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戦後の生活と文化(日本の近現代第13回)

私が生まれて居ない頃(高度経済成長の爛熟期に生まれた)の話なのでなかなか実感が湧かないというのが正直な印象。

 

有馬学。戦後の生活と文化。戦後70年。現在でも一言で言うときに戦後の日本、戦後社会と。随分と長い戦後。日露戦争の戦後70年は1975年。ベトナム戦争の終了。前年に田中角栄総理が辞任。戦後社会と呼ぶのは当たり前ではない。何故に特別扱い?
戦後的なものとはなにか?8月14日にポツダム宣言の受諾を決める。9月2日に降伏文書を。GHQの日本統治が。直近の過去、敗戦直前の生活との対比で。我に返り誰もが目の前の生活に必死。インフレと物不足。闇市の活気に。欲しがりません勝つまでは、などの建前。統制のもとでの極端な窮乏。民主化と報道統制。心理は戦争末期の体制への批判に。戦後を戦前戦中とは異なる時代に。強力に作用。何が戦前戦中とは異質なのかは単純ではない。日本国憲法に象徴される法律や制度の変化。戦後の吉田茂の軽軍備や経済に。新たな国是に。社会のあり方はそれほど単純ではない。女性の社会進出。強くなったのは女と靴下?極めて戦後的。55年から10年間に。戦争の力。婦人の職業への考え方を変える。婦人に不向きな仕事にも就く。沢山の婦人は踏みとどまる。女性の社会進出は戦後的?内務省でも仕事をした女性官僚。占領下の日本を戦前戦中と異質とする。
実際のところ、国民の生活の変化は?復興と庶民文化。戦後啓蒙思想。民主化の理念と、近代は達成されていないと批判的に。日々の生活に必死。戦争中の建前から解放された私益を追求することへの肯定。消費の豊かさへと。庶民を疲れから解放するのは歌謡曲や落語など、量産された映画。街頭テレビのプロレス中継。サブカルチャーは知識人のハイカルチャーとは別のものだった。ラジオ放送。TVの時代の前。この時代のラジオは広くて深い国民文化。26年に民間放送ができるまではNHK。占領軍の統制下にあったが。CIE。民間情報教育局が指導に。娯楽番組にも及ぶ。46年の話の泉。20の扉。人気番組はアメリカのクイズ番組に範を。すべてが押し付けだったわけではない。視聴者の参加という形式を切り開く。敗戦の翌月に始まった該当にて。あるテーマのもとでInterview。街頭録音という言葉が番組名にも。社会派のドキュメンタリーの側面も。録音の例。有楽町のガード下に佇む女性への。通りがかりの酔客と一緒になろうと。昼間に映画に行ったり。中流家庭以上の人が。生活に困っている人は少ない?真面目に働いている人には?皆続かない。カタギにしようとしたが。気軽に音楽が聴けるメディアはラジオ。健全性を全面に出した新しい音楽。多くのヒット曲が生まれる。ラジオの娯楽番組。落語や浪曲、講談など。銭湯にいけば素人浪曲を。連続ラジオドラマ「君の名は」。2年続いた。菊田一夫。主人公の男女がなかなか会えないすれ違いドラマ。真知子巻きの流行。社会現象を生み出す。庶民の娯楽の王様は映画。占領期の映画の公開はGHQの強い統制下に。脚本の事前検閲。民間検閲局による検閲。時代劇は軍国主義の温床とされ製作不可能に。軍国主義の否定が求められる。52年にGHQの廃止で映画は隆盛に。新東宝や東映が設立させたり、日活も54年に製作の再開を。チャンバラ映画も復活。時代劇の東映。週2本を。新作の配給を。毎週新作が封切られる。中村錦之助などの新しいスターが誕生。50年代は日本映画の黄金期と。日本映画が国際的名声を獲得。ベネチアでは羅生門や雨月物語などがグランプリ。立て続けに受賞を。地獄門なども。頂点は58年とされる。映画人口は11億人以上に。国民一人当たり年12回に。この年は東京タワーが。TVの時代に。高度経済成長に。
いわゆる高度成長。50代中頃からの経済成長と社会変化。70年まで平均で年10%の経済成長。根本的に姿を変える。時間的なズレがある。日本人の生活水準が戦前に回復するのは50年代の初期の頃。国民が果実を手にするのは先のこと。貧しいが戦後の混乱から脱出した小春日和。もはや戦後ではない。白書の本来の意図は、谷から這い上がるのに必死な時代。回復を通じての成長は終わった。今後の成長は近代化により支えられなければならないと。消費者の欲望だけでは今後の成長は困難。技術などの面がないと。一息ついた国民が誤解しても無理からぬ事。経済学者の分析では地方社会は?宮崎県の55年頃の指標。55年当時の年間所得は9万円。工業出荷額。16.3倍。自動車保有量は90倍以上に。「ロンドン東京五万キロ」。トヨペットクラウンで。国産車で走り抜けたのが売りになっている。ロンドンに陸揚げされた日本車。軽工業だけではないという警戒感。より高給なイギリス車が買える。しばらくすると絶え間なくオーバーヒートに。まだ高速での巡航に適しなかった。国産車の道中記を楽しむ人でも、車の運転にリアリティを持つ人は少なかった。高度成長の入り口でも農業社会を脱していなかった。50年の就業者。農林漁業は40%以上。高度成長が日本社会の均一化を。同時代の東京。64年の前までは東京も水の都。都心部では外堀が景観上の特徴を為していた。数寄屋橋。単なる交差点ではなく外堀にかかる橋だった。東京高速道路の建築。外堀や汐留川などが姿を消す。東京タワーの完成は58年。高層ビルがなかった東京ではかなりの場所から見ることが出来た。目黒区でも工事を日々眺めていた。時代の象徴に。TVの時代の幕開けを告げる。
高度成長とTVの時代。耐久消費財の普及動向。様々な耐久消費財の中でTVが特徴。都市部と農村。農村部でもTVは普及。所得階層別。殆ど違いがない。TVはさほど豊かでなくても地方でも実際に購入されていた。普及力を持つのはTVだけ。受像機の普及で大衆文化の王様に。53年には本放送が。866件。民間放送も。街頭テレビに群がる。スポーツ中継や歌謡曲。西部劇なども。力道山のプロレス中継。プロ野球が多くのファンを。59年の皇太子ご成婚。64年の東京オリンピック。TVを抜きに語ることは出来ない。それまでと違う社会文化が。都会と地方の地位を解消。中村隆英。70年代に西洋に追い越す。気が付かないうちに。変化の中に居る人間が変化を認識するのは難しい。60年代の人にとって自家用車を持つのはリアリティがなかった。
庶民に慰めを提供したのはメディア。独自の戦後大衆文化を。TVの時代。都市と農村の違いを無くす。

 

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