどう対応するかを。人スキーマは必ずしも真実であるわけではない。その人のイメージである可能性も。偏見に繋がることも。日本での人スキーマ。運動系の部活に励む人は礼儀正しい。他人に対しイメージを持つが、自分の解釈に過ぎない可能性もある。役割スキーマ。相手をある集団の一員として。性別に対する役割としてのジェンダーの知識など。これは客観的で正確なイメージではないかもしれない。」ステレオタイプや偏見、差別の原因に。固定観念から差別行動に。性別による役割スキーマ。若い女性の貧困化が。ジェンダーイメージが一因。男女とも貧困率が。役割スキーマのせいで女性の賃金が伸びない。ジェンダーが社会問題の一因に。無意識に学習されるスキーマが差別の原因などに。衝動スキーマ。感情と同じ意味。感情表現に関する知識。感情をどう表現するか。表情や身体表現。表現方法の知識。公の場での表現の度合いも。日頃のコミュニケーション体験から無意識に知識として獲得。これがあるから相手の表情から感情を推測できる。相手が怒っている場合には否定していても表情で分かる。怒りの表情を公的な場面では避ける、などの知識も衝動スキーマとして。日本人は否定的表情を公的場面で出さない傾向はアメリカより強い。言語スキーマと非言語スキーマ。文法や語彙だけでなく、慣用表現や言語文化的知識も。英語の勉強をしてもスラングがよく分からなかったり。外国語の文化スキーマの習得は難しい。非言語スキーマ。特定の国地域で非言語のコミュニケーションについての。表情やジェスチャー、話し方や声の出し方。言語ではないが話し方を変えたりして。言語同様、違う国地域では意味が異なる。手招き。手の甲を上にして。しかし英語圏では逆の意味に解釈される可能性がある。

 

コミュニケーション学入門 (放送大学教材)

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  • 作者:大橋 理枝,根橋 玲子
  • 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
  • 発売日: 2019/03/20
  • メディア: 単行本