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大都市の犯罪不安🌆: メディアの真実📺 生活リスクマネジメント第10回(その4) #放送大学講義録

マスメディアに毒される現代人である。

 

-----講義録始め------

 

では、犯罪不安に対する次の要因について話します。2つ目の要因は都市の規模です。都市の規模別に犯罪不安の程度を調査すると、大都市に住む人々は犯罪不安の程度が高いことが分かります。この原因として、大都市では小都市や市町村に比べて匿名性が高く、また生活時間帯が深夜に及ぶことや繁華街が近くに存在するため、犯罪に巻き込まれる機会が多いと感じることが影響していると考えられます。

次に、3つ目の要因である犯罪被害について話します。犯罪被害経験の有無と犯罪不安の程度との間には関連性があります。これは多くの研究で明らかにされています。過去に犯罪被害に遭った人は犯罪不安の程度も高く、直接の被害だけでなく、家族や知人が犯罪被害に遭う「代理被害」や犯罪被害の情報を聞く「間接被害」でも犯罪不安が高まることがあります。

特に、マスメディアの犯罪報道と人々の犯罪不安の関係には注意が必要です。実際の犯罪統計とマスメディアの犯罪報道は必ずしも一致しないため、犯罪の認識が歪められることがあります。マスメディアはセンセーショナルな犯罪や暴力事件を報道しやすく、これが一般の人々の犯罪認識に影響を及ぼすことが報告されています。しかし、犯罪不安への影響はメディアの種類や視聴時間、視聴者の属性などによって異なり、詳細な実態や要因の解明が今後求められるところです。

次に、犯罪不安に対する4つ目の要因である「秩序の乱れの認知」について話します。人々が秩序が乱れていると感じると、犯罪不安が増す傾向にあります。例えば、落書きやゴミのポイ捨て、違法注射などの秩序や風紀の乱れを目にすると、その場所における社会的統制が欠けていると感じ、犯罪不安が高まります。

この要因に関連して「割れ窓理論」について触れます。割れ窓理論とは、小さな秩序の乱れが大きな犯罪を誘発するという理論です。具体的には、壊れた窓ガラスを放置すると、その周辺の環境が悪化し犯罪が増えるとされています。この理論によれば、物理的な乱れや社会的な乱れの2つの要因が影響を及ぼします。物理的な乱れには、建物や公共物の破壊、放置された乗り物などがあり、社会的な乱れには、酔っ払いや夜間の若者の集まりなどが該当します。この理論は、こうした小さな乱れを取り締まることで、大きな犯罪を抑止する考え方を持っています。