F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

思春期の孤独感🍃情報化社会の影 生徒指導と教育相談第3回(その5) #放送大学講義録

二重の課題を抱えるのは大人も同様だと思う。

 

-----講義録始め-----

 

最後に、この時期に必要な孤独についても触れておきたいと思います。

思春期の友人関係では、流行を追い求める一方で、周りの友達に合わせることに神経を使うこともあります。しかし、人とは違った自分らしさを大切にしたいというアンビバレントな思いの間で揺れ動く子どもたちも多いのです。つまり、思春期は、人との関係を築きながら、その一方で自分の世界を構築するという二重の課題を背負っている時期と言えるでしょう。

自分自身を深く見つめ、自分らしさを発見するためには、孤独な時間が必要です。孤独は寂しさや辛さを伴うものの、1人の時間で本当の自分に直面することができ、新しい気付きや自分らしさを取り戻す契機となります。一方で、登校拒否や大人を恐れる子どもたちが世界を拒絶し、孤独を経験することの価値や大切さを我々に示しています。

しかしながら、現代の情報化社会では、1人になることが難しくなっています。テレビやインターネットからの情報が絶え間なく流れてきて、自らの判断で選択することなく流されてしまうことがあります。人々の目の前で、本当の自分でいるのは難しい。友人との距離感も、心の弱い部分を守るための方法となっていることもあるのではないでしょうか。

子供たちが「疲れた」と呟くその背後には、内的な成長を助ける孤独と、その成長を支える真のつながりが失われつつあることが隠されていると考えられます。この子供たちに信頼感を持たせるために、何が必要かを深く考える時が来ていると思います。

今回の生徒指導と教育相談の第3回では、思春期の人間関係についてお話ししました。