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牧阿佐美バレエ団のレッスン風景を紹介。小嶋直也先生が指導。バーレッスンとセンターレッスンの重要性、ガリーナ・ウラノワの言葉を引用し、日々の練習の必要性を強調。(舞台芸術の魅力第5回)#放送大学講義録

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ここまで話してきたバレエというダンスの本質的な特徴を覚えていただいた上で、これから実際のレッスン風景をご覧いただきます。

ご覧いただくのは、牧阿佐美バレエ団の稽古風景です。レッスンを受けているのは、このバレエ団のライン、すなわち正規のメンバーの皆さんです。今回のレッスンの先生は小嶋直也さんです。彼はかつて日本を代表する素晴らしい男性ダンサーの一人として活躍され、現在は教える側に回っています。

バレエダンサーは、毎日このようなレッスンを受けます。かつてのソビエト時代のロシアの有名なバレリーナ、ガリーナ・ウラノワの有名な言葉があります。「1日休むと自分でわかる、2日休むとパートナーにわかる、3日休むと観客にもわかる」という言葉ですが、とにかく毎日レッスンがあります。

舞台では作品を上演しますが、その期間中でもリハーサルが行われます。作品を稽古する前に、必ずこのレッスンがあり、その後でリハーサルが行われます。

バレエのレッスンは基本的に前半のバーレッスンと後半のセンターレッスンに分かれます。ダンサーたちはストレッチなどでウォーミングアップをした後、このバーに片手を置き、体を右半分、左半分に分けて、左手をバーの上に置いて右半分を動かします。その後、右手と右足を動かします。次に、右手をバーの上に置き、左手と左足を動かします。このような訓練方法を行います。

このバーレッスンとセンターレッスンの時間配分は先生によって異なります。このレッスン全体が何かの教則本に基づいているわけではありません。まず、先生がダンサーたちに指示を出します。これはある組み合わせになっています。これをアンシェヌマンと言いますが、例えば、私たちが単語を並べて文を作るようなものです。その単語を入れ替えて別の文を作るような感じで、先生はみんなに課題を与えます。

ダンサーは言われた通りにその順番を覚えて、最後まで一つの文を作ります。どのように組み合わせるかは、先生がその場で即興的に思いつくものですが、この組み合わせ方が非常に上手い人が優れた教師だと言われています。