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生活リスクマネジメント第1回(その4)#放送大学講義録

ゼロリスクが現実的ではない、それを覚えておかないと。

 

-----講義録始め-----

 

まず、この科目の全体的な構成を示します。現代社会に生きる私たちがリスクを論じる際に持つべき3つの観点を抑えておきます。第一の観点は「リスクの様相」、すなわちリスクの客観的、物理的な状態に関するものです。第二の観点は「リスクの認識」、すなわち人間の主観的な認識について。そして、第三の観点は「リスクへの対処」、人間の対応活動に関するものです。

リスクの様相に関しては、現代のリスクがどのように多様化しているか、また量的にどれだけ増大しているかを捉えることが重要です。リスクの認識の観点では、物理的なリスクが存在しているかどうかに関わらず、私たちがどれだけリスクに敏感になっているか、また不安を感じているかを考慮する必要があります。リスクへの対処の観点では、具体的な方策や議論の課題について考察します。

この科目の目的は、生活者が現代のリスクを中心に考え、その管理方法を学ぶことです。具体的には、リスクの様相、認識、対処の3つの観点から、現代の生活のリスクにアプローチします。

リスクマネジメントの目標は、絶対的なゼロリスクを追求するのではなく、現実的なリスクとの折り合いを見つけることです。また、生活者のリスク管理の主体としての役割を再評価することも重要です。

この科目は、生活者を中心に構築されていますが、地域活動、企業、医療、行政の担当者なども対象としています。これは、これらの専門家や担当者が日常の業務で関わる生活者のリスクの認識や対処の特徴を理解することが、リスクコミュニケーションを円滑に行うために不可欠だからです。