F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

生徒指導と教育相談第1回(その1) #放送大学講義録

文化の伝達が教育であると知る。

 

-----講義録始め-----

 

この時間は生徒指導と教育相談についてお話しします。今回は第1回目として、生徒指導と学級集団に焦点を当てて進めていきます。

皆さん、こんにちは。これから8回にわたり、生徒指導と教育相談の幅広い領域についてお話しします。しかし、全ての問題について触れることは難しいため、特定の問題を取り上げ、それを通じて他の問題へのアプローチの手がかりを提供したいと思います。

学校は、未成熟な子供たちに社会の文化を伝える教育機関です。文化とは、社会の人々に共有されている思考や行動の様式を指します。これは、社会の人々が同じ枠組みの中で考え、行動するための基準となります。

学校教育の目的は、この文化を子供たちに習得させ、社会生活に適応できるようにすることです。学校教育が伝達する文化には、認知的文化と規範的文化の2つがあります。認知的文化は知識や技能、芸術などの知的な側面を、規範的文化は社会の価値や規範、行動様式などの行為の仕方を指します。

学校教育は、これらの文化を伝達するために学習指導と生徒指導に分けられています。認知的文化は教科として体系化され、規範的文化は実際の行動や経験を通じて習得させるものです。

規範的文化を習得するためには、実際の社会生活や集団生活の経験が必要です。学校教育では、学級活動や児童会、生徒会活動、学校行事などの集団活動を通じて、規範的文化を習得させることを目指しています。

しかし、生徒指導は学校生活のあらゆる領域で行われるものです。授業中や給食の時間、休憩や清掃の時間など、どの時間帯でも、教師が生徒の行動を指導することで、規範的文化を身に付けさせることができます。

とはいえ、一時的な指導だけでは十分ではなく、計画的・系統的な指導が必要です。その中心となるのは、学級活動や児童会、生徒会活動などの集団活動です。

結論として、学校教育には認知的文化と規範的文化の2つの側面があり、それぞれの教育活動が重要な役割を果たしていることを理解していただきたいと思います。