旧約聖書(もちろん新約も)の影響力は無視出来ない。
-----講義録始め-----
旧約聖書の話、カインとアベルのエピソードは、カインが弟のアベルを殺し、その結果、地上の放浪者として追放されるという物語です。これは、親が子供に対して抱く「ヤダ」と思う要素を反映し、兄弟姉妹間の葛藤や、子供としての親への愛着を描いています。
神は全知全能であるとされていますが、この物語を通して見ると、神への見方は様々な視点から考えられます。アダムとイブは、互いを意識し始めるとエデンの園から追放され、死ぬべき存在とされました。そして、彼らの子供であるカインとアベルの物語は、親側の愛情の偏りが生じうるという、エディプスコンプレックスの原型を描いています。
しかし、神がカインを完全に見捨てたわけではなく、カインが他人に殺されないようにと、しるしを刻印することで保護しました。この行為は、ある意味で神の寛大さを示しています。神自身がカインに対して圧力をかけたにも関わらず、それに無自覚であるという点から、神の視点にも深い洞察を与えています。